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堕ちた雨の少女
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「はぁ、はぁ……くぅあっ!」
キリエの鋭い爪による斬撃を硬質化させた雨合羽で少女は弾く。
しかし小柄な少女はキリエの腕力に押され、軽く数メートルほど吹っ飛んでしまった。
雨に濡れる地面を転がり、よろよろと立ち上がる少女……
白 真白
。
彼女は調査していたメンバーからの連絡の通り、壊れた祠方面へキリエを誘導している真っ最中である。
だがキリエは祠に近づくにつれ、その力を増しており今ではその身体能力も侮れない程となっていた。
腕や足が完全に異形化し角は大きく成長、背中には立派な悪魔の翼さえも生えている。
「……あと、もう少し……なのに、くっ……」
真白は消耗とダメージで膝をつく。
既に体は限界、ここまでの道のりで使える武器もほとんど使い切ってしまった。
あるのは硬質化させた攻防一体に使える雨合羽のみ。だがそれも損傷が激しく、精々使えるのは一、二回といった所か。
ゆらりと真白に近づくキリエは腕を振り上げ、攻撃の体勢を取った。
だがその視線は違う方を向く。
「こっちだあああ! こっちにこいいいーーーっ!」
そこには雨に濡れた響が大きく手を振っている。
キリエは姿勢を低くすると地面を滑る様に移動し彼を薙ぐ様に腕を振るった。
強靭な速力とパワーで放たれたキリエの攻撃は響を捉え、彼を殴り飛ばした。
「ぐぅぅああーっ!?」
覚悟していたとはいえ、相当痛いその痛みに我慢しながら彼は空中を放物線を描く様に飛んだ。
キリエは手をかざし雷の発射体制をとる。
だが彼女が放った雷撃は響に当たる事はなかった。
なぜなら彼はろっこんを用い、美しい日本刀へと変わったからである。
空中で回転する彼を受け取ったのは御剣であった。
(いくぜっ先輩っ! あの子を、助けてやるんだっ! みんなでっ!)
「ああ、任せろ!」
再び撃鉄を下ろすイメージで加速した御剣は全てが凍った様に遅くなる世界でキリエへと駆ける。
「響、お前の絆の力……借りるぞッ!」
(はいっ! 先輩ッ!)
絆の刀となった響を振るった御剣の斬撃はすれ違い様にキリエの翼を斬り落とした。
痛みがあるのか叫び声をあげるキリエ。
「これで奴はしばらく逃げられない、再生する前に急げっ!」
「今度はこっち! 追いつくもんなら追いついてみなさいよっ!」
そういって走り出したのは羽生であった。
バスケで鍛えられた彼女の脚力は雨の中であろうとも一切衰えなかった。
キリエも姿勢を低くし彼女を走って追いかける。
(やっば、あの子すっごい速い! 追いつかれる……っ!)
「せやぁぁぁぁぁーーーッ!」
振り被った爪で羽生を捉えようとしていたキリエを横から殴り飛ばしたのはなんと冬華であった。
彼女はボクシングスタイルの構えをとりながら、軽快なフットワークを見せキリエが反撃とばかりに咄嗟に放った尻尾による打撃を避けている。
「はぁ、はぁ、なんとか間に合いましたっ真白さん、あなたにこれを!」
「これは……?」
「神社から分けて頂いたお神酒です。これを祠にある本体にかけてください」
「うん、わかったっ!」
お神酒を受け取った真白はもう見えている祠に走った。
キリエはぼろぼろの体をものともせず、真白目掛けて疾走する。その表情は既に鬼の形相に近い。
彼女の周囲には紫のオーラが見えており、それらに無理やり動かされているようにも見えた。
「ガァァァァアアアアアアーーーーッ!」
「いかせませんよォーっ」
真白に触れそうになったキリエの四肢を拘束したのはツクヨが放った赤い鎖と髪から伸びる黒い触手であった。
だが次第に引きずられており、戦いによる疲弊で満身創痍であるツクヨでさえも長くはもたないようである。
壊れた祠に到達した真白は半分崩れている小さな扉を開けると、中に安置されていた古い木彫りの木像を取り出した。
木像は紫色のオーラに包まれており、禍々しい雰囲気を放っている。
「今、私達があなたを助けてあげるからね……キリエちゃんっ」
瓶の蓋を開け、お神酒を真白は木像にかける。
すると木像から紫のオーラが消えていき、ついにはそれは消失してしまった。
木像からオーラが消えた瞬間、その場にいる者達の頭に流れ込む様にある映像が流れてくる。
それは遠い昔の記憶。彼女の記憶。
彼女は最初は一人であった。
誰も彼女に気づかない、誰もいない。
だがある時、一人の彼女に気づいた人が彼女に皆を守る様に頼んだ。
孤独から解放されたかった彼女は誰よりもそれを望んだ。
契約の証として彼女は『キリエ』という名を貰った。
多くの人に慕われ、触れ合えるようになった彼女は幸せな時間を生きた。
だがその幸せは長くは続かなかった。
子供にしか見えなかった彼女のことを大人となった子供達は忘れていき、次第に彼女の周りにはだれもいなくなったのである。
それでも彼女は良かった。
見えなくとも誰かを守れるのだから。
そうすればひとりではないのだから。
だが……。
(本当にソレデイイノカ? みんなワスレルゾ? クックック、また孤独に戻るのダナ)
(……でも、私は……でも……っ)
(手を出せ、俺ならカナエテヤレル! お前の……ノゾミを!)
(私の……望み……は……望みは……)
甘い言葉。
それは孤独に恐怖を抱く、彼女にとってとてもとても甘い言葉だった
誰もいなかった彼女は……それに耐えられなかったのである。
「あーあ、モウチョットだったのに。ナーニシテクレテルンダよ、オマエら!」
その声で全員が現実に引き戻される。
空に浮かぶ紫色の異形。ソレはまさしく悪魔と呼ぶに相応しい姿であった。
「あんたが……キリエちゃんを……っ!」
「ハァ? 俺は背中を押してやっただけ……ソイツを孤独にシタノハ、お前ラだろウ、ニンゲン。マアイイ、次はお前の体をモラオウカナァ、ヒヒヒヒヒ!」
紫の悪魔は一直線に満身創痍で動けない真白に向かう。
「ひゃーっははははははは! いいカラダしてるぜェ! 憑依したらたっぷり楽しんでヤルカラなァァァーーー!」
「だめぇぇぇぇぇぇぇーーー!」
そう叫び紫の悪魔に立ち塞がったのは……小さな子供の姿に戻ったキリエであった。
彼女は紫色の悪魔を真っ向から受け止め、青白い光で悪魔を拘束する。
「こノォおお、死にぞコナイがぁぁぁ、はぁぁなぁせぇぇええーー!」
「ぐっ、あぁぁっ、やだ、守るの、みんなは……私が……ァァぁっ!」
ぴしりぴしりとキリエの体にひびが入る。だが彼女は悪魔を離さない。
真白は叫ぶ。
「だめだよ、キリエちゃんっ! それ以上やったら……っ!」
「いいの、こんなにみんなが私を覚えてる……知ってる……だから……だから……っ!」
「その想いは無駄にできない、羽生、響を…………ッ!」
そういうと御剣は消耗とケガで動けない体に鞭打って日本刀となっている響を羽生へと投げる。
羽生は響を受け取ると身動きの取れない悪魔目掛けて腰だめに構え、走った。
「うあぁぁぁーーっ!」
羽生によって日本刀となった響は真直ぐに紫色の悪魔を貫いた。
「ぎゃぁぁぁぁぁあああーーー! くそくそくそぉおおおお、あとぉおおお、すこしでぇぇぇぇ、ああああァッァァああああアァァあッ!」
激しい叫び声をあげた紫色の悪魔は弾ける様に爆散し、粒子となって消えていった。
がくりと倒れそうになるキリエを人に戻った響と羽生が受け止める。
彼女はすでに消えかけており、その体は透けていた。
「おい、キリエ! お前、体が……っ」
「いい、の……みんな、たすけ、られた……だから……いい……最後にお願い、みんな、笑って……またね……って、したい、の……」
キリエの願いにその場の皆は涙を流し、その拳をぎゅっと握った者、歯を食いしばった者、涙を拭う者など様々であった。
羽生もごしごしと涙を拭うと精一杯の笑顔を見せる。
「キリエちゃん……またねっ」
「うん、みんな、ありがとう……また、ね……っ……私は……嬉しい、よ……これで、いつも……みんなと……一緒……」
そう言いながらキリエはその姿を光の粒子へと変え、天へと昇っていく。
長く降り続いていた雨が晴れ、雲の切れ間から朝日が覗いて光が降り注いでいる。
ここに、寝子島を騒がせた『雨の少女』の怪異は……終結をみたのであった。
◆
「そうですか、そっちは終わったんですね」
「はい、終わりましたよぉ……これから帰りますねぇー」
ツクヨはそういうとスマホに似て何かが違う機器を閉じ、しまう。
「御剣さぁーん?」
帰ろうとしていた面々がいる中、彼に声をかけたツクヨは御剣に近づいていく。
わざと声を大きくしたせいで他の者達からの注目も彼女は浴びていた。
彼に近づくとツクヨはにっこり笑う。
「今日はいい日でしたよ、人助けもできましたしぃ御剣……いえ、カタナともデートできましたからねぇ?」
「デート!? 御剣さん、いつのまにっ!」
驚く冬華。
「先輩っ! そのわがままぼいんさんとはどういうご関係でぇ!?」
彼に今にも詰め寄りそうな響。
「堅物っぽいのに……御剣さん……」
温かい目で見守る羽生。
「ふふ、仲いいねっいいないいなー」
楽しそうな真白。
それぞれがにやにやと見守る中、ツクヨは御剣のおでこに軽くキスをする。
「……っ! !?!?!?!?」
「今日のお礼ですよぉ? それじゃあツクヨは帰りますねぇー」
それだけ言うと異空間の狭間の様なスリットを空間に開き、彼女はその中に消えていった。
勿論、その後……残された御剣は皆にやいのやいの言われ、楽しく絡まれたのは言うまでもない。
そうして共に戦った者達は平和なそれぞれの日常に戻っていくのであった。
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あとがき
担当マスター:
ウケッキ
ファンレターはマスターページから!
初めましての人そうでない人もこんばんわっウケッキです!
今回はご参加ありがとうございました!
いやー暗躍する悪魔……悪い奴の登場です。
寝子島に迫る影……それらは一体……!
では、また次回で会いましょう!
それではー!
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ホラー
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20人
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5人
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シナリオガイド公開日
2019年03月24日
参加申し込みの期限
2019年03月31日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年03月31日 11時00分
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