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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【寝子祭2nd】陸上部、出店！ ―『カフェ・アスリート』―
「ただいま……！」
拓郎が、殻になったトレーを手に戻ってきたのは、それから１０分ぐらいたった時だった。お客さんもだいぶ落ち着いたころである。お客さんを見送った莉鳥がため息を吐けば、店内に残っているのがほぼ陸上部員たちだけだった。
「おー、ちょっと落ち着いたみたいだし写真でもどうだ？」
正也がカメラを手に提案すれば、「ナイスアイデアだにー！」と侑も賛成する。
「ふー、やっと落ち着いた……」
調理班から解放された望月が、バンダナを取りながら裏方から登場すれば、おつかれー、と正也が出迎え、莉鳥は、その様子に苦笑する。
（まぁ、このメンバーなら大丈夫だな。毎年そうやって変わっていくんだよな……）
そこに自分のいない寂しさはあるが、それはそれ。これはこれ。気分を取り直し後輩たちにあつまって、と声をかける。
「せっかくだから先生呼んでくるにー！」
侑がそういい、教室を飛び出す。そして２、３分後には侑に連れられ「なんだ、なんだ？！」と目を白黒させる幸太の姿が。
「じゃ、俺が撮ろう」
最後に残っていたお客さん、雅樹が正也に手を伸ばす。「いいのか？」と正也が問えば、雅樹は「一緒に撮られなよ」と１つ頷く。
「ほら、笑って笑ってー！ はい、チーズ！」
雅樹の掛け声のもと、シャッター音が響く。
（こんなことが出来るのも、あと少しなのかしらね）
莉鳥はシャッターを切る雅樹の姿を見ながら、ぼんやりとそんなことを思った。
写真撮影も終わり、休憩に入った拓郎と侑、莉鳥。
「なんかお腹がすいた……」
と拓郎が呟くと、侑がさっ、と数名分のサンドウィッチを取り出す。
「これ、部員分だに～！ 宇佐美先輩からの差し入れだに～！」
「「おお……」」
これには莉鳥も拓郎も小さく歓声を上げる。確かに、望月の手料理は美味しい。故にだろう。忙しい最中頑張る後輩への気遣いを残すのも彼らしい。
３人は互いの健闘をたたえつつ、残りの時間も頑張ろう、と励まし合った。
――くしゅん！
ふと、くしゃみをした望月に、「大丈夫か？」と正也は声をかける。
「俺様は大丈夫。しかし、どこかで噂でもしてんのか？」
鼻を擦りながら首をかしげる望月。正也は苦笑しつつもちらり、と『カフェ・アスリート』の方を見る。
（がんばれよ、後輩たち！）
エールを送る正也の温かいまなざしに、望月は小さく「そうだな」と頷いた。
祭が終われば、また受験勉強漬けの日々である。こういう日ぐらい羽を伸ばしてもいいだろう。
「よっし、次はあっちに行ってみようぜ！」
「おぉ！」
正也と望月は、笑い合って駆けだすのだった。
実行委員の仕事に戻った雅樹は……、まだ少しぼんやりしていた。
やはり、莉鳥の背中が遠く感じるのだ。
（こうして、関係が薄れて、たちぎれになるのかなぁ）
塩対応な幼馴染の横顔を思い出し、「ほんと、なにやってんだろ」と呟く。そもそも己はどうしたいのか、さえ見えない気がした彼は、むしゃくしゃしながらも顔を上げた。
今は、実行委員の仕事に専念しよう。
そうこうしているうちに、彼の脳裏は自分のやるべことで埋まっていった。
やがて、祭も終わりに近づき、『カフェ・アスリート』の看板も『準備中』に戻る。
無事に終わったことに安堵する拓郎たちの顔に寂しさがよぎるのは、夕暮れの所為だけではないだろう。
（課題も残った）
（その改善点をいかにつなぐか、だに）
（できることからやるしかないわね）
拓郎も侑も莉鳥も、来年は最高学年だ。３人は来年の今頃そこにいないだろう。でも、来年ここを率いる今の一年生たちが困らぬよう、少しでも残しておこうと考える３人なのであった。
後日、正也のカメラでとった写真が、部室に飾られる。
その顔はどれも楽しそうで（莉鳥は恥ずかしそうだったが）、輝いていた。
【寝子祭】『カフェ・アスリート』（終）
拓郎が、殻になったトレーを手に戻ってきたのは、それから１０分ぐらいたった時だった。お客さんもだいぶ落ち着いたころである。お客さんを見送った莉鳥がため息を吐けば、店内に残っているのがほぼ陸上部員たちだけだった。
「おー、ちょっと落ち着いたみたいだし写真でもどうだ？」
正也がカメラを手に提案すれば、「ナイスアイデアだにー！」と侑も賛成する。
「ふー、やっと落ち着いた……」
調理班から解放された望月が、バンダナを取りながら裏方から登場すれば、おつかれー、と正也が出迎え、莉鳥は、その様子に苦笑する。
（まぁ、このメンバーなら大丈夫だな。毎年そうやって変わっていくんだよな……）
そこに自分のいない寂しさはあるが、それはそれ。これはこれ。気分を取り直し後輩たちにあつまって、と声をかける。
「せっかくだから先生呼んでくるにー！」
侑がそういい、教室を飛び出す。そして２、３分後には侑に連れられ「なんだ、なんだ？！」と目を白黒させる幸太の姿が。
「じゃ、俺が撮ろう」
最後に残っていたお客さん、雅樹が正也に手を伸ばす。「いいのか？」と正也が問えば、雅樹は「一緒に撮られなよ」と１つ頷く。
「ほら、笑って笑ってー！ はい、チーズ！」
雅樹の掛け声のもと、シャッター音が響く。
（こんなことが出来るのも、あと少しなのかしらね）
莉鳥はシャッターを切る雅樹の姿を見ながら、ぼんやりとそんなことを思った。
写真撮影も終わり、休憩に入った拓郎と侑、莉鳥。
「なんかお腹がすいた……」
と拓郎が呟くと、侑がさっ、と数名分のサンドウィッチを取り出す。
「これ、部員分だに～！ 宇佐美先輩からの差し入れだに～！」
「「おお……」」
これには莉鳥も拓郎も小さく歓声を上げる。確かに、望月の手料理は美味しい。故にだろう。忙しい最中頑張る後輩への気遣いを残すのも彼らしい。
３人は互いの健闘をたたえつつ、残りの時間も頑張ろう、と励まし合った。
――くしゅん！
ふと、くしゃみをした望月に、「大丈夫か？」と正也は声をかける。
「俺様は大丈夫。しかし、どこかで噂でもしてんのか？」
鼻を擦りながら首をかしげる望月。正也は苦笑しつつもちらり、と『カフェ・アスリート』の方を見る。
（がんばれよ、後輩たち！）
エールを送る正也の温かいまなざしに、望月は小さく「そうだな」と頷いた。
祭が終われば、また受験勉強漬けの日々である。こういう日ぐらい羽を伸ばしてもいいだろう。
「よっし、次はあっちに行ってみようぜ！」
「おぉ！」
正也と望月は、笑い合って駆けだすのだった。
実行委員の仕事に戻った雅樹は……、まだ少しぼんやりしていた。
やはり、莉鳥の背中が遠く感じるのだ。
（こうして、関係が薄れて、たちぎれになるのかなぁ）
塩対応な幼馴染の横顔を思い出し、「ほんと、なにやってんだろ」と呟く。そもそも己はどうしたいのか、さえ見えない気がした彼は、むしゃくしゃしながらも顔を上げた。
今は、実行委員の仕事に専念しよう。
そうこうしているうちに、彼の脳裏は自分のやるべことで埋まっていった。
やがて、祭も終わりに近づき、『カフェ・アスリート』の看板も『準備中』に戻る。
無事に終わったことに安堵する拓郎たちの顔に寂しさがよぎるのは、夕暮れの所為だけではないだろう。
（課題も残った）
（その改善点をいかにつなぐか、だに）
（できることからやるしかないわね）
拓郎も侑も莉鳥も、来年は最高学年だ。３人は来年の今頃そこにいないだろう。でも、来年ここを率いる今の一年生たちが困らぬよう、少しでも残しておこうと考える３人なのであった。
後日、正也のカメラでとった写真が、部室に飾られる。
その顔はどれも楽しそうで（莉鳥は恥ずかしそうだったが）、輝いていた。
【寝子祭】『カフェ・アスリート』（終）
あとがき
担当マスター：
菊華 伴
ファンレターはマスターページから！
菊華です。
今回はプライベートシナリオでしかも寝子祭の出店！
こちらもアクションで楽しませていただきました。
多少アレンジ（アドリブ）入れましたが如何でしょうか？
少しでもいい思い出になると嬉しい事です。
現役組は今後も頑張ってください。
そして先輩方はお疲れさまでした。進学に向けてファイトですよ！
それでは短いですがこの辺りで。
また縁がありましたら宜しくお願いします。
菊華 伴
今回はプライベートシナリオでしかも寝子祭の出店！
こちらもアクションで楽しませていただきました。
多少アレンジ（アドリブ）入れましたが如何でしょうか？
少しでもいい思い出になると嬉しい事です。
現役組は今後も頑張ってください。
そして先輩方はお疲れさまでした。進学に向けてファイトですよ！
それでは短いですがこの辺りで。
また縁がありましたら宜しくお願いします。
菊華 伴
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2019年12月02日
- 参加申し込みの期限
-
- 2019年12月09日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2019年12月09日 11時00分
