【星幽塔】第一階層　秋の味覚を討伐せよ！｜リアクション

【星幽塔】第一階層　秋の味覚を討伐せよ！

　アリスとフォルカは身構えた。爆栗は二人を敵と認識したようだ。
　アリスは銃を取り出す。魔火の光を宿し、構える。
「さぁて、ここは協力した方が良さそうよ。何か作戦はある？」
「殻の穴にこの弾丸を撃ち込みたいな！」
「おっけー」
　爆栗の攻撃が二人を狙う。鋭い刺が撃ち出され、アリスは右へ、フォフカは左へと飛び退いた。しかし、さらなる追撃がアリスを襲う。
「甘いよっ」
　アリスは銃の引き金を引いた。炎の弾丸がすべての刺を撃ち落とす。
「よしっ」
　地面を蹴って、樹の枝へと着地する。すると、フォルカが金属で出来たロープを爆栗へ放った。
「取ったっ」
　フォルカが言って、ロープが爆栗へと巻きつく。アリスがタイミングを見計らって、フォルカの後ろに着地。
「来るよ！　フォルカ」
「ちょっ、あたしを盾にするつもり！？」
　そんなやり取りをしているうち、爆栗が新たな攻撃を仕掛ける。
「前は任せたよ！」
「それ、ズルくない！？」
　その瞬間、爆栗が殻の穴から爆炎を吐き出した。空気が燃え、爆ぜる音が響く。
「まったくっ、じゃあ、最新の兵器で」
　フォルカが取り出したのは鉄で出来た傘だった。それを広げて、爆炎を防ぐ。
「凄い、フォルカ」
「ふふ、こんなもんさ」
　やがて爆炎が治まった。アリスはフォルカの陰から出て、銃口を向けた。
「いけー！」
　炎を纏った弾丸が爆栗の殻の穴へと入って行き、やがて凄まじい音と共に爆発したのだった。
　辺りに熱風が吹き荒れ、気づいた時には目の前にほかほかの焼き栗が。
「やったぁ」
　アリスはフォルカと共に栗を堪能し、他は持ち帰ることにした。

このページにイラストを設定する