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6月の魔法
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結ばれるとは思っていなかった。
貴方が私の手を取ってくれたのが奇跡だった。
私の手をぐいと引っ張りしっかりと抱きしめてくれた時、何でもできると思った。2人で、何でも乗り越えられると思った。
人気絶頂のアイドル同士の結婚。けれど、貴方のそのまっすぐな笑顔は、昔から何1つ変わってないから―――。
それは
シャロン・ナイトプレッジ
が、幼い頃の恋心を実らせ、今同じアイドルとして芸能界で活躍している初恋の人と結婚してから暫くの事だった。
彼のいる世界に飛び込みたいと思ったのも事実だが、彼から教えてもらった音楽の素晴らしさをたくさんの人に伝えたいと思ったのもまた事実で。
覚悟の上の結婚だった。ステージで互いのファンにも報告をした。そしてまた、2人で支え合いながら前を向いて歩いて行けると思ったのに―――。
たまたま合った貴重な2人の休日。前日はゆっくりと甘い夜を過ごし、2人で遅めの朝食を取っていた時だった。
「アイドルを……辞めてくれないか、シャル」
突然の彼の言葉にシャロンは耳を疑った。
「冗談よね……?」
笑顔を作りながらもシャロンの声が震えた。目の前の彼の表情からはいつもの人好きのする無邪気さは消えており、真剣な目でシャロンを見つめていた。それに。
この人には分かっているはずだ。これだけは冗談にできない事を。だって、音楽の無限の可能性を私に教えてくれたのは彼自身なのだから―――。
「……っ」
シャロンの美しい濡羽色の瞳に涙が溢れる。ポタリ、とその雫がテーブルに落ちた時、シャロンは彼の前から逃げ出した。
「……っく……ひっく……」
良く手入れされた生け垣の隅に、ペパーミントグリーンの髪が揺れていた。止めどなく溢れてくる涙を拭いもせずに、シャロンは膝を抱え座り込み、小さくなって泣いていた。それはまるで幼い日のように。
2人の新居を選ぶ時、彼は1つ注文を付けた。
『緑の多い庭にしよう』
それは、故郷を離れているシャロンへの心遣い。子爵傍系の血筋であるシャロンの家は、広大で美しい庭園を持っていた。勿論彼らの新居にシャロンの生家ほどの広さを望むのは到底無理だけど、こぢんまりとしながらも温かみのある自分達の庭を見て、シャロンは安らぎと彼の愛を感じたのだ。
けれどもこの庭は今、シャロンの傷ついた心を癒やしてはくれなかった。
全てを否定された気がしたのだ。幼き日の思い出も、自分の今までの選択も。よりにもよってシャロンが愛する彼自身に。
こんな風に緑に囲まれ泣いていると、泣き虫だった小さい頃を思い出す。庭の茂みで隠れて泣いていても、貴方は私を見つけてくれた。『俺にはシャル専用のセンサーがついてるんだ』なんて楽しそうに笑ってたけど。
生家の庭と同じ緑の匂いに、今度はシャロンの脳裏に懐かしい英国の友人達の笑顔が思い浮かんだ。優しかった友人達は今は遠い。せっかく止まりかけていたシャロンの涙がまたじわりと滲む。シャロンはきつく目を瞑り首を振った。
「……帰りたいんじゃないわ……っ」
私は覚悟を持って英国を出たのだ。彼を信じ、音楽を信じて。だからこそ、今こんなに悲しいのではないか。
シャロンはまた膝を抱え俯いてしまう。その時、小さな声がシャロンの耳に届いた。
「ごめん、シャル……」
シャロンははっと顔を上げる。すぐ傍に、シャロンの愛する人がしゃがみ込み、しょんぼりとシャロンを見つめていた。
「あのね、シャル」
涼やかで整った眉を情けなく下げながら、彼は言い淀んだ。たくさんの女の子を虜にする王子様のようなアイドルなのに、シャロンの前では形無しだ。けれどもシャロンは膝を抱えたままぷいと横を向いた。あの頃と同じように迎えに来てくれたのはほんのちょっと嬉しかったけど……でもまだ私は納得してないんだから!
「あー……」
王子様は、真剣且つ可愛らしく拗ねている大好きなお姫様を前に天を仰ぐ。だがすぐにうんと頷くと、そっぽを向いたままのシャロンを抱き寄せ口を開いた。
「俺の奥さんが他の男に見られてるのが我慢できないんだ。いつかは許せるようになりたいけど……心の狭い男でゴメンナサイ!」
「え?」
まさかの告白にシャロンがびっくりまなこで振り返る。そこには叱られた子犬のように罰悪くシャロンを見つめる青年がいた。
……貴方だけを追い求めた私と同じくらい、貴方も我が儘なのね。
シャロンはくすりと笑うと、不安そうな子犬の鼻先に軽くキスをする。彼の瞳がみるみる内に輝いた。
(貴方だってアイドルなのにね)
シャロンは彼の腕の中に身を委ねる。そして頬を染め上目遣いに彼を見た。
「じゃあ今の内に訊くけど……此処に特別なリスナーをお迎えするのは?」
そう言ってシャロンはそっと自分のお腹に手を当てた。
(大胆だったかしら)
そう思えば顔がますます赤くなる。けれども、言わずにいられなかった。だって、貴方への愛しい気持ちが溢れて―――。
その時、唇が塞がれた。しばしの甘いキス。ゆっくりと唇を離せば、彼が優しくも情熱的な瞳でシャロンを見つめていた。
「大賛成だよ、シャル」
そしてまた2人は笑顔で長いキスをした。
泣いて笑ってときめいて。喧嘩をして私が拗ねても。
またこの庭で見つけ出してね、愛しい貴方。あの時と変わらぬ笑顔のままで。
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担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年05月29日
参加申し込みの期限
2018年06月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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