仲良くなりたい、その６｜リアクション

仲良くなりたい、その６

○久保田美和

　ある休日のこと。
　シーサイドタウンを歩いていた八神修は、久保田美和先生とばったり出会いました。
「久保田先生、こんにちは」
　一瞬気まずそうな表情を浮かべた久保田先生は、頭をかきながら笑顔を見せました。
「八神くん、このあいだはありがとね」
　先日寝子高雑巾掛けレースの賞品として『久保田先生宅のペア掃除券』をＧＥＴした修は、この間先生の家を掃除したのでした。
「どういたしまして。先生、今日は買い物ですか」
「うん、最近パソコンがしょっちゅう落ちるんで買い換えようかと」　
「最近暑いですから熱暴走かもしれませんね。エアコンは使ってますか？」
「まだ扇風機で我慢してるわ……パソコンを冷蔵庫に入れておけばいいの？」
「内部に結露が生じるので駄目です。急激に冷やさず専門のグッズを買うか部屋を冷やしてください」
「なるほどね。……ところで八神くん、七夜さんと仲いいのね。つきあってるの？　いいわねえ～」
「これってガールズトークですか？　先生にはかなわないな」
　長くなりそうな恋話をふわりとかわす修。
「今日はありがとう、参考になったわ」
「なんでも仰ってください。頼られると頑張りますよ、俺」
（まっすぐな少女の心と知識や配慮のある大人の心が同居してる魅力的な先生だから、幸せになってほしい）
　先生の恋も応援したいと思う修でした。

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