「私の両親を……殺してください」
唐突な依頼に、
アケーチ・タッマーキは一瞬首をかしげたものの。
どうやら冒険者らしき少女の追い詰められたような視線に、すぐに労わりの微笑を浮かべた。
「美しいお嬢さん。私でよろしければ、お話をお聞きしましょう」
少女は思い詰めた表情で、ぽつりぽつりと語り始めた。
「私は、
マリーネと言います。一年前に冒険者になって、あちこちを旅していました」
マリーネは背中に剣を帯びていて、少しは腕に覚えがありそうだ。もちろん、ベテラン冒険者であるアケーチから見ればまだまだ、新米の駆け出しといったところだが。
「そして十日前……故郷の村へ帰った時のことです」
彼女の生まれた村は、星幽塔第一階層の片田舎にある。
素朴な暮らしを送る、のどかで小さな村だ。住人は概ね顔なじみであり、冒険から帰ればこぞって出迎えてくれた。
しかし十日前、マリーネが大仕事を終えて村へと凱旋すると、そこに彼らの出迎えは無かった。いつもは真っ先に顔を見せてくれる両親の姿さえ見当たらない。
それどころか、人の気配すら感じられない。
「父さん? 母さん……?」
冒険者として過ごした一年間の経験が、告げていた。
きっと両親はもう、生きてはいないのだと。
「……村は既に、
ゾンビの巣窟と化していました」
「なんと、ゾンビですか」
アケーチが思わず言うと、マリーネは悲しげに目を伏せる。
「情報を集めてみると、ひと月ほど前、サジタリオ城下町から冒険者風の男が村の方角へ歩いてゆくのが目撃されていました。彼は直近のクエストで挑んだ古い遺跡の中で、秘宝
「ゾンビパウダー」を手に入れたのだとか」
「ゾンビを作るための素材となるという、希少な粉ですね。つまりその男が、あなたの村でゾンビパウダーを使用した……と」
「はい。せっかく手に入れた宝の持つ力を、どこかで試してみたかったのでしょう。よりにもよって、私の村で……」
意を決したように、マリーネはアケーチを見上げ、言った。
「お願いです。手伝ってもらえませんか? ゾンビとなってしまった村人たちを……私の両親を、せめて在るべき場所へ送ってあげたいんです。私はまだ未熟で、一人ではとてもできそうにないから……」
アケーチは少女の細い肩に手を乗せ、優しく、力強くうなずいた。
こんにちは、よろしくお願いします!
アケーチ・タッマーキさん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
新米冒険者「マリーネ」の依頼で、星幽塔の冒険者であるあなたは、
第一階層のとある村へ向かうことになりました。
のどかな田園風景が広がる村では、住人たちがゾンビとなってさまよっています。
立ち入ればすぐさま襲いかかってくることでしょう。
マリーネは彼らを倒し、丁重に葬ることを望んでいます。
ゾンビとなった人々は、残念ながらもう元には戻りません。
冒険者として彼らを倒し、せめて安らかに眠らせてあげてください。
舞台は星幽塔ですが、寝子島に暮らしている方で、星幽塔を知らないというキャラクターでも、
突然この場所に呼ばれてしまい、ファンタジーな格好で参戦することになってしまった……、
なんてきっかけもOKです。
どなたでも、お気軽にご参加ください!
アクション
◆村人ゾンビ
村中を徘徊するゾンビたち。
既に知能はありませんが、生前に取っていた行動を繰り返したり、
手に馴染んだ道具を扱うこともあるようです。
獲物を見つけると一斉に襲いかかり、捕食してしまいます。
なお、村には3~400人程度の村人が暮らしていたとのこと。
ゆっくりと歩くタイプ、活発に走るタイプ、
身体が半身しかなく這いずって移動する代わりに酸性の胃液を吐きかけてくるタイプなど、
さまざまなゾンビが存在します。
ゾンビに噛まれると、やがて自分もゾンビになってしまいます。
噛まれてしまった場合、早期段階で星の力の「癒しの光」を使えば、治療することが可能です。
◆農夫トム
マリーネの父親。
広大な畑のどこかを、10人ほどの農夫仲間たちと共に徘徊しています。
巨漢でタフ。動きは鈍いものの、クワによる一撃は岩をも砕きます。
◆羊飼いマリオン
マリーネの母親。
村のそばの小高い丘にいます。
100匹ほどの獰猛な「ゾンビ羊」を従えており、獲物にけしかけてきます。
◆冒険者マードック
とある遺跡で「ゾンビパウダー」を手に入れた冒険者。墓場にいます。
村の住人を使ってゾンビを作る実験を行おうとしたものの、取り扱いを間違い、
自分までゾンビになってしまったようです。
杖を持ち、魔水の光で氷系の攻撃をしかけてきます。
NPCについて
以下のNPCが登場可能です。自由に交流してください。
◆マリーネ・シトラス
魔風の光を宿した剣を扱う新米冒険者。腕はそこそこです。
父や母の姿を探しながら、村人ゾンビと戦っています。
◆ルーク・ポーラスター
なるべく多くの村人ゾンビを倒そうとしています。
◆フォルカ・ヴィクスン
「ゾンビパウダー」の残りを探して処分する役割を買って出ました。
星の力
星幽塔にいると、星の力 と呼ばれる光が宿ります。
★ 基本的な説明は、こちらの 星の力とは をご確認ください。
星の力やその形状は、変化したりしなかったりいろいろなケースがあるようですが、
このシナリオの中では変化しませんので、このシナリオではひとつだけ選んでください。
ひとともれいびにはひとつだけですが、
ほしびとには、第二の星の力(虹)もあります。
★ 虹についての説明は、こちらの 第二の星の力 をご確認ください。
アクションでは、どの星の光をまとい、その光がどのような形になったかを
キャラクターの行動欄の冒頭に【○○の光/宿っている場所や武器の形状】のように書いてください。
衣装などにこだわりがあれば、それもあわせてご記入ください。
衣装とアイテムの持ち込みについて
塔に召喚されると、衣装もファンタジー風に変わります(まれに変わってないこともあります)
もちものは、そのPCが持っていて自然なものであれば、ある程度持ちこめます。
※【星幽塔】シナリオのアクション投稿時、作物・装備品アイテムを所持し、
【アイテム名】、【URL】を記載することで、
シナリオの中で作物(及びその加工品、料理など)・装備品を使用することができます。
※URLをお忘れなく!!!
※オーダーメイド装備品について
鍛冶工房のトピックを経る(またはシナリオなどで得る)場合のみ
アクション冒頭で指定した星の力とは別に、装備品固有の《特殊効果》が認められます。
アイテム説明欄に、トピックでの完成時の書き込みURL・シナリオ入手時のURLを記載してください。
例:http://rakkami.com/topic/read/2577/2116
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!