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- 00月00日生 00歳
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【星幽塔】第十階層 『字踊り』の謎を追え！
◾️１ 図書館では、お静かに
『本の迷宮』一階において。
「……というわけで、一階の探索をする方は私と一緒に、地下に行く方はスピカとともに行動してください」
そう説明したのは、迷宮の管理者である金髪の麗人・アストライアだ。
「字踊りによって、皆さんの身に危険が及ぶことはないと思いますが……念のため、注意だけはしておいてくださいね」
優雅な声音でアストライアが言うと、猫耳で猫尻尾の獣人の少女・スピカはうんうんと頷いて、それからさらに注意を促した。
「地下組は、迷わないように気をつけるにゃ！ 迷ったら最後、二度と出てこられないにゃ〜……！」
怪談話をするような調子で言うスピカを、アストライアが諌める。
「もう、大袈裟なんだから。そんなことないですよ。スピカとはぐれなければ大丈夫です」
「ってことは、はぐれたらまずいのかよ……」
冷静なツッコミが御剣 刀から漏れた。これから地下に行こうとする者としては、重大な問題だった。
しかし、アストライアはそんな空気をさらりと受け流し、優雅に宣言した。
「それでは、さっそくダンスパーティを始めましょうか。……『字踊り』だけに」
★
今回『字踊り』の調査にあたるのは、アストライアとスピカを除いて総勢十五人だ。
十五人は「一階を探索する組」と「地下書庫を探索する組」に分かれる。
彼らの動機は興味、好奇心、義憤、義務感など様々だが、おそらくは『本』に対して何らかの思い入れがあるという点で共通していそうだ。
「じゃあ、準備はいいかにゃ？」
地下への階段の前には、スピカを始めとする地下探索組が集っている。
計八人。なかなかの大所帯の中で、一人の少年が一歩前へ出た。
「ああ、万端だ。スピカは俺が護るから安心してくれ」
ボサボサ頭の少年・新田 亮は強い意思を宿した瞳で言った。
ルネ・ルージュ・ルルーもそれに続いた。
「護衛ならあたしもだ。『字踊り』の原因が何であろうと、スピカには傷ひとつつけさせない」
血のような赤い髪に、満月のような黄色い瞳——ほしびとのルネには、どこか超人的な存在感があった。
「たのもしい限りだにゃ。今回は『字踊り』の原因を突き止めて、必要ならそれを排除するのが目的だにゃ。ちょっと心当たりもあるから、『地下書庫』の最下層——地下五階に行こうと思うにゃ。……じゃあ、レッツゴー！ にゃ！」
「「おおーっ！」」
鬨の声が上がり、一行は地下へと潜って行った。
★
一階探索組の七人は、アストライアの周囲に集まっていた。
「では、こちらも始めましょうか」
「よろしくね、アストライア！」
最初にアストライアに声をかけたのはアリス・ミーティアだった。
腰まである、キラキラと光る水色のロングヘアーが眩しい。
「はい、こちらこそよろしくお願いします。わからないことがあれば、何でも訊いてください」
「あっ、じゃあ訊いていい？」
小柄な体を精一杯伸ばして挙手し、アリスが訊ねる。
「アストライアは踊りは得意？」
「踊り……ですか？」
アストライアは頭の上に『？』を浮かべた。
「うん、こーいうの！」
アリスはその場でクルクルと回転したり、ピョンピョン跳ねたりした。
型が存在しない、破天荒なダンスだった。
それを神妙な顔で見つめていたアストライアは、
「得意ではないですね。そもそも、そういった動きをあまりしないタイプというか……」
申し訳なさそうに言った。
「えー残念っ！ でも踊ると楽しいから、気が向いたら一緒に踊ろう？ 文字だって踊るんだし、私たちだって踊らなきゃ！」
「はい。考えておきます」
アリスは心底残念そうだったが、すぐに切り替えて周囲に目をやった。
その中で、一際存在感を放つ男性がグレッグ・グロッグだった。
188㎝の長身に、細マッチョの肉体。何より首筋に入った刺青がいかめしい。
グレッグは鋭い眼光をアストライアに向け、言う。
「早く始めようぜ。俺たちはそのために来たんだ」
アストライアは頷いた。
「そうですね、始めましょうか。館内図はこちらにありますが、時折、棚が勝手に動いたりするので、帰り道を確保しながら探索してくださいね。私はこのテーブルのあたりにいますので」
グレッグは「オーケーだ」とサムズアップし、踵を返して探索を開始した。
それを合図に、一行はそれぞれの興味のある方へと動きだした。
かくして、『字踊り』をめぐる冒険が、ひっそりと開幕した。
この幕開けは、ひっそりとしていなければならなかった。なぜなら、たいていの図書館には、こんな貼り紙があるはずだから。
——『図書館では、お静かに』
『本の迷宮』一階において。
「……というわけで、一階の探索をする方は私と一緒に、地下に行く方はスピカとともに行動してください」
そう説明したのは、迷宮の管理者である金髪の麗人・アストライアだ。
「字踊りによって、皆さんの身に危険が及ぶことはないと思いますが……念のため、注意だけはしておいてくださいね」
優雅な声音でアストライアが言うと、猫耳で猫尻尾の獣人の少女・スピカはうんうんと頷いて、それからさらに注意を促した。
「地下組は、迷わないように気をつけるにゃ！ 迷ったら最後、二度と出てこられないにゃ〜……！」
怪談話をするような調子で言うスピカを、アストライアが諌める。
「もう、大袈裟なんだから。そんなことないですよ。スピカとはぐれなければ大丈夫です」
「ってことは、はぐれたらまずいのかよ……」
冷静なツッコミが御剣 刀から漏れた。これから地下に行こうとする者としては、重大な問題だった。
しかし、アストライアはそんな空気をさらりと受け流し、優雅に宣言した。
「それでは、さっそくダンスパーティを始めましょうか。……『字踊り』だけに」
★
今回『字踊り』の調査にあたるのは、アストライアとスピカを除いて総勢十五人だ。
十五人は「一階を探索する組」と「地下書庫を探索する組」に分かれる。
彼らの動機は興味、好奇心、義憤、義務感など様々だが、おそらくは『本』に対して何らかの思い入れがあるという点で共通していそうだ。
「じゃあ、準備はいいかにゃ？」
地下への階段の前には、スピカを始めとする地下探索組が集っている。
計八人。なかなかの大所帯の中で、一人の少年が一歩前へ出た。
「ああ、万端だ。スピカは俺が護るから安心してくれ」
ボサボサ頭の少年・新田 亮は強い意思を宿した瞳で言った。
ルネ・ルージュ・ルルーもそれに続いた。
「護衛ならあたしもだ。『字踊り』の原因が何であろうと、スピカには傷ひとつつけさせない」
血のような赤い髪に、満月のような黄色い瞳——ほしびとのルネには、どこか超人的な存在感があった。
「たのもしい限りだにゃ。今回は『字踊り』の原因を突き止めて、必要ならそれを排除するのが目的だにゃ。ちょっと心当たりもあるから、『地下書庫』の最下層——地下五階に行こうと思うにゃ。……じゃあ、レッツゴー！ にゃ！」
「「おおーっ！」」
鬨の声が上がり、一行は地下へと潜って行った。
★
一階探索組の七人は、アストライアの周囲に集まっていた。
「では、こちらも始めましょうか」
「よろしくね、アストライア！」
最初にアストライアに声をかけたのはアリス・ミーティアだった。
腰まである、キラキラと光る水色のロングヘアーが眩しい。
「はい、こちらこそよろしくお願いします。わからないことがあれば、何でも訊いてください」
「あっ、じゃあ訊いていい？」
小柄な体を精一杯伸ばして挙手し、アリスが訊ねる。
「アストライアは踊りは得意？」
「踊り……ですか？」
アストライアは頭の上に『？』を浮かべた。
「うん、こーいうの！」
アリスはその場でクルクルと回転したり、ピョンピョン跳ねたりした。
型が存在しない、破天荒なダンスだった。
それを神妙な顔で見つめていたアストライアは、
「得意ではないですね。そもそも、そういった動きをあまりしないタイプというか……」
申し訳なさそうに言った。
「えー残念っ！ でも踊ると楽しいから、気が向いたら一緒に踊ろう？ 文字だって踊るんだし、私たちだって踊らなきゃ！」
「はい。考えておきます」
アリスは心底残念そうだったが、すぐに切り替えて周囲に目をやった。
その中で、一際存在感を放つ男性がグレッグ・グロッグだった。
188㎝の長身に、細マッチョの肉体。何より首筋に入った刺青がいかめしい。
グレッグは鋭い眼光をアストライアに向け、言う。
「早く始めようぜ。俺たちはそのために来たんだ」
アストライアは頷いた。
「そうですね、始めましょうか。館内図はこちらにありますが、時折、棚が勝手に動いたりするので、帰り道を確保しながら探索してくださいね。私はこのテーブルのあたりにいますので」
グレッグは「オーケーだ」とサムズアップし、踵を返して探索を開始した。
それを合図に、一行はそれぞれの興味のある方へと動きだした。
かくして、『字踊り』をめぐる冒険が、ひっそりと開幕した。
この幕開けは、ひっそりとしていなければならなかった。なぜなら、たいていの図書館には、こんな貼り紙があるはずだから。
——『図書館では、お静かに』
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2018年02月15日
- 参加申し込みの期限
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- 2018年02月22日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2018年02月22日 11時00分
