仲良くなりたい、その６｜リアクション

仲良くなりたい、その６

○四十九院鸞

　スーツ姿で寝子島の街を歩いていたアケーチ・タッマーキは、前を歩く漆黒のワンピース姿に目を留めました。
「おや、鸞さん。今日も良い漆黒のお召し物ですね、ふふ……鸞さんの雰囲気に良くお似合いで、とてもトキメキます……！」
　お淑やかに振り返った四十九院鸞は、アケーチの顔を見て一瞬驚いた後、笑みを浮かべました。
「あら、あっくん。こないだはクレープ美味しかったわね」
　先日ゴミ拾いイベントの後に、鸞はアケーチたちとクレープを食べたのでした。
「鸞さんはいつもミステリアスでいらっしゃる」
　アケーチは鸞の佇まいに興味を惹かれ、趣味が合いそうだなぁ、という親近感を覚えています。
「あら、あっくんもミステリアスですわ。いろんな顔を持っていらっしゃいそう」
「ふふ、それは嬉しいですね……ぜひ、またお会いしたいです……！」
　アケーチは洒落た名刺を取り出し、鸞に差し出しました。
「何かありましたらぜひお声がけください」
　と言葉を添えて。
「ありがとう」
　名刺を受け取り、鸞はミステリアスに微笑んだのでした。

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