妄想おばさんがあらわれた！｜リアクション

妄想おばさんがあらわれた！

「あの子、化粧品の広告でよく見かけるね」

　――寝子島散歩をしていたおばさんが、三人目に妄想を抱いたのは、大学に向かう途中の城山水樹だった。

　見た感じ、身長は175センチってところかしら。
　うふふ、妄想のためなら、身長くらい察知するわよ。
　スタイル抜群、ラフでシンプルな服装が、よく似合っているわね。
　いい女だわ。昔の私よりは、ちょっとランクが下がるけど。
　……冗談よ？　ここは笑うところ。

　それにしても、本当に魅力的な身体をしているわね。
　たとえば、あのツンと上向いた大きなバスト。
　ああ、ヒップの形もいいわね。大きすぎず、かといって小さすぎず。
　ふふ、揉みがいがありそう。やらないけれど。
　あのおっぱいとお尻をキープするのは、結構大変なんじゃないかしら。

　でも、あの子がスタイル維持のために運動をしてるところを考えると、かなり興奮するわね。
　だってあの美人よ？　あの美人が、T シャツに短パンなんかはいて、肌を露出して、汗をかきながら体を鍛えるのよ？
　想像してごらんなさいよ。大きく開脚して、柔軟体操をする姿を。
　伸びあがったら、細いウエストが丸見え。
　マラソンでもすれば、頬を伝う汗が、揺れる胸の谷間に落ちていくのよ。
　はぁ……イイ、イイわ……！

　ただ、スポーツだけであんな綺麗でい続けるのは無理。
　きっと食事制限なんかもしているんでしょうね。若いのにストイックで、尊敬するわ。

　でも、無理したらストレスたまって、お肌荒れちゃったりするし、時々は美味しいものも食べるんでしょうね。
　あの綺麗な唇を大きく開けて、食べ物を口いっぱいに頬張って、モグモグ咀嚼して……。
　唾液と混じった食べ物が、あの子の赤く湿った食道を通って、胃に落ちる……。
　普段制限しているからこそ、大きな喜びが、あの子の胸に満ちるはずよ。

　それはたぶん、とってもセクシャルな気持ち。
　だって、性欲と食欲は三大欲求のうちの、二つだもの。
　要は、上下の口のどっちを使うかってことよ。
　しっかりルージュを塗った唇と、何も塗られていない艶めかしい場所と。

　あー、でもあの子は、全身隅々まで、人にはあまり見せないところも、しっかりケアしてるんでしょうね。
　どこもかしこも、いいにおいで、瑞々しくて。

　なんて考えていたら、いろいろ結びついてきたわ。
　スポーツでかく汗も、大人的な運動でかく汗も同じだと思ったら。
　あの子がこの暑さの中でしっとりと肌を濡らしている、それだけで、とてもエロティックじゃない？

　そんなに魅力的な子が、夜、もっと汗をかいたら。
　イケメンな恋人と、よなよな、ベッドの上で、乱れたら。

　ああっ、無理よ無理。それ以上はダメ、私の身体が熱くなっちゃう！　ほてっちゃう！
　一人寝ばかりのおばさんだって、まだ枯れてないんだからっ！

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