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らっかみ!新春☆初夢宝船フェア2020! ~白編~
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桜、咲く。
春の陽は柔らかく、古都の通りに降り注いでいる。
薄青色の空には刷毛で一筋撫でたような雲が薄くたなびき、町並みを形作る甍の波は、陽を照り返して白波のように輝いている。
一つ頭が突き抜けているのは、煉瓦造りの六角形した鐘楼。
舶来の香り漂う町屋の二階で欄干に凭れるようにして、私――
小山内 海
は風景をスケッチしている。
春告げの東風が華やかな笑い声を運んでくる。声の方へ目をやれば、眼下の通りを、紺や臙脂の袴姿のハイカラな女学生たちが、白や赤のリボンを弾ませ歩いている。
私も、彼女たちと同じような矢絣の着物に紺の袴姿で、髪留めには大輪の赤い花飾り。
これは、夢?
ああきっとそうだ。
何しろこの古都の名も思い出せない。
夢ならば……。
そっと喉のあたりをなぞる。
声が出ても良かろうに、幼いころに病気で失った声はそのままだ。
革のブーツの踵を鳴らし、小鳥みたいにお喋りしながら行き過ぎる女学生たちを眩しく見送ると、思わず小さくため息が出た。
羨ましくないと言ったら嘘になるけれど、不満だというわけじゃない。
声を失わなかったら分からなかったことや、出逢えなかった人もいると知っているから。
私は気を取り直してスケッチブックのページを捲った。
真っ白なページに心が清む。
どんなときでも、どんな世界にいても、スケッチブックは友だった。
時に私の声の代わりとなり、時に私の目に映ったものを記録し、時に私の心そのものを受け止めてきた。
夢だとて、否、夢だからこそ、普段描けないものを描けるかも。そんな気持ちが高まってくる。
(何を描こう)
真っ白なページを見つめる。
ふいに心に浮かんだのは、一人の食卓。
皿の上に載った肉とサラダ。揃えられたフォークとナイフ。たった一人で座る椅子。誰とも話すことなく、誰とも顔を合わせることなく食した夕食は、決して不味いものではなかったはずなのに、砂のように味気なかった。……この記憶はなんだろう。これも夢なのだろうか。
思いがけず訪れた寂寥感に手が止まる。
――ひとりは、いやだな。
そんな想いが沸と湧いた。
どんな美しい世界にいても。
どんな美味しいものがあったとしても。
――ひとりは、いやだな。
風が吹いた。
若草色した二羽のメジロが、囀りながら飛んできた。
二羽は親し気に海の周りを飛び回ったかと思うと、私の肩と膝頭にちょこんと留まった。
心安くしている二人の友が訊ねてくれたようで嬉しくなり、思わず心の中で話しかける。
(こんにちは)
すると鳥たちはまるで私の声が聞こえたかのように、小さな嘴で囀り返してくれた。
ふふっと笑って。
(ご機嫌いかが?)
そんな言葉なき問いかけに、二羽はまた囀り。
『ええとても結構よ』
『君が寂しそうに見えたから遊びに来たよ』
そんなふうに答えた気がした。
――なんだか見抜かれちゃってるね。
苦笑する。そして決めた。描くのは彼らだ。
(ねえ、優しい友だち。少しだけそのまま、じっとしていてくれる?)
二羽のメジロは心得たというように小首を傾げる。
私は色鉛筆の束を取り出し、陽を受けて柔らかく輝く羽毛や、羽根先を彩る墨色や、つんと尖った嘴や、白く縁取りされた黒い実のような瞳をスケッチブックの中に写し取ってゆく。
(綺麗……とても)
私がスケッチしている間、メジロたちはぴぃとも鳴かず、時折頭を動かすだけだった。
私も鳥たちを長く待たせはしまいと息を詰め、手早く色を重ねてゆく。
(……できた)
満足と安堵の息を吐く。
スケッチは我ながらよい出来だった。
モデルは二羽だったけれど、スケッチブックの中では三羽のメジロが仲良く囀りあっている。
何故かこう描きたくなったのだ。
一羽は私。この絵は二人の仲間と、私。
絵の完成を見計らったかのように、メジロたちが肩と膝から飛び立った。
(ありがとう)
お礼の言葉を伝えると、メジロたちは一声啼いた。
それを合図としたように、ごうという音とともに、一陣のつむじ風が古都を彩る桜並木を吹き抜けた。
散りに散った桜の花びらが、私がいる部屋の中にも舞い込んでくる。
光輝き、真っ白な花びらは、木漏れ日と相俟って渦となり――桜色の浪漫の景色が遠くなる。
たったひとつ。
間違いなくわかったこと。
――私はひとりじゃない。幸せだよ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年01月02日
参加申し込みの期限
2020年01月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年01月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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