【星幽塔】第一階層　コボルトの真実｜リアクション

【星幽塔】第一階層　コボルトの真実

【森に到着し、入口に前進　北入口へ】

「獣道を外れて森へ行こう」
　件の岩が見えるころ、獣道を見ながら円は言う。
「どうしてだ？」
　刀が不思議そうに問いかける。
「罠がある」
「え？　罠！　どこにあるんでしょう？」
　リリエルの言葉を受けて、そっと円は指をさす。
　それは、獣道だ。ただし、コボルトの足跡が何一つないことに円は気づいていた。
　あるのは、純粋に獣でその足跡も途中で途絶えている。
「こりゃ、落とし穴だな」
　シツが野太刀でつつくと。ポスッ！　という音がして穴が現れる。
　草で幾重にも編んだ布の代用品に、砂や泥をかぶせて擬態したのである。
「森に足跡発見！」
　メリィのその報告に、ほっと息をつく一行。
「なるほど、それをたどっていけば罠はない、か」
「どうかな？　まぁ、気を付けて進めばいいんじゃないかな」
　刀の言葉に、円は返す。
「先に行こう」
　そう言って先行偵察を買って出たのはサキリだ。
「敵に見つからないように獣道と森のはざまを行く。下手に足跡をたどって目標を見失いたくない」
「そうだね、そのあとからついて行こう」
　サキリの言葉に円は賛成する。
「うぅぅ、我慢するのです！　ドーンっ！　ってやりたいです！」
「ま、そういう派手なのは後でってな」
　リリエルの言葉に、シツはにやりと笑いつつ遠くを見る。
　そこには、派手な土煙と、コボルトの鳴き声が聞こえた。
　どうやら、先に仕掛けたのは南側のようだった。
「あ、ずるいです！　メリィちゃん、行きましょう！」
「オッケー、リリエル！」
　それを見た2人のフレンズが出撃。そのまま岩の西側に突入をするようだ。
「僕らは北側に回り込もう」
「では、こちらはあの2人のフォローに回ろう」
　円の提案に残った5人は頷き、サキリは1人素早く【斬空赤刃】によって岩のほうへと瞬間移動したのであった。

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