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喧嘩、しちゃいました
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城山 水樹
と
ヒュー・ヒューバート
が出会ったのは、昨年のクリスマスイヴだ。
2人が付き合い始めてから、もう、半年近くになる。
喧嘩をしてしまったのは、3日前のことだった。
コスメブランドのイメージガールである水樹は、モデルとしての仕事の為に。
ヒューは、フォトグラファーとしての仕事の為に。
それぞれが、同日に東京へと向かうことになって、
『奇遇……っていうのは、少し違うかしら? でも、何だか嬉しい』
『僕もだよ。もしかして、向こうでも偶然会ったりしてね』
『それって素敵ね。でも、そんな奇跡が起こらなくても……』
『わかってるよ。待ち合わせて、一緒に帰ろう』
なんて、出発前は、電話越しに笑い合ったりしていた、それなのに――。
パシャリ、カメラのシャッター音が都内の公園に響く。
「水樹ちゃん、いい感じだね。よし、ちょっと休憩しようか」
その日の水樹の仕事は、パンフレットを飾る写真の撮影だった。
水樹は休憩時間を、春色の公園を軽く散策して過ごすことに決める。
見上げた空は、僅かの陰りもない青空だった。
(彼も今、この空の下にいるのね)
そう思うと、胸にも陽の光があたたかく射し込むようで。
足取りを弾ませていた水樹は、不意に、ぱた、とその足を止めた。
黒々とした美しい瞳が、ぱあと煌めく。
(ヒューだわ!)
公園の、水樹が撮影に当たっていたのとは逆側に、愛しい恋人の姿があった。
そういえば、詳しい撮影先までは聞いていなかったなと思い出す。
(まさか、同じ公園だったなんて)
本当に奇跡が起こった! と、水樹は少女のように胸を弾ませながら、ヒューに声をかけようとして――、
(……え?)
目の前の光景に、一瞬前までは輝くばかりだった笑顔を強張らせた。
「ヒューバートさん、次の撮影なんですけど……」
「うん? ああ、これは……」
何人かいる撮影スタッフのうちの一人、女性アシスタントとのごく何気ない会話。
水樹の元へと微かに風が運んだ会話の断片からも、仕事の話をしているのだともわかった。けれど。
(私のいないところで、他の女の人と、あんなに親しげに……)
その様子は、水樹の胸に黒い色を注ぎ込むのに十分なものだった。
アシスタントの女性が、華やかな、ぱっと目を引く美女だったのも良くなかったかもしれない。
その時、石になってしまったみたいに固まっている水樹に、ヒューが気付いた。
「あ、水樹――」
掛けられた声に、しかし水樹は応じることなく。
くるりと踵を返すと、そのまま仕事へと戻ってしまったのだった。
お互いの仕事が終わり、待ち合わせの時間を迎えても。
水樹の機嫌は、上向くということを知らなかった。
「ええっと……今日は暖かかったね、水樹」
「……」
「撮影はどうだった?」
「……」
帰りの電車の中でも水樹は始終そんな調子で無言を貫き、
(やっぱり、昼間のあれだよな……)
と、ヒューは、胸中だけにため息を零す。
ヒューからしてみれば、アシスタントと仕事の話をしただけだ。
嫉妬の炎が燃え上がった仕組みはヒューには理解できなかったが、
(あの時の、彼女と話していたところを見られたのがよくなかった、と)
という具合に、悋気が生まれた仕組みはわからずとも、今起こっている事象は明白だった。
(一体、どうすればいいんだろう……)
胸を覆うのは、困惑という名の鈍色の雲。
「……水樹。ねこでんのホームまで見送りに行くから」
その言葉にも、水樹は貝のように押し黙って、返事をしなかった。
重苦しい空気を乗せたまま、電車は鎌倉を目指して滑るように進む――。
ヒューの住まいは、木天蓼市内に位置している。
水樹とは、寝子島へと向かうねこでんのホームでお別れだ。
相変わらず水樹はだんまりを決め込んでいて――瞬間、温厚なヒューの中で何かが弾けた。
「……ねえ、水樹。いつまでそうやってむすっとしているつもり?」
掛けられた刺々しい声に、ぱっと顔を上げ、すぐさま反論する水樹。
「別に、むすっとなんてしてないわよ」
「してるよ。言いたいことがあるなら、ちゃんと言えばいいだろう?」
「は? 何よ、全部ヒューのせいじゃない!」
「僕のせい? 我儘も大概にしなよ。仕事の話もロクにできないんじゃ、こっちはいい迷惑だ!」
やってられないよ、と、ヒューが語気を強める。
激しい言い合いに周囲の注目が集まる中、水樹の乗る電車が、ホームへとやってきた。
「馬鹿! もう知らない!」
あの人と仲良くしたら! と捨て台詞を吐いて、水樹は電車へと乗り込む。
そして、扉は閉まった。
それから、3日が経った。
その日の仕事を終えて自宅へと戻ったヒューは、テーブルの上に置いたスマートフォンを、じぃと見つめる。
(……何で、あんなことを言ってしまったんだろう)
あの日、電車の扉が閉まってひとりきりになると、冷静さは、すぐにヒューの元へと帰ってきた。
募ってしまった苛立たしさを消す代わりに、重たい澱のような気まずさを引き連れて。
そうしてその鈍い重みは、3日を経てなお心にこびりついて離れないのだ。
あれからヒューは、水樹と一度も連絡を取れずにいる。
(だけど、今日こそは)
意を決して、スマートフォンを手に取るヒュー。
そうしてヒューは、水樹へと電話をかけた。
呼び出し音が響く。1回、2回、3回……。
水樹の形の良い唇を、深いため息が震わせる。
(馬鹿は、私の方よね……)
水樹もまた、電車の中で平静を取り戻していた。
子供っぽい嫉妬、大人げない態度、吐き捨てた言葉、柔和な彼の声を荒げさせたこと。
全てが情けなく、恥ずかしく、ただひたすらに気まずくて――連絡を取らないまま、3日が経ってしまった。
(何をどう切り出したらいいのかだって、わからないもの)
自室のベッドに悄然として横たわる時間は、実際に流れているそれよりも陰鬱な長さを水樹に感じさせる。
スマートフォンを手に取った回数は数知れない。
通話してみようとしたこともあった、NYAINをしようとしたこともあった。
けれどどの試みも、躊躇いが邪魔をして形にはならなかったのだ。
何度目になるかわからないため息を吐いた、その時。
「!!」
スマートフォンが、不意に音を零した。呼び出し音だ。
(ヒューからの電話だわ……)
それを確かめてなお、水樹はすぐに電話に出ることができなかった。
(やっぱり、気まずい。電話に出たとして、なんて言えばいいの?)
呼び出し音が鳴り響く。1回、2回、3回……。
水樹が覚悟を決めたのは、コールが20回目を数えた時だった。
「……はい」
『もしもし、水樹?』
スマートフォンの向こう側の声にも、どこか遠慮のようなものが覗いていた。
どう声を掛ければいいのか、探りかねているような。
『その……もう、出てくれないのかと思った。もう少しで、切ってしまうところだったよ』
待ってみて良かった、と紡ぐヒューの声は、ぎこちなさこそ帯びているものの優しい。
「……少し、考えてたの。電話に出たら、なんて言えばいいんだろう、って」
『僕も、なんて話し始めようか色々考えたよ。でも、君の声を聞いたら、ほっとして忘れてしまった』
向こう側で、ヒューが少し笑う。
その笑い声に手を引かれるようにして、水樹は「あの、ね」と言葉を切り出した。
「……この間は、ごめんなさい」
『僕こそ、ごめん。水樹……ごめんね』
溢れそうになる涙を堪えて、水樹は首を横に振る。
ヒューには見えないと、わかっているのに。
それでも、ヒューは水樹の心中を察したみたいに、
『ねえ、水樹。次の休み、重なってたよね?』
と、柔らかい声音で言った。
「……ええ」
『どこか、一緒に出かけよう。その、デートしようって意味だけど』
「そんなの……当たり前じゃない。大歓迎」
ヒューが、ふっと安堵の息を吐いたのが、微かに耳に届く。
水樹の方も、いつの間にか、口元に小さく笑みを乗せていた。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年03月09日
参加申し込みの期限
2018年03月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年03月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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