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喧嘩、しちゃいました
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用事を携えて、
七峯 亨
は
哀坂 極夜
の家を訪れた。
「お茶でも淹れましょうか、亨」
「いや、それよりも……」
やんわりと微笑を零した極夜へと、亨は獰猛な笑みを返す。
黒々とした瞳は、底から鈍く光っていた。
「おや、険呑ですね」
「険呑ってこともねぇさ。ストレス解消に、ちょっと稽古を頼めねぇかと思ってな」
「稽古、ですか。その目を見れば、喧嘩の誘いだと言われた方がしっくりきますが」
極夜の言葉に、亨はくつと喉を鳴らす。
「そんな目をしてたか? しかし実際、喧嘩って程じゃない」
投げ技がちょいと苦手なのだと、亨は軽く肩を竦めた。
ふむ、と、口元に手を宛がう極夜。
「私も、組技、寝技、足技なら得意ですが、投げ技はそこまで得意ではありませんよ?」
「何、構わねぇよ」
「でしたら、お付き合いしましょう。場所は……実家の庭をお借りしましょうか」
「ああ、助かる」
亨の声を耳に、極夜は思う。
(亨のあの目。それに、私も投げ技は得手ではないと言っているのにそれで構わない、と)
そこに極夜は、《稽古》以上の意味が含まれているのではと察した。
それでも、極夜はそれ以上の追及はせず、亨を伴って実家へと向かう。
庭の真ん中で、2人は確かに向かい合った。
「先ずは、打ち合いと行くか」
「そうですね。少し身体を温めましょう」
身体を解しながら亨が言うのに、極夜も頷く。
「じゃ……始めるか」
最初に動いたのは、亨の方だった。
手始めに、とばかりに繰り出された拳は、軽い打ち合いのそれにしてはあまりに鋭い。
けれど極夜は、その一撃に怯む気配も見せなかった。
拳をいなし、迫り来る相手の顎へとすかさず叩き込むは、体勢を崩す為の掌底。
すんでのところで亨はその衝撃を受け流したが、
「隙だらけですよ」
次の瞬間には、腕を掴まれ、気付けば地面に叩きつけられていた。
どこまでも滑らかに亨を投げ飛ばしておいて、
「どうです? 参考になりそうですか?」
と、極夜は穏やかに問う。
自分の顔を覗き込む極夜の緑の眼差しを見上げ、亨は笑った。
「合気道か」
「ええ、投げ技の訓練とのことでしたし、体格差も考えて」
「で、本気は出しちゃいねぇ、と」
あくまでも稽古ですから、と極夜はにこりとしたが、本気を出さない理由はそれだけではない。
極夜には、過去、荒れていた時期がある。
本気を出せば、自ずとその時分のことを思い出してしまう。それが嫌だった。
「さて……どんどん行くか」
言って、身体をバネのようにした亨が機敏に身を起こす。
その勢いのままに、ぶんと回した肘を極夜へと迫らせて――、
「っ……!」
極夜がそれを際どく、けれど確実に避けた時には、亨の姿は煙のように消えていた。
頭の中で「縮」と念じれば発動する、亨のろっこん。
縮めた身に常以上の力を蓄えた亨の姿を、けれど極夜はすぐに見い出す。
途端に亨を圧し潰さんと迫る、足の裏。
それを、亨はぐいと受け止め、押し返してみせた。
ぐらり、極夜が重心を崩したのは、一瞬のこと。
すぐさま体勢を立て直し、極夜は、跳び上がった亨の身体を、己の脚で薙がんとする。
「おっとぉ!」
その脚の上を、亨は危なげなく足場とした。
またも跳ぶ亨を、極夜はしかと見留め、再びの掌底で打ち据えようと動く。
――ぱんっ!
ぐん、と弾き飛ばされて、気付けば亨は、元の大きさに戻って庭へと転がっていた。
口元を濡らす血を、ぐいと手の甲で拭う。
そうして――にっと、不敵に口の端を上げた。
「打ち合いにしちゃ激しいな。滾っちまうぜ」
「全く……亨がそうさせているのですよ。そろそろ本番、行きますか?」
「ああ、頼む」
応じて立ち上がるや、亨はすぐさま極夜へととびかかった。
振るった拳はいなされ、再び腕を取られたと思えば、天地が回る。
間違いなく受け身を取って――亨は青空の眩さを目に、腹の底でにやりとした。
(成る程、そう投げに繋ぐか。なら、次は……)
これでどうだ、と、亨は身を起こす勢いをも利用して空を裂くような低い蹴りを放つ。
瞬時にその反撃を悟った極夜が、一歩踏み込んだ。
亨の蹴りが極夜の脚に、極夜の拳が亨の腹に入る。
互いに全力ではないが、どちらの技にも鋭さと重みがある。痛み分けだ。
「っはは、勉強になるねぇ……とは言え、今のはそっちもきつかったんじゃねぇか?」
「流石です、とは言っておきましょう。見事なカウンターでした」
「まだまだ余裕か。だが、こっちも色々と学ばせてもらったからな。……それに」
亨は、極夜の目を真っ直ぐに見据えた。
力任せの技を正してコツを覚えたい、という他に、亨にはもう一つ目的がある。
(我ながら無茶振りだが、憂さ晴らしってやつだ。なかなか向き合うことがない分――)
目一杯付き合ってもらおうと、亨は胸中に呟く。
1人の女性を2人で愛し合う、言わば恋敵たる亨と極夜。
そういう関係だからこそ、亨は極夜に対し、明快ながら根の深い感情を抱いていた。
(恐らくは、極夜の方だって、きっと……)
自分だけが憂さ晴らしをするのは、フェアではない。
けれど、極夜は亨と違い、抱く感情を表には出し辛いだろう。だから亨は、
「そういや、結構女の姿になるが、よく似合ってるよな」
なんて、敢えて相手の腹を煮えさせるような軽口を放ってみせた。
ぴくり、極夜の表情が僅かに強張る。
「これ程嬉しくない賛辞は初めてですね」
「……俺にゃ、お前さんのように清く、綺麗に接する様が無ぇからよ」
――羨ましいし、届かねえのがもどかしいッ!
吠えて、亨は極夜に掴みかかると、その身体を投げ飛ばした。
己の身体が力んでしまっているのを感じ取って、眉を寄せる。
(――本当に不器用で、足りねぇ)
省みる、その一瞬が仇となった。
「……亨が、自分に無いものを私に見つけた。対して、私は亨を羨んだ事が無い……とでもお思いですか?」
その言葉の意味を問い返すことは、叶わない。
するりと身を起こした極夜が、目の前に迫っていた。
「私が与えられる幸福と亨が与えられる幸福は、それぞれ異なるもの」
また、腕を掴まれる。
その力が、強い。
「私では、笑顔にする事が出来ない事柄で、貴方は輝ける。だから……」
――共に至らない所補って、幸せにするのでは、無かったのですか?
極夜のかんばせにどこか悲しい色が乗るのを亨が見て取れたのは瞬きの間のこと。
次の瞬間には、亨は容赦の欠片もなしに背中から地面に叩きつけられ、
「ぐ……!」
反撃に出る隙すら与えられず、しかと寝技で固められていた。
「……投げ技からの寝技は鉄板です。追撃対策を考える、いい機会になったのでは?」
「……ああ、身体が覚えた」
熱くなった心身を、押し付けられた地面が冷やしていく。
限界だな、と認めざるを得なくなったところに、身体を拘束する力が緩み、声が降った。
「さて、慣れない事をして、疲れたでしょう? ……早速背中とか解してあげますよ」
色香の滲む声で極夜が零すと同時、亨の背に、するりと手が触れる。
滑らかに身体を這う手は、身体の火照りを溶かすように心地良い。
「サンキュー、極夜。お互い、強く在りた……ッ痛ァァ!」
「おや、思わず叫んでしまうほど気持ちがいいですか?」
「そう! じゃ! なくて!」
「ほら、逃げない逃げない」
囁く声は甘やかに耳をくすぐるも、マッサージという名の《逆襲》はどこまでもガチ。
「意外と根に持つなお前ー!!」
亨の叫び声を耳に、極夜はくすりと音を漏らしたが――その目は笑っていなかった、とか。
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あとがき
担当マスター:
巴めろ
ファンレターはマスターページから!
お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました!
喧嘩をすることで様々な想いが生まれたり吐露されたり、感情や関係の変化が生じたり。
それぞれの時間を、(毎回のことですが)丁寧に描き出せるよう心掛けましたので、
PC様方にとって皆様にとって、佳い喧嘩……というのもちょっとおかしな表現ですが、
心に残る思い出の1頁となっておりましたらとてもとても嬉しいです。
重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も、本当にありがとうございました!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月09日
参加申し込みの期限
2018年03月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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