星幽塔第一階層、サジタリオ城下町。
「あのう。ちょっと聞いてくださる?」
クリメント・カーリンがBarアストラルで昼食を取っていると、声をかけられた。
振り返ると、沈んだ声の主は小奇麗で品の良い奥さんといった風体で、あまり酒場の喧噪を好むタイプには見えない。
「どうしたんです?」
「ええ、実は……」
クリメントも冒険者のはしくれだ。どうやら困っているらしいご婦人の話を、とりあえず聞いてみることにした。場合によっては、割りの良い仕事にありつけるかもしれない。
「では、話を聞きましょうか」
「先日、主人が家を購入したんです」
女性が浮かべる暗い顔は、この街で商人を営む彼女の夫が購入した、街の郊外に建つ古い屋敷に起因するものらしい。
彼は家族が安心して暮らせる住み心地の良い家を探していたが、偶然見つけたその家の持ち主が提示した売り値がかなりの破格であったため、中を確かめもせず決めてしまったそうだ。
確かにその石造りの家は、やや古めかしく年代物ではあるものの、広くて大きく立派な外観で、他に同じような家を買い求めたなら、家族の財産ではとても手の届かない値を吹っ掛けられただろう、と女性は言う。
異様な安さにはどこか不安を覚えたものの、夫や子どもたちの喜びように、あまり大きくは言えなかった。
だが……もちろん、美味い話には裏があるものだ。
「モンスター、ですか?」
「そうなんです、その家はモンスターの巣窟だったんです……!」
心弾ませながら玄関の扉を開き、中へと足を踏み入れたとたん、家族は恐怖のどん底へと叩き落とされてしまった。
家の中は多数の怪物が住み着いていて、今や正当な持ち主となったはずの家族を拒んだのだ。彼らは命からがら逃げてきたのだという。
「元の持ち主に抗議してはどうです?」
クリメントはしごく当然の疑問を口にしたが、女性はため息と共に首を振った。
「お金を支払った途端、逃げるように行ってしまいました。彼もまた、モンスターだらけの家をうっかり購入してしまい、困っていたのかもしれませんね。いい厄介払いができたとでも思ったのかも……夫はショックで寝込んでしまいました」
そうして困った女性は、この酒場で仕事を探す冒険者へ、助けを求めてやってきたというわけだ。
「なるほど、それは大変ですね」
「助けてくださいますか? 冒険者さん。あまりたくさんのお礼はできませんが……もしあのモンスターたちを何とかしてくださるなら、家の中にある物は何でも持っていって構いません」
「そうですね……」
条件としては悪くない。確かに女性の提示した報酬は微々たるものだが、古い家だけに、中には何か掘り出し物のお宝が眠っているかもしれない。
この依頼、引き受けるべきか否か? クリメントは思案し始めた。
こんにちは、風雅です。
クリメント・カーリンさん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
Barアストラルに届いた依頼を受け、屋敷に巣くうモンスターたちを一掃してください。
あるいは、たまたま家の前を通りがかり、騒ぎを聞きつけて乱入する、という参加の仕方もOKです。
商人である男性がコツコツ稼いでやっと購入した家は、
サジタリオ城下街の郊外に建つ、二階建ての立派なお屋敷です。
けっこうな年代物ながら、造りは非常にしっかりとしていて頑丈で、内装も豪奢で美しく、
きちんと手入れをすれば、住むのには問題なさそうです。
広大な家の中には、いつの頃からかモンスターたちが住み着いているようで、侵入者を排除しようと襲ってきます。
なるべく家に被害が出ないよう気をつけつつ、モンスターたちをやっつけてください。
なお前の持ち主が語ったという話では、家の中には価値のある芸術品や実用品、
星の力を帯びた貴重な品物などが眠っているかもしれない、とのこと。
思わぬ報酬が手に入るかもしれません。
モンスターたち
あなたが戦うモンスターとフロアを、1つ選んでください。
○1階・エントランス:ガーゴイル
玄関を入ると、2階へ続く階段のある吹き抜けのホールに飾られている、2体の石像。
翼のある悪魔のような像で、侵入者を発見すると自動的に動き出して襲ってくる。
宙を飛び、三又のフォークのような槍で刺し貫こうとする。石なので非常に硬い。
飛び回る彼らを叩き落とす対空役と、石の身体を突破できる火力役を、
バランスよく揃えて立ち向かわなければ、撃退は難しいでしょう。
○2階・時計塔:グレムリン
時の止まった時計塔に潜む、身長50センチ程度の邪悪ないたずら妖精たち。
そこらじゅうを俊敏に動き回り、鋭い針で刺してくる者、矢を放ってくる者、
星の力を操り氷のつぶてや風の刃を放つ者などがいる。
個々の力はガーゴイルやキマイラに比べれば大したことありませんが、
数が多いため、少人数では翻弄されるばかりになる恐れがあります。
好物はアメ玉。
○地下・宝物庫:キマイラ
ライオンの身体に、背中には山羊の頭、尾には蛇の頭を持つ怪物。
強靭な獅子の巨体は鋭い爪と牙を持ち、山羊の頭は呪術の光で冒険者を弱体化させてくる。
尾の蛇は毒の息を吐き出し、吸い込めばじわじわと体力を奪われてしまう。
頭が三つもあるので、非常に感覚が鋭敏。不意打ちは難しい。
星の力
星幽塔にいると、星の力 と呼ばれる光が宿ります。
★ 基本的な説明は、こちらの 星の力とは をご確認ください。
星の力やその形状は、変化したりしなかったりいろいろなケースがあるようですが、
このシナリオの中では変化しませんので、このシナリオではひとつだけ選んでください。
ひとともれいびにはひとつだけですが、
ほしびとには、第二の星の力(虹)もあります。
★ 虹についての説明は、こちらの 第二の星の力 をご確認ください。
アクションでは、どの星の光をまとい、その光がどのような形になったかを
キャラクターの行動欄の冒頭に【○○の光/宿っている場所や武器の形状】のように書いてください。
衣装などにこだわりがあれば、それもあわせてご記入ください。
衣装とアイテムの持ち込みについて
塔に召喚されると、衣装もファンタジー風に変わります(まれに変わってないこともあります)
もちものは、そのPCが持っていて自然なものであれば、ある程度持ちこめます。
※【星幽塔】シナリオのアクション投稿時、作物・装備品アイテムを所持し、
【アイテム名】、【URL】を記載することで、
シナリオの中で作物(及びその加工品、料理など)・装備品を使用することができます。
※URLをお忘れなく!!!
※オーダーメイド装備品について
鍛冶工房のトピックを経る(またはシナリオなどで得る)場合のみ
アクション冒頭で指定した星の力とは別に、装備品固有の《特殊効果》が認められます。
アイテム説明欄に、トピックでの完成時の書き込みURL・シナリオ入手時のURLを記載してください。
例:http://rakkami.com/topic/read/2577/2116
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!