this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【期末テスト】赤点?満点??灼熱、四日間の死線<物語編>
<< もどる
1
…
20
21
22
23
24
つぎへ >>
●夕立ち
青空と入道雲と蝉の声が迫ってくるような午后。夏の墓地に、淡い水色のワンピースと清楚なノースリーブワンピース姿の二人の女性の姿があった。二人の柔和なまなざしはどこか似た雰囲気がある。
テスト返却から数日後の日曜日、木天蓼市郊外。
ステッラ・デッラ・コリーナのコンシェルジュを仕事とする
水谷 真優理
は、従妹の
青山 絢
の付き添いで、彼女の母の墓参りに同行した。
「綺麗にしているのね」
真優理がつぶやくと、
「この前の月命日に来たから。今日は真優理さんが非番でよかった」
と絢は答える。
「水臭いわ。絢ちゃんのためなら非番じゃなくても……」
付き合うわ。
その最後の言葉は、なんとなく飲み込んでしまった。まだ高校生の絢が、ふだんから一人で来てお参りしているのだと察し、それだけで胸が締め付けられるような気がする。
無言のまま、墓の周りを念入りに掃除し、花を取り換え、暑さで褪せた灰色の墓石に水をかける。
あっという間に蒸発する水の跡。
「暑いね……お母さん」
絢は買ってきたお菓子を供え、線香をあげて手を合わせた。
真優理も絢と並ぶようにしゃがみ込むと静かに手を合わせる。
絢は、年上の従妹の神妙な姿をちらりと見た。いつも騒々しくて、大雑把でズボラで、すぐ自分のことを構ってきて、ときどき困ってしまう女性だけれど……今日は違う。
絢はバックからテストの束を取り出してお菓子の脇に重ね置いた。
「お母さん、この前の期末テストの結果だよ。……私なりに頑張ってるつもり」
シャワシャワシャワシャワ。
天から降ってくるような蝉の合唱の中、ぽつんとただ二人、この世界に取り残されたような気持ちになる。
どこか遠くで見ている人に、絢は語り掛け続ける。
「私はそれなりに元気かな。学校は楽しいし、演劇部のほうもうまくいってる。……写真のほうは……やめたの」
しばし口を噤む。
ふいに、蝉の声が止んだ。
「お母さん、私はいま微笑んでいるけど、本当は悲しいの。声をあげて泣きたいの。でも泣けないのよ……」
さあっと二人の上に影が差す。
灰色の雲が風に流されて青を塗りつぶそうとしている。
絢の顔には、微かな微笑が浮かんでいる。
それは、真優理の瞳には、「哀」の表情を失った儚げな微笑と映った。
(四年前のあの日――)
真優理はきつく眼を瞑った。
四年前、まだ絢は中学一年生だった。
鳴った携帯。押し殺したあどけない声。
『助けて……このままじゃ、私は……私は……!』
絢は救いを求めていた。
まだ彼女の母が亡くなって間もない頃だったと思う。彼女の父は、再婚した。しかも相手は妊娠していた。その意味がわからないほど絢はもう幼くなかった。けれど、その事実を受け止められるほど大人でもなかった。
母を失った傷も癒えぬうちに明るみに出てしまった、父の裏切り
。
信じていたものが、何も形を成していなかったことを知った苦しみ。
そのことで、中学一年生の絢のやわらかい心は、ずたずたに引き裂かれ、壊れかけていた。
『このままじゃ、私は……』
殺してしまう、だったのかもしれない。
生きていけない、だったのかもしれない。
ただ、どちらの言葉だったとしても、言わせてはいけないと思った。
駆けつけ、涙のない少女の顔を見た途端に、絢の細い肩をこの手で掻き抱いたのを覚えている。
その後のことは必死でよく覚えていない。
彼女の父親を説き伏せて、自分の家に住まわせた。彼の罪悪感に訴えて、養育費を振り込ませる約束もした。
自分の娘をこんなにも悲しませたのだ。どんな事情があったとしても、そのくらいのことはしろ、と思った。
あれから4年が過ぎた。
絢は中学生から高校生に成長し、表面的には精神的な痛手からも立ち直っているようにも見えた。
けれど、本当にそうだろうか。
真優理はときどき絢の横顔に、そうではない兆しを見つけることがあった。
(微笑むことでむしろ、自分自身を傷つけているよう)
胸を痛めつつ、表面上は「明るく陽気な従姉」として振舞ってきた日々。
余計な心配をかけさせたくなかったし、自分自身がつらかったから。
けれども。
『本当は悲しいの。声をあげて泣きたいの。でも泣けないのよ……』
絢の言葉についに感情が決壊した。
頬に落ちたのは、雨。
それとも涙?
「う、うう……っ、あ……あ……うう……」
真優理は絢を後ろから抱きすくめ、声を押し殺しながら泣き崩れた。
天は昏くなり、雨粒が落ち始める。
夏の夕立ち。
「真優理さん、私の代わりに泣かせてしまって、ごめんなさい」
雨が二人をうつ。
絢の頬を濡らすものが涙かどうかはわからない。
<< もどる
1
…
20
21
22
23
24
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【期末テスト】赤点?満点??灼熱、四日間の死線<物語編>
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
49人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年12月09日
参加申し込みの期限
2018年12月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!