ニャーリング！「ニャニャネー♪」｜リアクション

ニャーリング！「ニャニャネー♪」

「にゃ？」
　気づけば、橘明里は猫になっていた。
　くりくりとした目と牙が可愛い、三毛猫。
（なんかの影響なの。あかりは天使だから、きっと猫にもなれる力が目覚めたのなのね）
　そういうわけではないはずだが、とにかくあかりは気にしなかった。
（三毛猫チームの猫になるのなの！）

「よくわかんないけど楽しまなきゃソンだよね！」
　茶色いポニーテールを揺らして、野阿胡桃は言う。
「千鳥君、野阿さん、よろしく。あれ、一人足りない？」
　夏朝が周りを見回す。
「わわわー。間に合ったかな？」
　野々ののこが駆け込んできた。
「ののこちゃんも三毛猫チームなの？」
「うん！　うわ～、猫がいっぱい！　これは見逃せないよね！」
　アホ毛を揺らして笑顔になるののこ。
　メンバー４人が揃ったのを確認して、胡桃は元気に挨拶する。
「初めましての子は初めまして！　あたしは野阿胡桃だよ！　今日はよろしくねー！　レッツニャニャネー♪」
（とは言ってもカーリングのことなんとなくしか知らないし、ましてや猫ちゃん使ったニャーリングなんて初体験なんだよね）
　どうしようか、と考えていると、とろんとした目のアホ毛の男子が目に入った。
　千鳥雅人は、見かけはフワフワした感じの雅人だが、面白そうな事が好きで色々な事に首を突っ込みたがる。
「ね、猫さんを投げるなんて、本当に大丈夫なのかなぁ……？」
　雅人の胸にちょっと不安がよぎったけれど。
「にゃ～」
　目の前で、修に投げられた猫が楽しそうに滑っていった。
「……んん、でもなんだか楽しそうにしてる猫さんもいるし、優しく滑らせてあげるなら大丈夫かな……？」
　アホ毛を揺らしながらチーム名簿に名前を書き込む。
「けどカーリングってやった事ないんだよね……氷の上をゴシゴシやる、あれだよねぇ……？」
　そのくらいは知ってるけど、いまいち自信が持てない。
（一緒のチームの子に聞いてみようかな？　え～っと……）
「胡桃ちゃん……で良かったかな？　俺、カーリングってあんまり分からなくて……」
　胡桃に声をかけてみる。
「あ、君もルールわかんない感じ？　名前はえーと、ちどりんだっけ？　一緒に理事長センセに聞きに行こっか」
　元気に答える胡桃。
　いきなりちどりんと呼ばれて目をぱちくりした雅人だが、すぐに笑顔で答えた。
「うん、千鳥雅人、だよ！えへへ、素敵なあだ名、ありがと～！」
「やるからにはやっぱ勝ちたいし、ルール確認とかちゃんとしなきゃ」
　そう胡桃が言ったとき、桜栄あずさ理事長がやってきた。
「みんな、希望のおやつは書いたかしら？」
「試合中のおやつタイムなのです？　お煎餅食べたいです」
　と目を輝かせる美咲紀。
「おやつ……おまんじゅうを希望しようかな？」
　と夏朝。
「理事長センセ、質問質問！　別の道具とか使うのはアリ？　後、オヤツはとろけるプリンがいいな♪」
　胡桃は元気に尋ねる。
「とろけるプリン？　おいしそう～！」
　ののこも目をキラキラさせた。
「別の道具？　猫自体もともとの道具じゃないし、危なくないならいいんじゃない？　面白ければＯＫよ」
　理事長は鷹揚に答える。
「やったー！」
　胡桃は何か計画があるようだ。
「おやつの差し入れがあるなら、身体を温めるのにお汁粉でも貰おうかな」
　碧南も言う。
「お汁粉もいいな～！」
　ののこは迷っている。
「あおいは何がいい？　俺がお茶を淹れるよ」
　修が聞くと。
「ありがとう。えーと……おまんじゅうにしようかな」
　あおいも答えるのだった。

　希望の書かれたメモは体育委員が受け取り、買い出しに向かっていった。

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