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6月の魔法
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大学生の時に留学していたドイツで、私……
恵御納 久隆
は1人の女性と出会った。後に妻になる
恵御納 理沙
……ローゼマリーだ。
美しい女性だった。私は口下手でうまく言えないが、輝く金色の髪も湖のような透き通った青い瞳も魅力的で、たびたび男子学生の噂に上っていた。
勿論私にも異論は無かった。しかし周りの友人にも言わなかったが、私は彼女の雰囲気が好きだった。彼女が笑うと周囲に可憐な花が咲いたように感じられた。
日本文化に興味があるという彼女と、日本からの留学生である私が知り合うのに時間はかからなかったが、口数も少なく表情も豊かとは言えない私とコミュニケーションを取るのは大変だったと思う。けれども彼女はめげなかった。私も私なりに彼女に応えるべく、様々な日本の文化や歴史を彼女に教えた。教室や、カフェテリアで彼女と語らうのは楽しかった。
どんどん私は彼女に惹かれていった。そして、幸い……と言うか今でも奇跡だと思っているが、彼女も私と同じ気持ちだったらしい。いつしか私達は想いを通わすようになった。
本当に、夢のような時間だった。異国の風に触れ、たくさんの友人ができ、愛する君と身を寄せるように街を歩く。私が、君を笑顔に出来る瞬間が好きだった。
けれども物事にはいつか終わりが来る。月日は流れ、私の留学期間が終わる時が近付いていた。
旦那様と出会った時は、あの人は大学生で、私も恵御納理沙ではなかったの。
私のその時の名前は『ローゼマリー・シェーフェリン・フリューエシュタイン』。日本に帰化もしていなくて、生粋のドイツ人だったわ。親しい人やあの人……ヒサタカさんは『ローミ』って呼んでくれてたわね。
ヒサタカさんはね、とっても格好良かったのよ~! 体もがっちりしていて逞しくて、目元もきりりととっても涼やかで。……あら、今も変わってないわね、ふふ。
あの人は認めないだろうけど、大学でも目立っていたわ。日本映画に出ていた寡黙な武士みたいで、神秘的で。だから、日本文化を教えて欲しくて声をかけた時、本当は少しドキドキしていたの。でも彼は快く承諾してくれた。それから自分の勉強もあるのに、一生懸命私に日本文化を教えてくれて……。そう、だから旦那様は否定するかもしれないけど、やっぱり私は言うわ! 好きになったのはきっと私が先!
素敵な時間だった。ずっとずっと続けばいいと思っていた。大学に行けば、あなたに会えた。私の質問に真剣にあなたは答えてくれ、その内違う話で盛り上がって2人で笑い合って。
けれど、季節が巡るごとに、私の心にあった小さな染みのような不安は広がっていった。
―――あなたはいつか、日本に帰ってしまう。
*
公園を散策しながら、2人は談笑していた。日本文化の話や、互いの友人の話、そして自分達の事。いつも話は尽きず、時間が足りないくらいだ。しかし、今日は違っていた。
話がどうしても途切れ途切れになってしまうのだ。それが何故かローゼマリーには分かっていた。今日はお互い、自分達の事を話していなかった。それを分かっているのに、避けてしまう。会話が途切れないようにローゼマリーは懸命だった。次に長い沈黙がきたら、きっと彼はそれを言うだろう。待って。もう少しだけ待って。
けれども彼女の必死の願いはむなしく、ふうっと2人の会話がやむ。少し俯きがちだった久隆が、真っ直ぐにローゼマリーを見て、口を開いた。
「……ローミ」
「……なぁに、ヒサタカさん」
―――とうとう、来てしまった。
ローゼマリーに、もうすぐ帰国しなければいけない事を告げた。その瞬間の彼女の微笑みをどう表現したらいいのだろう。私の大好きな彼女の微笑みではなかった。そんな寂しく笑わないでくれと喉まで出かかったが、ぐっと堪えた。そんな言葉を私が言う権利はない。
久隆は逡巡していた。ローゼマリーはとても素敵な女性だ。自分と別れてもすぐに良い男性が現れ、彼女を幸せにしてくれるのかもしれない。けれども。
久隆は止められない想いを口にしていた。
「私は……君を、愛している」
ローゼマリーの美しい瞳が零れんばかりに大きくなる。久隆の胸に熱いものが湧き上がった。
ああそうだ。これは私の身勝手で、エゴかもしれない。
慣れない土地で暮らすという事は大変だというのは身をもって知っている。
勿論ドイツに居て欲しいというなら希望に沿おう。私がこの地にまた渡ってくればいいのだから。
―――それでも、もし君が良ければ。
ローゼマリーは潤んだ瞳で久隆を見つめている。全ての想いを込め、久隆は言った。
「一緒に……日本に、来てくれないか」
君が言う憧れの地……良い事ばかりでもないが、この国と同じようにたくさんの温かい人がいる私の国で……君を幸せに、したい。
「私は……君を、愛している」
(……え?)
その言葉が飛び込んできた時、ローゼマリーは我が耳を疑った。彼女は覚悟していたのだ。久隆からの別れの言葉を。そして、それを受け入れようとも思っていた。
悲しいけれど。きっと彼が帰国したら、両親が心配するくらいわんわん泣いて暮らすと思うけれど。それなのに。
かの人は何と言ったか。何が起こったのか。ローゼマリーの瞳に違う涙が溢れそうになる。それを堪えて彼女は目の前の恋人を見つめる。久隆の熱い瞳に吸い込まれるように。
朴訥で、真摯で、飾らない恋人。その彼が、ローゼマリーの瞳を真っ直ぐ捉え、こう言ったのだ。
「一緒に……日本に、来てくれないか?」
もう駄目だった。ポロリとローゼマリーの澄んだ青い瞳から涙が零れ落ちた。
大変な事もきっとあるだろう。ファーティ(父親)は反対するかもしれない。でも、それでも。
―――あなたと、一緒なら。
(嬉しい、とても嬉しい……)
ローゼマリーはぎゅっと目を瞑ると、笑顔で久隆の胸に飛び込んだ。
「……ええ、喜んで! 私も……あなたがとっても大好きよ~!」
公園に恋人なんて、この国ではありふれていて誰も振り返らない。けれども金髪碧眼のお人形さんのような小柄な女の子が、いかつい東洋の青年に抱きついて笑っているという光景はなかなか珍しく、何事かと皆がちらりと振り向いていたが、やがて誰も見向きもしなくなった。
慌てていた青年が、赤くなりながらも女の子を抱きしめ返したのだ。
公園に恋人なんて、ありふれている。彼らの抱擁は、いつもの事。それがとても長く熱く、幸せなものでも。
*
その後、色々な事があったがここでは割愛しよう。結局2人は日本で式を挙げられたのだから。
ローゼマリー……理沙が希望した神社での神前式。久隆側の列席者は盛りだくさん(両親+兄弟姉妹6人+祖父母+おじおば+兄弟姉妹配偶者や甥姪等々!)だったが、理沙側の親族席は理沙の兄弟姉妹と、友人達のみ。彼女の両親が出席する事はなかった。
『ファーティはちょっと意固地になってるの。ムッティ(母親)は優しいから、ファーティを置いて来られないって……』
神前で厳かに式は続く。ふと久隆は理沙の言葉を思い出したが、いざ目の前にその状況を突きつけられると、彼の胸は痛んだ。
でも、だからこそ、理沙に心細い思いをさせてはいけない。使命感にすら燃えながら隣を見れば、白無垢姿の彼女と目が合った。
ふうわりと彼女が笑った。その美しさに久隆は思わず見とれてしまったが、慌ててふるりと首を振った。
(……いかん! 式の手順を忘れてはならない!)
ただでさえ慣れない国で緊張しているかもしれないのだ。彼女が……妻が困らないように私がしっかりしなければ。次は、誓詞奏上だ。
(もう……ファーティ、まだ怒ってるのね)
自分の親族席を綿帽子の中からちらりと見て、理沙は微かな溜息をついた。……白無垢姿を見せたかったのに。
けれどもその思いは着物の下に仕舞った。また両親とは時間をかければいい。縁が切れた訳ではないのだから。
理沙はそっと隣の久隆を見上げた。紋付き袴姿の彼に、理沙はしばし見惚れた。
(ヒサタカさ……旦那様、素敵ね~!)
私は旦那様と、この国で新しい縁を作る。色々な出会いを繰り返しながら、縁はどんどん広がっていく事だろう。それが楽しみでしかたないのだ。この人と一緒なら、絶対大丈夫だと思えるから。
ふと、久隆がこちらを見た。彼の視線が嬉しくて、理沙はニコッと微笑み返す。すると久隆が赤くなり固まったような気がした。
(どうしたのかしら……私、何か手順間違えてるかしら?)
何せ神社の神前式は手順が多い。次は何だったかしらと理沙が考えていると、ふっと久隆に優しく促された。ああ、そうだわ。この次は神様の前で誓いの言葉を読み上げる誓詞奏上。神様にきちんと聞き届けてもらわないとね~!
2人は仲良く巻紙を持つ。久隆の朗々とした声が隅々まで響く。何と立派な婿殿か。真っ白な綿帽子から青い目が覗く美しい花嫁が、幸せそうに寄り添っている。
最後に、久隆が自分の名前を読み上げ、理沙がその後にしっかりと自身の名前を読み上げる。
誓いは神様に聞き届けられ、2人は晴れて夫婦となったのだった。
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シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
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定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年05月29日
参加申し込みの期限
2018年06月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年06月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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