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<復刻>エノコロ岬の秋祭り
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岩場に簡単なロープだけ張った、なんとも心無い通路。
呉井 陽太
は昨年の苦い思い出に思わず頭を撫で、ロープを掴んでも踏ん張れそうにないなと改めて思う。
「朱乃ちゃん、本当に容赦なく船は出発するから、逸れないように……」
真剣に洞窟の説明でも聞いてるんだろうな、と思っていた陽太は、振り返った先に
白草 朱乃
の姿を捉えることをできず血の気が引く思いがした。
海に落ちたような音はしていない。だとすれば、何か気になるものがあって足を止めてしまったか――人の流れをかき分け、陽太は必死にもと来た道を辿った。
「朱乃ちゃん!」
「え? は、はい――っ」
ぼんやりと海面を眺めていた朱乃は、突然の呼びかけに声が裏返る。
びくりと肩が跳ねたとき、足を滑らせたかと思ったが――すんでの所で持ちこたえたようだ。
「わっ! 足元滑りやすいので気をつけて下さい」
しゃらりと揺れる新緑と湖のブレスレットが守ってくれたならいいのだけれど、寿命を縮めるようなことは勘弁して欲しい。
「さあ、勝手に奥へ行っちゃうと帰れなくなっちゃうよ?」
おどけた調子で言う物だから、朱乃も言葉半分に受け取って、くすくす笑っていたのだけれど――。
靴先を濡らすように波しぶきがかかれば、思わずびっくりして陽太に縋り付く。
「水……えっ? だってここ通路じゃ……」
「言ったでしょ、潮の満ち引きにも注意しないと船まで戻れなくなるんだ」
ぎゅうう、と強く抱きしめられ不安そうに見上げる朱乃が、不謹慎かもしれないがとても愛らしい。
「大丈夫だいじょーぶ! さ、みんなのいる所まで戻ろう」
パシャリと小さな水たまりを乗り越えるように陽太は歩き出す。
二度と危ない目には遭わさないと、強く彼女の手を握りしめて。
夕暮れの浜辺に降り立った
真境名 アリサ
は、遊覧船に乗り込んだ時より賑わっている秋祭りの様子に童心をくすぐられ、花火まで何をしようかと人の流れに乗ろうとする。
けれど、鞄の中で振動するスマートフォンに遮られ、静かなほうへ歩き出した。
発信者は、副店長を務める店からだ。
「はい……え? リナのおばあちゃんが亡くなったの?」
申し訳なさそうなキャストの声。代打の女の子を探すにも、すぐに見つかるかどうか。
「……そう。じゃ、今夜あたし店に出るよ」
せっかくの休みだったが、紅葉も秋の幸も堪能した。秋祭りとしては十分だ。
花火の案内をする放送が流れ、会場は期待の声で沸く。
アリサは足を止めず、まっすぐに店へと向かった。
始まりの目を引くように、大きな打ち上げ花火がひとつ、ふたつ。
水上からの仕掛け花火は海面に反射して、幻想的な空気を醸し出す。
そんな花火を、
三折部 朝衣
と住沢 遥人は、寄り添って眺めていた。
恋人同士なら、そう珍しくない光景だろう。
しかし、
ヒュー・ヒューバート
はビールの缶を片手に、
城山 水樹
の横顔をじっと見つめていた。
綺麗な物を見て目を輝かせている水樹の邪魔をするのは野暮だし、そんな煌めきを受けて微笑む彼女がとても美しいと思った。
「……ヒュー、見過ぎ」
そんな熱視線に気づかぬ水樹でもない。うっかり口を開けて呆けてなかったかとか、気になってしまうでは無いか。
「ごめん、手が塞がってるから」
「あっ、ごめん! ポテト食べたかった?」
ヒューのもう片方の手には、フライドポテトが入ったカップ。水樹は慌てて1本摘まんで、ヒューへと差し出した。
花火がゆっくりと打ち上がる音と共に、ヒューがポテトを口に含む。最後の一口というところで、ヒューはポテトから水樹へと視線を移した。
「……ありがとう」
ぺろりと指先についた塩までを舐めるように水樹の指先へ舌を這わし、何事も無かったかのように花火を見る。隣では、水樹がわなわなと震えている様子が窺えた。
(僕と出会ってくれて、ありがとう水樹)
そんな思いの照れ隠しの行動であったかどうかは――彼だけが、知る。
花火の音を聞きながら、陽太と朱乃は人混みをさけて少し丘を辿る。
すると、端の方がわずかに見切れてしまうものの、二人だけでのんびりと花火を見られるポイントを見つけることができた。
花火のセット待ちなのか、ぽっかり空が空いてしまった時間。朱乃はおずおずと陽太の袖を掴んだ。
その甘えるような仕草に陽太はにっこり微笑んで振り返る。「あの、」と何かを言いかけた朱乃の声は花火によってかき消されてしまった。
慌てるように、青い包みを手渡され――聞き取れなかった陽太は一瞬キョトンとなりながらも、包みを開けてみる。
「お誕生日おめでとうございます、陽太さんっ!」
花火に負けないように出した声は、思いのほか大きく響いて。朱乃は恥ずかしそうに口許を帽子で隠した。
「その、動物さんや小物を入れるのに、便利かと思って……!」
マチのゆったりした、がま口型のベルトポーチ。レザー仕様で、外側には何かを固定できるような金具がついている。
「オレが使うろっこんの事も、考えて選んでくれたんだね」
いつ何時のため、樹脂粘土で作った動物をポケットに忍ばせている陽太が使いやすいように。
あまり大きすぎず身軽に使えて、薄型すぎて動物たちがぎゅうぎゅうにならないよう、朱乃が悩みに悩んで選んでくれた物だ。
じんわりと温かな気持ちが陽太の胸を締め付ける。柔らかく笑う朱乃の顔が、もっと近くで見たくなった。
ドドドッと花火が連続で打ち上がる。ドキドキしているのか、その振動なのかわからない。
眩しいくらいに花火が咲いているのに、一瞬だけ。朱乃の顔に影がかかった。
「…………っ?!」
「こういうの欲しかったんだ。朱乃ちゃん、ありがとう」
カレンダーにつけた花丸は別の意味を持ちそうで。朱乃はぎゅううと、両手で帽子のつばを握りしめた。
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あとがき
担当マスター:
浅野 悠希
ファンレターはマスターページから!
みなさまご参加ありがとうございます、浅野です。
復刻シナリオということで、普通の楽しみ方以外に「去年の秋の『もし』」を体験できる企画だったのですが、いかがでしたでしょうか。
あまりたくさんのシナリオを担当しているわけではないので、復刻できるシナリオは少なめかもしれませんが、プレイヤー様のお好みで楽しんでいただけるシナリオ作りを、これからもしていきたいです。
今回、初めてのイエローシナリオを執筆しまして、普段シルバーな私はリアクションをぎゅぎゅっと濃厚にすることを目標に、悪戦苦闘していました。
初めましての方には、私のシナリオテイストが届くように。何度かご参加頂いてる方には、少なめ文字数でも満足頂けるように。
リアクションの楽しみとともに、そんな思いが少しでも届いていたら幸いです。
今回は、大変お待たせして申し訳ありませんでした。
存分に英気を養ってきましたので、またよろしくお願い致します!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
イエローシナリオ(50)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年09月01日
参加申し込みの期限
2019年09月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年09月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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