寝子高雑巾がけレース、出会い系？｜リアクション

寝子高雑巾がけレース、出会い系？

○妨害に負けるな！

　順調に進んでいたレースだが、１階につくと妨害者たちが現れた！
「リア充爆発しろ！」
　バシャーン！
　汚い水が、そして油がまかれる。

「おっと」
　だがシダもかようも動揺しなかった。
「妨害は基本避ける。反撃はなし、怪我しちゃダメだし無論させてもダメだ」
　野球少年でありボビナム選手である二人には、妨害を避けることは難しくなかった。
「道場と違って下が板張りってわけじゃないから少し水が多めでも問題ない。これだけでも摩擦が減ってスピードが上がる。いつもより早いぜ」
　かようが言えば、シダが答える。
「坂　コーナー　障害　人　全部利用しろ」

　後から来たペアたちは妨害にあたふたし、滑って転んでしまう者もいた。
「羽生くん、気をつけて」
　だが洋二はひるむことなく、碧南に声をかける。
「はい！　大丈夫です」
　胸キュンしながらも、碧南は集中して敵を引きつけた上妨害をかわす。
（焦らずに、確実に）
　バスケの能力の高さと、恋する乙女心で、今の碧南に恐れるものはない。
　転んでいる参加者を抜き去り、先頭と差はあるものの２位の座をキープした。

　後方にいた修とあおいたちも妨害を受けた。
　避けて回避するが、中には悪質な妨害者もいる。
　修は雑巾を投げつけ、怯ませた隙に離脱した。
「修くん、雑巾投げちゃったけどどうするの？」
　心配そうなあおいに、修はリュックをあけてみせる。
「こんな事もあろうかと予備雑巾は沢山用意してある。あおいも使うといい」
「すごい、修くん」
　そんな二人の様子をリア充と見たか、妨害者の魔の手があおいに伸びる！
「危ない！」
　あおいへの妨害を体を張って防御した修の制服の袖に泥水がかかる。
「非道許すまじ」
　修の冷徹な眼光を見た妨害者のほうがすくみあがった。
「修くん、大丈夫？！」
　心配そうなあおいに、修は笑顔を向ける。
「このくらい平気さ。さあ、急ごう」
　妨害にへこむ参加者を抜き、順位を上げる。
　ちなみに事後処理は美化委員の皆さんが頑張ってくれている。
　　
　レースは続き、北校舎登りにさしかかった。

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