なんだかとっても、たのし草！｜リアクション

なんだかとっても、たのし草！

苦しい。
苦しい。

（そうだ）
（師匠だって、自分にあきれるはずだ）
（だって、自分に魅力なんてないし）

華奢な自分の体に、そっと手を添える。
その薄い胸元。

――おっきく、ないもんな。

（だめだ）
（だめだ、僕なんて）

不意に、強い悲しみの発作が襲って、シーナは全身をくの字に曲げた。
自分の言葉が胸を刺す。

（なんで･･････）
（なんで、こんなに）

涙で溺れ、視界が闇に沈んでいく。
悲しみの塊がのどにせり上がり、噎び、あえぐ。
まっすぐ立っていられない。

思わず、叢に膝をつく。
（助け――）

「助けて！」

喉の奥から、岩漿の熱い放出のように、もつれたさけびが飛び出してきた。

ショックの激しさに、手元の草を握りしめる。
その色が、師匠の宝石と同じ翠だったのは、無意識の選択か。

激しい感情のパノラマが、一瞬にして消え去った。

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