【星幽塔】第一階層　秋の味覚を討伐せよ！｜リアクション

【星幽塔】第一階層　秋の味覚を討伐せよ！

　アリス・ミーティアはＢａｒアストラルの入り口のドアを開けて、振り返った。
「マスター、秋の味覚を取りに！　メニュー増やしに行ってきます！」
　この星幽塔にて、荒ぶる秋の味覚が発見されたのだ。噂を聞いたアリスは栗を捕獲するために乗り出したのである。
「目撃情報はこの辺りだけど……」
　森についたアリスは辺りを見回す。と、見知った後ろ姿を発見した。
「あれ、こんなところで」
　アリスの声に振り返ったのは、フォルカ・ヴィクスンだった。何やら地面に落ちているものを拾っているようだが。
「あら、アリス？」
　立ち上がったフォルカは麻袋を持っていた。
「フォルカ！　ここで何してるの？」
「ええ、今ちょっと」
　フォルカが話始めようとしたその時。空気が弾けるような音がした。木々の間から現れたのは浮遊する巨大な栗だった。
「来たわね、爆栗」
「あれが秋の味覚……！」
　一筋縄ではいかなさそうだ。

　旅鴉月詠は星幽塔第一階層を歩いていた。荒ぶる秋の味覚が発見され、暴れていると聞いたのだ。
　攻撃してくるらしいとのことだが。
「安全に手に入れることはできないものか。それと調理法だな」
　いつでも動けるようにスケブは手に持つ。緋色大鍋もすぐに出せるようにしておく。
　そろそろ目撃された地点だ。
「！」
　気配を感じ振り返ると、そこには一本の柿の木が立っていた。丸々とした柿を実らせてはいるが、不気味に淡く光っている。
　そして、柿の木は足のような根っこを地面から引き抜いた。

　ティオレ・ユリウェイスは荒ぶる秋の味覚の噂を聞き、目撃されたらしい場所へと向かっていた。
「今年も食欲の秋がやってきたねぇ」
　ティオレはそう呟いて、なんとなく空を見上げた。すると、
「あれは」
　何やら急降下してくる細長い影が。
　衝突する寸前、ティオレは横に飛び退いて、剣の光、ロングソードを手にした。
「そっちからお目見えとは、手間が省けた」
　それはまさしく、探していた霊刀秋刀魚だった。

　メリィ・ランページとリリエル・エーテライトはそろって第一階層を歩いていた。目的は最近現れたと聞く荒ぶる秋の味覚である。
「さーんまっ、さーんまっ、さーんーまー♪　レートーサンマ（※霊刀秋刀魚）ってどんな味なんだろー！！楽しみでワクワクしちゃうよ！　難しいことは分んないけど、狩りなら得意だよ！！任せろー！」
「助かります、メリィちゃん」
　リリエルはにっこりと笑った。　　
　兼ねてから霊刀秋刀魚の試作料理を作ってみたいと思っていたのだが、自分一人だと霊刀秋刀魚を獲るのはとても難しい。メリィに頼んで良かった。リリエルはそんなことを考えていた。
「って、あれなんだろ」
　メリィが指さした先にいたのは、鈍く銀色の体をした細長い魚であり、
「メリィちゃん、あれが霊刀秋刀魚です！」
「ななっ！　出たな！！　あたしは虎の子メリィ、いざ！！　ジンジョーにしょーぶ！！」
　メリィは魔風の光、アイアンクローを構えた。

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