寝子高制服☆トリエンナーレ！｜リアクション

寝子高制服☆トリエンナーレ！

●結果発表

　しばしの審査タイムののち。
　審査委員長・桜栄あずさが壇上に現れた。

「三年に一度の寝子高制服☆トリエンナーレに参加してくれてありがとう！　今年はすばらしい着こなしの参加者が多くて、審査は本っ当に難航しました。そこで」
　とあずさは会場を見回す。
「今年は特別に、制服、私服、アダルトの各パートについて、男女２名の受賞者を選んだわ！
　――では、発表します」

　ドラムロールが鳴り響き、スポットライトがランダムに会場を駆け巡る。

　――まずは。

◆制服パート、男子部門！　――花厳望春くん！

　どよめく場内。男子部門でこんなに可愛い子が選ばれてしまったのだから無理もない。
　望春は真っ赤になって受賞挨拶代わりにたったひと言こう言った。
「最後にこれだけは言っておきたいんだけど！　俺、れっきとした男だから！！」

◆制服パート、女子部門！　――財前華蓮さん！

「おーっほっほっほっほほほほほほほほ！！！　これが格の違いというものですわ！！」
　華蓮がビシイッと指差したのは、剣崎エレナ。エレナはその縦ロールをぶわっとなびかせるとこう言った。
「私の出ていないトリエンで受賞したからといって調子に乗らないことね。とはいえ、ひとまずこう言っておくわ。――受賞、おめでとう」

　――続いて。

◆私服パート、男子部門！　――十条寺達磨くん！

「洒落た着こなしに一票投じずにはいられなかったな」
　そう評したのは泉先生だ。
　女子のみならず注目を得られた達磨は気持ちよさそうに、「貴子！　見てる！？」と手を振っている。
　呼びかけられた貴子はいまにも彼を取り締まりそうな勢いでこう言った。「見てないわよ！」

◆私服パート、女子部門！　――葛城璃人くん！

　コスプレ部副部長、貫録の受賞である！
　とはいえ、望春に続き二人目の女装男子が、今度は女子部門での受賞ということで、多少のどよめきがなくもない。ここで、美和ちゃん先生がマイクを取った。
「解説しまーす。璃人くんについては正直、男子とするか女子とするかすっごく迷ったんだけど。いつも女の子の格好をしているし、今回は女子部門ってことにしました！　えーい、可愛すぎる魔法少女さんに、拍手！！」
「ありがとうですーっ！　りぃはとっても嬉しいですーっ！　コスプレ部もどうぞよろしくです！」

　――そして、注目の。

◆アダルトパート、男性部門！　――毒島柘榴さん！

「やったネ！　さすがイブの旦那様ヨ！」
『お父さん、すごいね！　おめでとう！』
　家族に見守られ、壇上に上がった柘榴に、美和ちゃん先生はこう声を掛けた。
「夫婦で殺し愛を演じてくれた毒島さんは、奥さまとお二人で受賞して欲しかったほどでした！　おめでとうございます！」

◆アダルトパート、女性部門！　――伊藤恵美さん！

「奇を衒わない着こなしに好感を持ちました」
　桐島先生が眼鏡をくっと持ち上げて選評する。
　アラフォーにして、これだけ女子の制服が似合っていれば、もう何も言うことはない！
「旦那様にも見て欲しかったけど仕事だし仕方ないわね。応援ありがとー！」
　会場に手を振る母に、娘の佳奈も嬉しそうに拍手を送っていた。
「お母さん……よかったね！」

　――ここで会場が暗くなった。再びドラムロールが鳴り響く。
「さあ、いよいよ、最優秀ねここー賞の発表です！　今年の、最優秀ねここー賞は――！」