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【演劇祭】とある少女の冒険記
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物語の進行に合わせて編集した音源を再生機器にセットする。スイッチに触れれば掌サイズの機械から音楽が流れ出す。
(音を出す機械はネコジマでないと使えませんもの)
小さく耳に届く音楽を確かめながら、
アイオ・キャンドライト
は獣人のかたちからひとのかたちに変化した指先で機械を突っついた。
魔法を使えなくとも、魔法じみた術を誰もが使うことができる。もちろん、機械があってのことではあるけれど、星幽塔とはまた違う世界、寝子島の機械文明はアイオには目を瞠ることばかり。
とはいえ、ネコジマにも随分慣れた。パソコンやその周辺機器を使ってインターネット上に音声や画像をアップすることさえ今では出来る。慣れない機械を使っての作業には初めは苦戦したものの、それもこれも全て、自分の歌声を誰かに届けたいがため。歌を聴いてもらうため。
今回、マタタビック演劇フェスティバルへの出演を決めた理由も、それがひとつ。
いつも歌の練習をしている公園の芝生広場を見回し、アイオは空色の瞳を笑みに輝かせる。掌から溢れる音楽に合わせ、伸びやかな声を高く澄んだ秋の空へと響かせる。
(ふたりはまだですけれど)
劇の手伝いをしてくれるふたり──育て親でもあり雇い主でもある
ディアーナ・マルトン
と、ネコジマの住人である
万条 幸次
と、練習のために集まる約束はしているが、その時間まではまだ遠い。
早朝の水色の空気の中、アイオは歌を口ずさみながらスカートの裾を摘まんで優雅にお辞儀をしてみせる。空色の瞳に思い描くのは、演劇の物語の冒頭、主人公の少女が迷い込んだ『炎竜の森』で出会う少年。
少年役は幸次にお願いしようかと考えもしたけれど、
──去年は観客だったから今年は参加してみたくなっちゃったけど、……セリフまで喋るのは流石に苦手で……
やめて、と赤らめた顔を覆って頼みこまれてしまえば、無理強いは出来ない。幸次には演出と補助をお願いした。
──黒子みたいな感じだね
それなら、と頷く幸次にお願いしますわと笑いかけながら、アイオは決意を固めた。
これは、自分がやりたいと言ったこと。いわばアイオのわがまま。そのわがままに、ディアーナと幸次を巻き込んだ。巻き込んだ以上の迷惑を掛けてはならない。言い出した自分が全部引き受けなくてはならない。
(正直に言うと、……)
見えない少年に向けて手を差し伸べる。手と手を取り合い、アイオの歌に合わせて輪舞を踊るその場面は、舞台のオープニングに当たる場面。
くるりくるりと芝生の上に舞う。歌に集中し過ぎると舞いが乱れる、舞いに集中し過ぎると歌声が乱れる。舞台の本番では続けざまに台詞も口にしなくてはならない。やらなければならないことが多すぎて目が回る。
くるくる、くるり。動きが止まる。歌が途切れる。
「……あら」
公園のあちこちを彩る紅葉を散らした芝生の上、ちょこんと前肢を揃えて座る黒猫の姿にアイオは気づいた。
黒猫はちらりと首を傾げる。つと立ち上がって尻尾の先から爪の先まで伸びをし、しなやかな動作でアイオの足元へと近づいてきた。
艶やかに黒い毛並みを脛に擦りつけられ、アイオは思わず頬を緩める。そっとしゃがみこみ、挨拶かわりに指先を差し出す。
「赤いリボンが似合ってますわ」
細い首に飾られた赤いリボンと一緒に顎の下に触れる。そうでしょう、とでも言いたげに、にぁ、と黒猫は鳴いた。
どこかのおうちの飼い猫であるらしい黒猫を抱き上げ、そっと頬を寄せる。ふわふわとして温かな猫を抱きしめた途端、
「……ちょっと聞いてくださいな」
ぽろり、小さな言葉が唇から零れ落ちた。
「アイオ、今度の演劇祭に出るんです」
自分がやりたいと言い出したこと。だからぜんぶ、自分でやらなくてはならない。巻き込んでしまったふたりに苦労を負わせるわけにはいかない。
「でもやっぱり大変で……」
小さく小さく、抱き締めた黒猫以外の誰にも聞こえない声で、アイオは背負い込んだものの重さに眉をぎゅっと寄せる。
「せめてセリフと動きの担当を分けられたらなんて思うのですわ」
眉間の皺は、けれど公園の向こうから聞こえて来たディアーナと幸次の声を聞いた途端に綺麗に消えた。
「アイオ?」
「おはよう、アイオさん」
独り言を聞いてくれた黒猫をもう一度ぎゅっと抱きしめてから解放し、アイオは元気いっぱい立ち上がる。
「さあ、練習練習!」
「うん、とにかく練習しないとね」
頷きあい、オープニング場面の練習に入るアイオと幸次を見守りながら、ディアーナは足元に寄り添って来た人懐こい黒猫の頭をそっと撫でた。
(アイオに昔聞かせてた、あの人との話を持ってくるとはねえ)
養い子が自分と亡夫の物語を演じてくれるというのはなかなかにくすぐったい。
(森で迷って助けられたのはそのままだけど)
オープニングの後は、森に迷い込んだ少女が風に煽られ立ち尽くす場面。
音響を担当するディアーナは、アイオに教わった通りに機械を操作する。スイッチひとつで望む音を響かせられるというのはとても便利ではあるけれど、戸惑いも大きい。本番までにはどうにかして慣れておかなくてはなるまい。
(さすがにドラゴンとかには出くわしてないさ……そこは演出ってやつだ)
機械から流れ出す風の音に合わせ、黒子である幸次がアイオのスカートの裾をひらひらと揺らす。アイオの長い白灰の髪をふわふわとなびかせる。
「結構難しいなあ」
「よろしくお願いしますわ」
幸次の助けを得ているとはいえ、ほぼ一人芝居をこなさなくてはならないアイオをディアーナは見つめる。一人芝居であるがゆえに台詞は多い。動きもダンスも、ぜんぶひとりでこなさなくてはならない。
(そりゃ無茶だよ)
心配ではある。けれどそれを口にすれば最後、アイオは意地になってでもやる。大丈夫ですわ、と笑って言ってのける。昔からそういう子だった。
(……何言っても聞かないだろうね)
まあでも、とディアーナはアイオを見遣る。持ち前の豪胆さで覚えた不安を笑い飛ばしてみせる。
(あの子なら大丈夫だ)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
3人
参加キャラクター数
3人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年09月19日
参加申し込みの期限
2019年09月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年09月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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