秋の遠足　アスレチックで遊ぼう♪｜リアクション

秋の遠足　アスレチックで遊ぼう♪

☆ふれあい動物広場

「次はふれあい動物広場へ行くっす」
　一心とかんな、瑠樹たちは、ふれあい動物広場へ向かいました。
（うさぎとかを触れる事なんてなかなかないっすから、きっと桃井さんも楽しんでもらえるはずっす）
「うさぎ、ふわふわでかわいいなぁ………！」
　まずは係員さんの注意を聞き、指示に従って手を洗います。
　瑠樹はさっそくうさぎの元へ向かい、そっとなでました。
　ゆるキャラや着ぐるみ、縫いぐるみが大好きな瑠樹、中でも一番の好みはふかふかしてるものとあって、本物のうさぎのふわふわさは感動ものでした。
「あったかいなぁ。オレのカプギアとも会わせてみたかったなぁ」
　うさぎを脅かさないよう、小さめの声でつぶやく瑠樹。
「何それ？　動物はカプギアわかんないのに？」
　不思議そうな様子のかんなに、瑠樹は一生懸命説明します。
「オレのカプギア、ウサギ縫いぐるみっぽいから仲間を見て喜ぶかなぁと思って。今日はお留守番だけど」
「ふーん」
「それにしても、近くで見るとすごいもふもふっす」
　一心もうさぎをなでてみます。
「なんだか心があたたかくなるっす」
（桃井さんが笑って楽しんでくれたらいいなと思うっす）
　そう思う一心ですが、かんなは表情を変えずにうさぎをなでています。
（最近桃井さんと過ごす事が多くなってきてるっすが、桃井さんが笑う事はあまりないっす）
　すまし顔のかんなも可愛いけれど、笑ったらどんなに可愛いだろう。
　そう思って、チラチラと、かんなの表情をうががう一心です。
「これは確かにやみつきになりそうっす、自分はすごく楽しいっすが、桃井さんはどうっすか？」
「うん、フツーに楽しいけど？」
　いぶかしげにそう答えるかんなは相変わらずクールです。
（いつもとは言わないっす、こういう時でいいので桃井さんの……自分にとって大事な子の笑顔がみたいっす……！）

「ほかにもかわいいのがいっぱいいるねえ。動物用のおやつあったら買って、あげられるかなぁ？」　
　瑠樹の言葉に、一心は思い出しました。
「あっ、班長は動物のおやつ代を預かってるっす！」
　急いで買いに行くと、みんなにおやつを渡しました。
「うさぎさん、おやつだよぉ」
　カリカリ。
　もぐもぐ口を動かしながらうさぎがにんじんを食べる様子を、瑠樹は楽しそうに見つめます。
「私もやる」
　かんなも、別なうさぎにおやつをあげました。
　鼻をふんふんひこひこさせていたうさぎは、そっとにんじんに口を近づけると、ポリポリかじり始めました。
「食い意地張ってる」
　そう言って、かんなが笑いました。
「……！」
　それは一瞬のことでした。
　一心は喜びで声を出しそうになるのを我慢して、その可愛らしい笑顔を胸に焼き付けました。
「剣崎、あげないの？」
「あっ、そうっすね……今あげるっすよ」
　あわててモルモットにえさをあげながら、一心はずっとかんなを見ていたのでした。