ニャーリング！「ニャニャネー♪」｜リアクション

ニャーリング！「ニャニャネー♪」

○おやつタイム

　体育委員がおやつを準備する間、修は使用人に準備させておいた長椅子とテーブルをさっと用意した。
「理事長、どうぞ」
「あら、ありがとう」
「理事長もエキシビジョン的に投げてみませんか？」
「そうね、どの子がいいかしら」　
　理事長は猫たちを見回すと、明里猫に手を伸ばした。
「この子にするわ。ふふふ、行くわよ」
　見事なフォームで氷へ滑らせる。
（なんかこう、勝手に動いていくのって不思議な感じなのー）
　気持ちよく滑っていった明里はハウスの真ん中にぴたりと止まり、ギャラリーから拍手が湧き起こった。
　その間に修はお茶を淹れている。
「美味しいわ。ありがとう」
「ありがとう、修君」
　あおいも喜んでお茶を飲んでいる。

「すっかり体が冷えちゃった」
　碧南がつぶやく。
　プレイ中は夢中で暑かったのに、気が付けば寒くなっていた。
「寒い時はこういうのが一番」　
　ふうふうしながらお汁粉をいただく。
「あったかい、美味しい……お茶もいただきます」
　冷えた体が温まっていく。
　
　体育委員が小さなドームのようなものを持ってきた。
「えっ、猫さん用？」
　夏朝が気づいて声を上げる。
「メモに書いてあったので」
　見ればメモにはひっかいた跡で「カマクラ」と読める文字が。
　明里が隙を見てこっそり書いたものだった。
（あったかぬくぬく。だってねこだもの。暖かいのがすきなのだもの）
「にゃーっ」
　明里や他の猫たちも、喜んで入っていた。
（あ、そうだ。おやつ、おやつはでないのなのかな？）
　みんながおいしそうに食べているおやつを見て、明里は思った。
（あかり、おやつがあったら一生懸命頑張れるって思うの。おいしいおやつをたくさんくださいなの！）
「にゃーん」
　カリカリや煮干し、ミルクなど、お腹を空かせた猫たちにもおやつが振る舞われた。
「終わったらたくさんあげるから、今はこれで我慢な」
　修は適量のおやつをマーブルに与える。
　
　雅人はさっきまで一緒に遊んでた猫さんを抱っこして、膝の上に乗っけて、頭撫で撫で～していた。
「一緒におやつタイムだよ～！」
「ほら、胡桃ちゃんも撫でて撫でてっ」
「ねーねー、ちどりんってどこ住んでんの？　あたしは旧市街の方なんだー」
　とろけるプリンを食べながら胡桃が聞く。
「俺も旧市街住みだよ～！　もしかしたらご近所さんかもっ」
　雅人もおやつを食べながら答える。
「うちってネズミがたまに出てさ、オヤツとかゲームコード齧られんの。ちどりんトコもネズミ出る？」
「ネズミさん？　うちでは見ないかなぁ……毎日綺麗にしてるおかげかもっ」

　寝子饅頭にお煎餅、みんないろんなおやつを食べながらおしゃべりし、休憩時間はあっという間に過ぎた。