【星幽塔】第一階層　夢のマイホームを解放せよ！｜リアクション

【星幽塔】第一階層　夢のマイホームを解放せよ！

◆エントランス/1
桃色の光――『騎士の光』が、もふもふの翼を持つ可愛らしい橙白猫となって、恵御納夏朝の前へと降り立つ。
長柄の鎚を手に、夏朝はその背中へと跳び乗った。
「猫さん、お願い。一緒にガーゴイルと戦って……！」
大きな鳴き声でそれに応えて、橙白猫がしなやかな跳躍で飛翔する。
その後を追うのは、リリエル・エーテライトの天使のような白い翼だ。
「夏朝さん、いきましょう！　がんばリリエルです！」
「うん……！　僕は一本角の相手をするから、リリエルさんは――」
「二本角の方、ですね！　わかりました！」
うなずきあって、二手に分かれる。
「こっちへおいでよ、ガーゴイル！」
夏朝を乗せた橙白猫が、一本角の周りをぐるぐると飛びまわる。
鬱陶しげに、乱暴に繰り出される三叉槍。
おもちゃにじゃれつくように、軽やかに。そしてしなやかに身をかわし、あるいは猫パンチで打ち払い、橙白猫は槍の穂先を避けて飛ぶ。
少しずつ、少しずつ。二本角から、引き離すようにして。
「猫さん、その調子……ッ！」
猫の翼をかすめかけた穂先を、金属鎚で弾く夏朝。
柄を伝わる衝撃と振動が、夏朝の手を痺れさせる。

一人で追うなとばかりに、一本角の方へと向かおうとする二本角。
その行く手を小さな、けれどいくつものつむじ風が阻んだ。
「あなたの相手は、私です！」
白手袋に緑の光――『魔風の光』を宿らせ、リリエルが小さな身体をめいっぱい広げて二本角の前へと立ち塞がる。
一人と一体が、風を挟んで向かい合う。
次の瞬間、二本角は金切り声と共に槍を突き出した。
つむじ風に穂先が突っ込み、狙いが多少ブレてもお構いなし。風ごとリリエルを貫こうという一撃に、追い風を起こして大きく旋回。
後ろへ回りこめば、それを追って二本角が向きを変えた。
この調子で、まずは引き離す！

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