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【演劇祭】猫海破魔戦記
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訪れた人々で一階席は満員となった。程なく二階席も埋まり、場内が暗くなる。
「只今より、劇団『猫海』による猫海破魔戦記を開演いたします。ごゆっくりご鑑賞ください」
始まりの音が鳴り響く。程なく訪れた僅かな静寂。
舞台の中央に白い光が当たる。
四野辺 蘭月
が映し出された。赤いカンフー服姿で足踏みをしていた。
観客が一斉にざわついた。蘭月の周囲に古びた建物が生えてきたのだ。毒々しいネオンが今宵の獲物を求める。所々で立ち昇る煙の中では人影が狂ったように踊っていた。瞬く間に猥雑な街を作り出す。
その中、蘭月は毅然とした態度で裏通りをゆく。下卑た笑い声が聞こえる。酒瓶を叩き付けるような音が重なった。遠くの方から女性の叫び声が上がった。
蘭月は足を止めた。観客席を睨み付けて心中を語る。
「猫海の街はいつも混沌としているけど、あたしは気に入ってたんや。でもな、連続失踪事件だけは許せん。大切な友達が巻き込まれたんや。どこの誰かは知らんが、絶対に解決したるで!」
軽い跳躍から前蹴りを披露。着地と同時に片足立ちとなり、絶対や、と声を張り上げた。
観客から拍手が起こる中、舞台は黒に呑まれた。
場面は一転して部屋を映し出す。和装に身を包んだ
本条 小萩
が左向きの形で正座となっていた。
「ラジオの情報では、この猫海で人攫いが暗躍しているようですね。明治維新で亡命した先での事件。これも縁と考えて萩も一肌脱ぎましょう」
膝元に置いていた日本刀の鞘を掴んで立ち上がる。愛刀を左側に差すと観客席に向いた。穏やかな様子で柄を握り、素早い抜刀を見せた。その一閃に観客は沸いた。
刀身を鞘に納めた小萩は凛とした態度で歩き出す。部屋は消えて薄汚れた路地裏の場面となった。黒い影達が取り囲んで威嚇するような行動を見せる。
それとなく柄に手を置いた小萩がゆったりとした調子で問い掛ける。
「あなた達は何者ですか? 萩に調べられると困る立場の人間、そのような認識で――」
一体の影が急速に迫る。小萩は躊躇いなく刀を抜き、胴体の部分を水平に斬り裂いた。
それを皮切りに次々と影が襲い掛かる。
「冥土に旅立って貰います」
小萩は一歩を踏み出した格好で静止。周囲に無数の残像が映し出され、神速の斬撃を可能とした。繰り出される刃に影達は刻まれて絶命した。
観客は興奮した声と共に拍手を送る。小萩は口の端の笑みで答えた。
薄暗い中からふらりと蘭月が現れた。
「見事なもんやな」
「敵ではなさそうですね。味方と思っていいのでしょうか」
刀を鞘に戻してにこやかな顔となった。
「わかってるから武器を収めたんやろ。あたしは蘭月(ランユエ)や」
「本条萩(ほんじょうはぎ)です。剣術を少々、嗜んでいます」
「どこが少々やねん」
小萩と蘭月は笑って握手を交わした。
以後、二人は行動を共にする。聞き込みの場面が矢継ぎ早に映し出された。活発な行動は敵を刺激して影達との戦闘は避けられず、観客の熱い声援を引っ張り出した。
枯れ木のような常夜灯の下、二人は背中を付けた状態で座り込む。蘭月は片膝を立てた上に顎を載せた。
「アカンなー。親玉の尻尾が全く掴めんわ」
「狐につままれたみたいです。あ、それなら尻尾が掴めそうですね」
「本条ちゃん、ちょっとおもろいやないか……はぁ~、疲れてんのかな」
舞台は徐々に暗くなる。夜空の星の瞬きに取って代わった。
「本物みたい……」
星の煌めきに観客の一人が呟いた。緊迫感のある場面が続いていたので和やかな雰囲気に包まれる。
更に深い闇が光を奪い、薄暗い室内が浮き出てきた。複雑な形をしたガラス管が蜘蛛の巣のように張り巡らされ、内部を青紫の液体が流れる。白衣姿の
天神平 庵
は狂気を宿した目を観客席に向ける。
「嗚呼、なんて美しい色なんだろう。早く次の人間を確保しないと。ん、報告かい?」
片膝を突いた影が横手に控える。
「例の二人組のせいで人間の調達が難しいと。困った事態だけど、活きのいい肉体は魅力的だね。わざと情報を漏らして誘き寄せるのも手だよ。いかがでしょうか、闇鼠公主(あんそこうしゅ)様」
庵は暗がりに向かって声を掛けた。
漆黒のローブを纏った
葉月 朱真
は乏しい表情で、任せる、と一言で済ませた。ローブを翻すと湧き出した黒煙に紛れて見えなくなった。
「公主様から授かった秘伝書は実に面白い。これからも実験が楽しめそうだよ」
庵は愉悦の表情を浮かべる。舞台が暗転する最中、喉に引っ掛かるような忍び笑いが漏れた。
舞台は昼間の街を映し出す。眠そうな人々の流れと逆行した蘭月が舞台袖の右から現れた。八重歯を覗かせた笑顔で走り、左に消えた。背景の人々と街は流れて民家が密集した場所で映像が止まった。
舞台袖の右から再び蘭月が走り込んできた。舞台の中央の辺りで足を止めて周囲を窺う。
「まだ来てないみたいやな。お、本条ちゃん。ここやー、ここにおるでー!」
舞台袖の左に目を向けて大きく手を振る。小萩は髪を弾ませて蘭月の元に駆け寄った。
「犯人に繋がる情報を得たのですか!」
「そうなんや。ボロを纏った老婆が教えてくれた。ここから近いところにある雑居ビルの地下に親玉が潜んでいるらしい。すぐにでも行けるで」
「善は急げと言います。逃げられる前に向かいましょう」
二人は強い視線を交わして頷いた。走り出そうとした瞬間、赤黒いマントを羽織った
羽入 癒雨
が歩いてきた。
「頑張っているようね」
「誰や」
「通りすがりのセクシーな女道士の癒雨(ユユ)さんよ」
「どのようなご用件でしょうか」
小萩は刀の柄を堂々と握る。目に見える警告であった。
「あたしに凄んでも意味ないわよ。それに相手は怪しい術を使うって話なんだけど、力技で捻じ伏せることができるのかしらね」
「何か方法はあるのですか」
小萩は柄を握った状態で言った。
「あるわよ。あたしの力を注ぎ込んで作った破魔の呪符を身に付けて戦えば勝機はあるわ。闇と真剣に戦う覚悟があるのなら、あんた達にあげるわ」
「えらいサービスがええな」
蘭月は間合いを詰める。癒雨は自ら近づいて笑みを浮かべた。
「あくどい遣り方は好きじゃないのよね。それと可愛い二人のことが好きなのよ……性的にも」
最後は小声の早口もあって二人の耳には届かなかった。観客席の何人かは、逃げてー、と笑いを含んだ声を掛けた。
「これが呪符よ」
マントの合わせ目に手を入れる。胸の谷間から二枚の呪符を取り出して二人に与えた。
「これ、生温かいんやけど……」
「……それと少し湿っていますね」
「あたしの体温と汗を感じて三人で戦うのよ」
癒雨は適当に上を指差す。二人は苦笑いで同じ方向を見た。
時間が早送りされたように舞台は月明かりのない夜を迎える。
その中、走る音が重なって聞こえてきた。怒号が殺到して瞬時に断末魔に変わる。金属音が鳴り響く。斃れるような音が幾つも続いた。
舞台が仄明るくなった。蘭月と小萩は肩で息をした姿で敵地に乗り込んでいた。向かい合うのは白衣姿の庵であった。
「老婆からの情報が役に立ったようだね。なるほど、どちらも良い肉体を持っている。錬金術の素材として申し分ないよ」
「罠でもええ。追い込まれたのはあんたの方やで!」
「非道の数々、命で償って貰います」
小萩は柄を握った状態で必殺の一撃に備える。
「じゃあ、試してみればいいさ!」
庵は首筋に注射器を打ち込んだ。黒煙が全身を包み込む。用意が整った庵は目立たない黒いワイヤーで吊り上げられた。白衣は巨大な物に代わり、中に仕込まれた強力な送風機で袖がうねるように動く。胸部は波立ち、急激な肉体変化を演出した。
「これが錬金術だよ! これがあたしの力! 抗ってみせろぉぉぉ!」
狂気を孕んだ笑い声を上げた。頭を激しく揺らし、視線が定まらない。完璧な狂人を演じて見せる。
蘭月と小萩は猛攻に耐える。転がっては立ち上がり、苦戦を身体で表現した。
「あは、はは……あは、は……」
庵の笑い声が急速に萎んでゆく。白衣の内部の送風機が止められて貧相な身体となった。
薬の副作用と思われる展開に観客は静まり返る。
庵はゆっくりと下ろされてゆく。巨大な白衣に呑まれ、震える右手を暗がりに伸ばす。
「……公主、あたしの主……公主様ぁぁぁ……」
ぱたりと右手が落ちた。憐れな最期に観客の何人かは目に涙を溜めていた。
「ここからはわたしが相手をしよう」
漆黒のローブに身を包んだ朱真が二人と対峙する。
先に一歩を踏み出したのは蘭月であった。
「蘭月殺法、蘭の構えを見せたるわ!」
右手を軽く前に出し、左手を腹部の辺りに添える。腹から絞り出すような声を出すと輪郭がぶれ始めた。その幅が広がって複数の蘭月を映し出す。
「幻惑の術か。本体がわからないのであれば」
朱真は右腕を垂直に上げた。頭上に赤黒い渦のような塊が膨れ上がる。
「燃え尽きるがよい」
上げていた右腕を振り下ろす。禍々しい塊は二人に向かって動き出す。
「させへんで! 蘭月殺法、月の構え!」
蘭月は両方の掌を前面に向ける。巨大な月のような物体が現出して赤黒い塊とぶつかり合う。
どちらも下がらず、長期戦の様相を呈した。
「今や!」
蘭月は苦しげな顔で叫んだ。
「任せてください!」
小萩は仕込まれたワイヤーで跳躍した。蘭月を超えて朱真に迫る。
「物理的な攻撃が効くものか!」
「その身で受けなさい! 一撃必殺の型、天地一刀断!」
空中で抜かれた刀を朱真の頭頂に振り下ろす。小萩は斬り付けた姿で着地した。
不意に朱真がよろけた。ふらふらと回りながら歩く。観客席に背を向けた瞬間、隠し持っていた赤色の絵の具を顔に塗り付けた。
「何故だ? 致命の一撃、だと」
「術には術です」
小萩は癒雨から授かった呪符を見せた。
「そ、そうか。しかし、わたしは何度でも、蘇るぞ……この街に闇がある限り!」
膝が折れて朱真は前に倒れた。
蘭月は構えを解いた。観客席に向かって声を張り上げる。
「この街には正義もある! 蘇った悪は何度でも倒したるで!」
観客は盛大な拍手を送った。
その後、二人は囚われていた者達を救い出す。蘭月の友達も含まれていた。
敵の拠点を去る間際、小萩は蘭月に手を差し出した。
「いつか必ず、また会いましょう。今後はもっと平和な時に」
「せやな。でも、あたし達は離れても友達やで」
二人は出会った時と同じように握手を交わした。
最後の暗転を経て五人は横一列の状態で観客と向き合う。しっかりと結ばれた手を一斉に挙げて、振り下ろすと同時に頭を下げた。
全てを遣り切った五人に観客は万雷の拍手を浴びせる。興奮は収まらず、多くの人々が立ち上がって想いを伝えた。
顔を上げた五人は清々しい笑顔で涙を流し、ありがとう、と声の限りに叫ぶのだった。
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あとがき
担当マスター:
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから!
劇団「猫海」による猫海破魔戦記は喝采の中、無事に閉幕しました。
五人の個性が合わさって一つの舞台を作り上げました。和気藹々とした話し合いから始まり、
出されたアイデアを上手く纏めて舞台に活かすことができました。
本番の舞台ではCGが威力を発揮して迫力のある展開に! ワイヤーアクションも炸裂します!
見せ方や演出を考える作業がとても楽しく、私も裏方として奮闘しましたよね?
とにかく遣れることは全て行い、ギュッとリアクションに詰め込みました。
プライベートシナリオは「らっかみ!」では初めての試みになります。
私は楽しめたのですが、参加されたPLさんはどのように思われたでしょうか。
今後もこのような機会があれば、はいはーい、と子供のように挙手したいと思います。
今回のご参加、本当にありがとうございました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
バトル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年09月06日
参加申し込みの期限
2019年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年09月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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