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【星幽塔】第一階層 親しき者への鎮魂歌
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全てのゾンビを倒した後、冒険者たちは墓場で村人を弔う準備を進めていた。
そんな中、月詠がフォルカに訊く。
「パウダーは見つかったのかい」
ああ、と。フォルカは墓場の奥で発見した袋を取り出してみせる。
マードックも、危険性は奴なりに理解していたつもりなのだろう。見るからに分厚く頑丈な革袋に、口を何重にも封をしてあった。
「もしかして――」
まあ、と。ルークの言葉を月詠がさえぎる。
「欲しいという訳じゃないが、興味はある」
といっても、別にゾンビを作りたいわけではない。
食糧の保存料や防腐剤の研究に活かせないかと、そう思ったのだ。
「それとゾンビパウダーと、どう関係が?」
「料理は死体を加工したものだろう? だから、死体に作用するパウダーを研究したら、何か得られるものがあるんじゃないかとね」
とはいえ。
扱いをほんの少し誤れば、この村のような惨劇を引き起こす危険な代物だ。
適切な設備の整った環境があるならともかく、実物をいきなり回収して研究するのは無謀もいいところだろう。
「パウダーは封印するべきだろう。それは私も賛成だ。代わりと言ってはなんだが、マードックの資料の一つでもあれば持ち帰りたい」
「実験小屋を見つけた、って言ってなかったかい?」
サキリに水を向けられたティオレは、どこかうんざりした様子で答える。実験小屋の様子を思い出したのだろうか。
「小屋ごと全部壊したよ。中にあった物も」
それに、とフォルカの抱えるゾンビパウダーを指差す。
「封印なんて半端なことをするくらいなら、燃やしたほうがいい」
「僕もその意見に賛成だ。このパウダーは危険すぎる」
サキリにティオレに、他の冒険者たちも処分で心は決まっているようだった。
月詠も欲しいわけではないし、強硬に反対する理由もない。
結局、パウダーは灰になるまで燃やしてしまうことになった。
◆
墓地の傍らに、横たえられたゾンビが――村人たちの亡骸が、ひとつまたひとつと、墓地に組まれた即席の火葬場へと運ばれていく。
「……土葬じゃなくてよかったの?」
マリーネに問う夏朝の視線の先には、掘り返された空っぽのままの棺があった。棺があるからには、土葬がこの村の弔い方だったのだろう。
できればこの村のやり方でと思う夏朝に、マリーネはゆっくりと首を振った。
「いいんです。これなら、もう蘇ってしまうこともありませんから」
「……そっか」
夏朝自身、ゾンビ化を考慮すれば火葬のほうがいいとも思っていた。
だからマリーネがそういうのなら、それ以上はもう何も言わないし、何も言えない。
「それじゃあ、はじめますね」
リリエルが魔火の光で火葬場に点火し、村人たちを穏やかな炎が包み込む。
マリーネは、ぎゅっと唇を噛んでその様子を見つめている。固く握りしめられた手は、微かに震えていた。
村で起きた惨劇に気づいた時から今この瞬間まで、否、今この瞬間も。ずっと彼女は、張り詰めたままでいるのだろう。
「まだまだやることはたくさんありますよね」
立ちのぼる煙を見つめる妙子の呟きに、マリーネは小さく頷いた。
荒れ果てた村をそのままにしてはおけないし、村人たちの遺品の整理なんかもあるだろう。
倒して、弔って、一区切りついても、まだ終わりではない。
「腹が減っては戦ができぬ、とも言いますし。一度何か食べて休憩しましょう」
「そうですね。戦いに、弔いの準備に、皆さんにはお世話になりっぱなしでしたから……。少し、休んでいただかないと」
「マリーネさんもですよ」
母が子を案じるような、ねぎらうような微笑を向ける妙子。
城下街で依頼を出す前から、マリーナの心はずっと張り詰めっぱなしなはずで。
だから一番休息が必要なのは、他ならぬ彼女だった。心にしても、身体にしても。
「 何か食べたいものはありますか? こちらの料理は詳しくないですけど、教えていただければ作ります」
しばらく、マリーネから答えはなくて。
ややってようやく彼女が口にした料理の名前は、同時にこぼれた嗚咽でうまく聞き取ることができなかった。
すみません、と切れ切れの声で謝るマリーネの肩に、夏朝がそっと手を置く。
「もう、泣いても良いんだよ」
夏朝の頬にも、涙が伝う。
ふわりと包みこむように、妙子はマリーネを柔らかく抱きしめた。
「泣いたっていいんです。……いえ、泣いてください。その間、ずっとこうしていますから」
瞬間、堰を切ったように涙が溢れ出した。言葉にならない叫びをあげて、マリーネは子供のように泣きじゃくる。
マリーネの嗚咽につられたのだろう。
村人たちに弔いの火をくべるリリエルも、気づけば青い瞳いっぱいに涙をためていた。
こぼさないように見上げた空は、うっすらと夕焼けの気配をにじませている。
赤く染まりだした空へと流れていく煙は、泣きはらした頬を伝う涙の跡のようにも見えた。
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あとがき
担当マスター:
風雅宿
ファンレターはマスターページから!
この度はお待たせしてすみませんでした。
ゾンビ退治と、弔いと。
トムがガイド情報と異なる形での出番となったりなどもありましたが、リアクションお楽しみ頂けたならば幸いです。
それでは、またどこかで。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年11月07日
参加申し込みの期限
2019年11月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年11月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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