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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
電池切れとの付き合い方
●すれ違い
「とても暇ですわ」
上下 左右は桜花寮の自室でふと呟いた。時刻は夜の８時。まだ寝るには早い時間帯。そのとき左右の頭に染井 湊の顔が浮かんだ。
「先輩相手なら４時間ぐらい潰せそうですわ」
『ということで染井先輩に暇を潰して欲しい訳ですわ』
スマホを手にすると、早速湊宛にメッセージを送った。
＊ ＊ ＊
同時刻。星ヶ丘寮。
染井 湊は自室で学校の課題に励んでいた。教科書とノートを広げて作業を進め、最後までやり終えると湊はひとつ大きく伸びをした。
「さて、課題も終わったしそろそろ寝るかな」
机に広げたものを片付けながら寝る準備を始める湊。そんなとき、彼のスマホからメッセージの通知音が聞こえた。スマホを手に取って確認すると、見慣れた後輩の名前が表示されていた。
『ということで染井先輩に暇を潰して欲しい訳ですわ』
「なんだ、上下から連絡か。……お前、僕相手なら４時間ぐらい潰せそうとか思ってるだろ」
そんなことを思いながら左右へメッセージを返す。
『僕で暇を潰すな。僕は寝る』
『寝るには早すぎますわ先輩！ 今８時！ ８時ですわよ！ 夜はまだこれからですわ』
『早く寝ろ』
多少後輩に対して冷たくなろうが、４時間は嫌だという湊の意思を感じる。
「いくら可愛い後輩とはいえ、毎回甘やかす訳にはいかないのだ。寝るぞ僕は」
そうして湊は寝る準備を再開した。
＊ ＊ ＊
左右は湊からの返信を見て、さらになんと返そうか考えていた。そのとき、スマホの電池残量がだいぶギリギリなことに気づいた。
「……あっ、スマホを充電するの忘れてましたわ！」
思い返してみると、最後に充電してから結構な時間が経っている。
充電器を探しつつ湊にその旨を伝えようとメッセージを書き込む。
『銃ｄ』
しかし急いで打ち込んだせいで、変なところで変換されてしまった。
それだけならまだしも、そのまま送信してしまった。その直後、スマホの画面が暗くなった。
「変な文章で送信してしまいましたわ！ えーっと、充電器はどこに置いたんでしたっけ……」
＊ ＊ ＊
いよいよ寝ようかと思っていた湊のもとにメッセージが届く。
相手は左右だろうなと思いつつ、スマホを手に取る。
『銃ｄ』
「え？ 何？ 銃が何？」
「『冷たい先輩なんか銃で始末ですわ！』ってこと？」
送ってきた相手は予想通り左右だったが、そのメッセージの意味が分からない。
『上下？』
『銃がどうしたって？』
『おい』
立て続けにメッセージを送るが返事がこない。湊には左右がいまどういう状態か知る由もない。
「おいこら、寝れなくなったぞどうしてくれるんだ」
湊のスマホも電池がなくなってきている。
怖いから早く返事をしてくれ、とただただ湊は願った。
＊ ＊ ＊
左右は充電器を見つけると、それをすぐにスマホに接続した。
「これでOKですわ！」
急いでメッセージを送る。
『キレそうでしたわ』
送った直後、左右は電池残量がほとんど増えていないことに気づいた。
「……ってあれ？ 充電器が壊れてますわ！ あー充電が！」
『キレますわ！ もうキレ』
途中で文章が切れてしまったが、焦ってそのまま送信されてしまった。
しかしスマホの電池はもう残っておらず、送った文面を確認する方法は無い。
「まさか充電器が壊れていたなんて……コンビニに売ってましたっけ？」
＊ ＊ ＊
「やっと返事が！」
ようやく左右からの返信が来て、安堵の気持ちを抱く湊。すぐにメッセージを確認する。
『キレそうでしたわ』
『キレますわ！ もうキレ』
「お、怒っている！！ あの上下が！ 怒っている！」
湊は驚きと困惑の表情を浮かべた。慌ててメッセージを返す。
『僕が悪かったから』
『銃で始末は勘弁してや』
「……ってくれ、と……あれ？」
急にスマホの画面が暗くなった。少し戸惑ったが、電池が切れたのだとすぐに気づいた。
「急いで送信ボタン押したけど、どこまで送ったんだろ。とりあえず謝れたなら命は安全かな」
湊はほっと胸をなでおろした。
このすれ違いが解消されるのは、おそらくお互いの充電が完了してからだろう。
「とても暇ですわ」
上下 左右は桜花寮の自室でふと呟いた。時刻は夜の８時。まだ寝るには早い時間帯。そのとき左右の頭に染井 湊の顔が浮かんだ。
「先輩相手なら４時間ぐらい潰せそうですわ」
『ということで染井先輩に暇を潰して欲しい訳ですわ』
スマホを手にすると、早速湊宛にメッセージを送った。
＊ ＊ ＊
同時刻。星ヶ丘寮。
染井 湊は自室で学校の課題に励んでいた。教科書とノートを広げて作業を進め、最後までやり終えると湊はひとつ大きく伸びをした。
「さて、課題も終わったしそろそろ寝るかな」
机に広げたものを片付けながら寝る準備を始める湊。そんなとき、彼のスマホからメッセージの通知音が聞こえた。スマホを手に取って確認すると、見慣れた後輩の名前が表示されていた。
『ということで染井先輩に暇を潰して欲しい訳ですわ』
「なんだ、上下から連絡か。……お前、僕相手なら４時間ぐらい潰せそうとか思ってるだろ」
そんなことを思いながら左右へメッセージを返す。
『僕で暇を潰すな。僕は寝る』
『寝るには早すぎますわ先輩！ 今８時！ ８時ですわよ！ 夜はまだこれからですわ』
『早く寝ろ』
多少後輩に対して冷たくなろうが、４時間は嫌だという湊の意思を感じる。
「いくら可愛い後輩とはいえ、毎回甘やかす訳にはいかないのだ。寝るぞ僕は」
そうして湊は寝る準備を再開した。
＊ ＊ ＊
左右は湊からの返信を見て、さらになんと返そうか考えていた。そのとき、スマホの電池残量がだいぶギリギリなことに気づいた。
「……あっ、スマホを充電するの忘れてましたわ！」
思い返してみると、最後に充電してから結構な時間が経っている。
充電器を探しつつ湊にその旨を伝えようとメッセージを書き込む。
『銃ｄ』
しかし急いで打ち込んだせいで、変なところで変換されてしまった。
それだけならまだしも、そのまま送信してしまった。その直後、スマホの画面が暗くなった。
「変な文章で送信してしまいましたわ！ えーっと、充電器はどこに置いたんでしたっけ……」
＊ ＊ ＊
いよいよ寝ようかと思っていた湊のもとにメッセージが届く。
相手は左右だろうなと思いつつ、スマホを手に取る。
『銃ｄ』
「え？ 何？ 銃が何？」
「『冷たい先輩なんか銃で始末ですわ！』ってこと？」
送ってきた相手は予想通り左右だったが、そのメッセージの意味が分からない。
『上下？』
『銃がどうしたって？』
『おい』
立て続けにメッセージを送るが返事がこない。湊には左右がいまどういう状態か知る由もない。
「おいこら、寝れなくなったぞどうしてくれるんだ」
湊のスマホも電池がなくなってきている。
怖いから早く返事をしてくれ、とただただ湊は願った。
＊ ＊ ＊
左右は充電器を見つけると、それをすぐにスマホに接続した。
「これでOKですわ！」
急いでメッセージを送る。
『キレそうでしたわ』
送った直後、左右は電池残量がほとんど増えていないことに気づいた。
「……ってあれ？ 充電器が壊れてますわ！ あー充電が！」
『キレますわ！ もうキレ』
途中で文章が切れてしまったが、焦ってそのまま送信されてしまった。
しかしスマホの電池はもう残っておらず、送った文面を確認する方法は無い。
「まさか充電器が壊れていたなんて……コンビニに売ってましたっけ？」
＊ ＊ ＊
「やっと返事が！」
ようやく左右からの返信が来て、安堵の気持ちを抱く湊。すぐにメッセージを確認する。
『キレそうでしたわ』
『キレますわ！ もうキレ』
「お、怒っている！！ あの上下が！ 怒っている！」
湊は驚きと困惑の表情を浮かべた。慌ててメッセージを返す。
『僕が悪かったから』
『銃で始末は勘弁してや』
「……ってくれ、と……あれ？」
急にスマホの画面が暗くなった。少し戸惑ったが、電池が切れたのだとすぐに気づいた。
「急いで送信ボタン押したけど、どこまで送ったんだろ。とりあえず謝れたなら命は安全かな」
湊はほっと胸をなでおろした。
このすれ違いが解消されるのは、おそらくお互いの充電が完了してからだろう。
あとがき
担当マスター：
星織遥
ファンレターはマスターページから！
この度は、シナリオへのご参加ありがとうございました！
充電するのを忘れていたり、思わぬタイミングで電池が切れてしまったり。
そういった体験を「あるある」と思いながら執筆させていただきました。
改めて、この度はありがとうございました！
充電するのを忘れていたり、思わぬタイミングで電池が切れてしまったり。
そういった体験を「あるある」と思いながら執筆させていただきました。
改めて、この度はありがとうございました！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2018年06月19日
- 参加申し込みの期限
-
- 2018年06月26日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2018年06月26日 11時00分
