【星幽塔】キングオブザ星幽塔～あの星を掴め！｜リアクション

【星幽塔】キングオブザ星幽塔～あの星を掴め！

☆舞台変わって、魔女の騎星戦

「みんな、これ持ってって。試合中騒がしくても連絡できるよ」
　中学二年の新田樹は、アンテナアスパラを月組の皆に渡した。
「ああ、協力して複数で星組を狙うことにしよう」
　修が答える。
「空中戦って初めてなんだ。楽しみ♪」
　箒にまたがり、手にはめた指輪を見ながら樹は楽しそうに言う。
（でも私のろっこん使うと試合が一方的になりそうだから、控えめに使うよ）
「んー、こういうイベントの時は出店したり観客でいる方が多いのだが、魔女だからね。魔女が参加しないわけにはとね」
　白い髪に赤い眼、日ごろから魔女を名乗る旅鴉月詠は、借り物の箒でしっかり飛行練習をしておいた。
「これなら私もできるんじゃないかなと思って。折角のイベントだしね。特に高度を上げる事と速度を出す事についてはまあ満足できる状態だろう」

「今度はリリエルが頑張る番ですよ！」
　リリエルは天使のような羽を広げた。魔女らしくはないが、箒より自分の羽のほうが安心だ。
「猫さんは脇に抱えて飛びますね」
　リリエルは星組で圧倒的な存在感を放っている魔女のミギを見つめる。
（特に魔女ミギさんと戦ってみたいですね、魔法が得意と聞いていますから胸を借りる気持ちでがんばリリエルです！）
「魔女の帽子、可愛いよね」
　アリスも羽で飛びながらの参加だが、銃を持っている。
　それぞれの魔女の帽子に５つついている☆は攻撃を受けるたび落ち、なくなれば脱落だ。
「面白そう！　チームで頑張るよ！」

　ティオレは世界樹登りに続いて魔女の騎星戦にも参加する。
「こっちも前回に続いて勝つよ」
　借りた空飛ぶ箒にまたがり、ブーメランを持つ手には盗人の光を宿している。

　修の召喚した小型炎龍は、一際人目を集めていた。
　これまでにも何度も乗っていて扱いも相当慣れている。
　ブレスや尾での攻撃も可能だが、小型な若龍である。
　威力もそれなりだから、そこまで有利ということもないだろう。
　猫を自身の前、手綱の間に猫を乗せ、撫でながら修は言う。
「ここなら落ちにくいはずだが、気をつけてくれよ」
　修の右手には片手銃があった。
（射撃部の経験が異世界で生かせるのはありがたいな）
　
　ピーッ！　
　審判の合図で、競技が始まった。
「さあ、いよいよ魔女の騎星戦開始なの！」
　ステラは気持ちよく実況を続けている。

「いくよー！」
　先手必勝とばかり、アリスが銃を撃つ。
　銃から発射されたのは水流だ。
「そんなもの当たってもなんでもない！」
　星組の選手は豪語するが、濡れた羽根や服は重くなり飛びにくくなる。
「そこ！」
　アリスの次の一撃は、星組の選手の武器を一発で撃ち落した。
「くそっ！」
　当然他の星組選手から反撃が来るが、アリスはひらりとかわす。

　一方月詠は、開始からぐんぐん高度を上げていた。
（相手の頭を抑える事。被ダメージの軽減だな）
　敵からなるべく遠くにいて、すぐに逃げられるよう動きつつ。特に進路先を妨害されないよう逃走ルートを把握する。

このページにイラストを設定する