時間よ、止まれ！｜リアクション

時間よ、止まれ！

○そして時は動き出す

　気づいたら、すべてが動き出していた。
　まるで何事もなかったかのように動いている人々を、紫はぼんやり見つめていた。

「よかった」　
　ホッとする綾花。
「どうやら不思議な物語は終わりだね」
　珪先生も微笑んだ。

「不思議ですね……」
　時子は飛んでいく鳥を眺めながら思った。
（散歩も楽しめましたし良い日です）
　そして傘を差しだして微笑んで言った。
「尚輝先生、お散歩の続きしませんか……？」
　尚輝先生は一瞬時間が止まったように固まっていたが、やがて頷いた。　

「動いてる！」
　あおいの顔に、ぱあっと笑みが広がった。
「ああ」
　ほっとしながら、どこか残念な気もする修。
「一緒にいてくれてありがとう」
　あおいの言葉に、修は首を横に振った。
「俺の方こそ……」

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