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想いは巡る
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東の空が白み始める。寝子ヶ浜海岸で歌と踊りに励んでいた
アイオ・キャンドライト
は正座の姿のまま、ぼんやりと空を眺めていた。
息切れは収まった。アイオの青い瞳に力強さが戻ってきた。
「……こんなところで、アイオは立ち止まれないのですわ!」
勢いよく立ち上がる。スカートに付着した砂はくるりと回って振り落した。
沸き起こる感情を抑えられないのか。表情に焦りが生じる。
――練習だけでは埋められないのですわ。この想いに答えるには……。
目の動きが忙しない。懸命に手掛かりを求めた。間もなくして自身の服装に注目した。
――この服は立派な舞台衣装なのですわ。いつでも歌って踊れますの!
「その舞台は、どこに……」
辺りに人の姿はなかった。決断を急かすように空が明るさを増してきた。
「人がいれば、そこが舞台になるのですわ! ライブ感を楽しむのですわ!」
海に背を向けて走り出す。長い髪は朝陽を受けて銀色の輝きを放っていた。
水色の空が青い色で定着した。シーサイドタウンは完全に目覚めた。ほとんどの店が開店状態となり、押し寄せる人々を受け入れた。名の知れた喫茶店ではモーニングセット目当ての若者で早々に満席となっていた。
喧騒の中、
ティオレ・ユリウェイス
は涼しげな顔で通りをゆく。茶色いポニーテールが機嫌よく左右に揺れている。頭には赤いバンダナを巻いていた。ベージュのタンクトップにデニムのパンツという軽装であった。
ティオレは弾むように歩く。身に付けたシルバーアクセサリーが涼しげな音を立てた。
自然に人目を引く。
「あの、そこのお姉さん。時間、あるかな」
一人の若者が遠慮がちに声を掛けてきた。ティオレは横目で見ることなく前を通り過ぎた。
「え、あ、あの」
戸惑ったような声が追い掛けてきたものの、それ以上の行動には出られなかった。
「困ったものね」
呆れたように呟くと道沿いの店舗に目を向けた。
前方から大柄な三人組がやってきた。全員が明るい茶髪で派手な柄のシャツを着ていた。若い女性に遠慮のない目を向けて下卑た嗤い声を上げる。
ティオレは道の端に寄った。若干、早足となって隙間を抜けようとした。
三人組の一人が目敏く見つけて立ち塞がる。
「お姉さん、モデルみたいだね。顔も良いし、俺達と付き合ってよ」
「大人の遊び希望で」
他の二人がへらへらと笑いながら近づいてきた。ティオレの豊満な胸に舐めるような視線を向ける。
ティオレは微笑むと早口で捲し立てた。
「え、いや、わからないって」
最初に話し掛けた一人が驚いて他の二人に目をやる。
「英語じゃないし、俺に期待するなよ」
「もう、行こうぜ」
引き気味の相手にティオレが詰め寄る。意味のわからない言語に面食らった三人は押されるようにして人混みに紛れてゆく。
ティオレは無表情で見送った。
――デタラメな言葉の効果は絶大ね。
片方の口の端を上げて歩き始める。
人の流れに乗ってシーサイドタウン駅に辿り着いた。広々としたコンコースで足を止めた。
――大道芸が出来そうね。観客になる人もいるし、場所としては悪くないわ。
ティオレは噴水から少し離れたところに立った。パンツの後ろのポケットから三本のナイフを取り出した。刃渡りは短い。金属的な光沢はなかった。
――玩具のナイフになっても道具としては使えるわ。
軽く両腕を前に出した姿で軽く息を吐いた。柔らかい手首の動きからジャグリングを始める。
個々が縦に回転した。陽光を受けた刀身が光の円を描く。一旦、手の中に戻した。新たな一本を取り出し、四本のナイフでジャグリングを再開した。
「問題ないわね」
口にして落ちてくるナイフを手の中に回収した。思案気な顔が物足りなさを仄めかしていた。
アイオは舞台になる場所を探した。うろ覚えの知識と勘に頼って島内を巡る。和装メイド服は色鮮やかで行く先々で若者達の興味を引いた。暇に乗じてちらほらと付いてくる者まで現れた。
「もっと広い場所は……駅がありますわ!」
急ぎ足で道をゆく。後方にいた若者達も足を速めた。
シーサイドタウン駅に着いた。広々とした中を人が忙しなく行き交う。噴水の縁には複数の人が腰掛けて会話に興じていた。
「ここですわ!」
声が上ずる。胸に手を当てて深呼吸をした。
――アイオ、落ち着くのですわ。緊張を力に変えるのですわ。その前に場所の確保をしないと。
青い瞳をキョロキョロとさせる。一人の女性、ティオレに目が留まった。
「……美人ですわ」
ただの美形ではなかった。手にはナイフを握っていた。刀身が銀色に光っている。
しかも目が合った。ティオレは滑らかに歩き出す。アイオは向かってくる相手に引き攣った笑みを見せた。
「そ、そんな脅しには負けないのですわ!」
「どういうこと?」
ティオレはナイフの尖端を自身の指の腹に当てた。押すと刀身が柄にめり込んだ。
「これは玩具のナイフよ。前に城下町で会ったよね」
「城下町って、上空のアレですの?」
アイオは星幽塔を指差した。
「そう、あそこにある酒場で踊っていたわ。その時は髪を下ろしていたから、今とは少し雰囲気が違うわね」
「思い出しましたわ! アイオもバーで幼い頃から働いていて、他のところにも興味がありましたの。最初の一軒で踊っていた、アクセサリーじゃらじゃらのド派手なお姉さんですわ!」
「じゃらじゃらって。覚えていてくれてありがとう。あなた、アイオがここにきたのは一芸を披露する為ではないのかしら」
ティオレはアイオの姿を見て言った。
「その通りですわ! アイオは街中ライブに挑戦するのですわ! 熱い心の声に歌で応えるのですわ!」
「私はナイフのジャグリングをするつもりよ。踊りを入れようと思ったのだけれど、演奏がないと今一つ乗れないのよね」
ティオレはアイオを見て微笑んだ。
「アイオと組めば解決ですわ」
「そうね。お願いできる?」
「もちろんですわ。心強い、お姉さんの名前は」
「ティオレよ。今日はよろしくね、アイオ」
「こちらこそ、ティオレ!」
二人はその場で打ち合わせを始めた。アイオは軽く歌う。耳にしたティオレが曲調を頭に入れる。足がリズムを刻んでいた。
「その曲でいいわ。出だしをお願いね」
「任せるのですわ」
アイオは自身の肩と腰に腕を回した。顔を真横に向けて、そっと瞼を閉じる。ティオレは少し離れたところに立った。
アイオの姿を見た人々の歩みが緩やかになる。何人かは期待を込めた表情で立ち止まった。
アイオの目が開いた。笛のような高音が口から静かに放たれる。ゆっくりと顔を正面に戻し、自身を縛っていた腕を解いた。軽く両腕を広げた姿で声量を上げてゆく。
金管楽器のような声に大半の人が足を止めた。
勢いはやがて衰え、静かに消えた。
「いくのですわ!」
声が弾けた。曲調は打って変わり、激しい熱で周囲を燃やす。ティオレは曲調に合わせてジャグリングを始めた。四本のナイフを回転させながら自身も回る。
二人は背中を合わせた。
アイオは歌いながら踊る。
ティオレはジャグリングの要素に独特な振り付けを加えた。
野外コンサートさながらの声援が周囲から沸き起こる。
ティオレは目を輝かせた。笑みが零れる。
アイオは全力の声で歌った。
二人の合わせていた背中が離れた。弾けるように飛び出して踊る。
周囲の人々を巻き込んで駅のコンコースの全てが舞台となった。
「まだですわ! もっと、もっと、熱くなるのですわ!」
「当然よ。こんなものでは終われないわ! ナイフの妙技を見せてやるよ!」
二人の熱い想いが迸る。
熱狂のライブは始まったばかりであった。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月13日
参加申し込みの期限
2018年06月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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