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夢?それとも幻? 空飛ぶ巨大なコイを追い払え!
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【先人の知恵】
鯉が上空へ逃げてから約2時間ほど経った頃。
全ての準備が終わったほぼ同じタイミングで、空飛ぶ巨大鯉は高度を下げ始めた。
「……小さくなってる」
その事実に真っ先に気がついたのは、偵察役を買って出た紫だった。
とあるビルの屋上から鯉の動向を伺っていた紫は、徐々にせまってくる鯉の大きさと視認できる距離に違和感を覚えた。
初めて見た時に比べれば、半分程度に縮まっている感じだ。
すぐにスマホを使って、皆に情報を伝える。
聞いた修は、小さく頷いた。
「これだけの量ではあの巨体には効きにくいかもと心配だったが、なんとかなりそうだな」
小さくなったとはいえ、まだ10メートルほどの巨体を有する鯉が迫り来る中、作戦が始まる。
囮役はタルト。ろっこんで得る身体能力を利用して、ルアーになってもらう。
左右が準備した足場や障害物を利用して、鯉を刺激するように声を上げて走り抜ける。
「ほらほら。鯉さん、こっちだよー!」
多少小さくなった鯉は、やや小回りが利くようになっていた。
急いで逃げるタルトの後を追い、物陰から足場作りでフォローするのは左右の役目。
「……つ、ついていくのが大変ですわー」
鯉の追撃はなかなか苛烈だ。
芸術科のタルトは、急激にアップした身体能力をうまく扱えるわけではない。
ところどころでバランスを崩したときにスピードが落ち、鯉が一気に間合いをつめてくる。
しかし、その度に何かが激突したように鯉の頭が大きくぶれて、勢いがそがれた。
その場で追跡をやめて身悶えする時すらある。
亮が硬球を投げて援護しているのだ。
小さくなった鯉には、先程よりもダメージが大きいらしい。
「亮くん、ありがと〜」
「お礼はいいから、気をつけろ!」
同じ身体強化タイプではあるが、発動条件が短時間な亮のろっこんでは誘導目的の囮役は不向きだ。
その代わり、視力まで強化されるし、武道の鍛錬によって精密な身体制御ができる。
遠距離からの正確無比な投球は、十分以上にタルトを支援していた。
誘導の指示は、修と紫が行う。
修が漕ぐ自転車で先回りし、紫がスマホでタルトに連絡していく。
「本当は自転車の二人乗りはいけないけれど、今回は大目に見てもらおう」
「響さん、次の交差点はそのまままっすぐ!」
全員の協力で誘導した先は、九夜山の麓。
できるだけ広く、人目も少ない場所。
そこに、この作戦のトリを飾る人物が待っていた。
「樹ちゃん、おまたせ〜。後はまかせたよ〜」
「任されました!」
鯉を引き連れたタルトに気合を入れて返事した樹は、ろっこんを使用する。
半径50m以内の物を瞬間移動できる『箱庭』を。
その時、鯉は再び口前に現れた「何か」をそのまま吸い込み、微妙な反応をした。
一瞬身を固め、その後まるで咳でもするように何かを吐き出そうとする。
「とにかく、なるべくたくさん吸い込ませるんだ!」
修の指示が飛ぶ。
ろっこんを使う樹だけでなく、亮も「あるもの」が入った袋を鯉の口やエラに向かって投げた。
ぶつかった袋は破け、液体が鯉の口やエラに染み込んでいく。
たまらず、また上空に逃れようとする鯉。
先程のガソリン攻撃の経験から鯉の行動を読んでいた樹は、進行方向を予測して、ありったけの「あるもの」を移動させる。
鯉は次々と降り掛かってくる袋を避けることができず、液体を浴びながら空に昇っていった。
また逃げられてしまった。
しかし、今度は誰も残念がっていない。
修が買い集め、皆で準備した『あるもの』が予想通りの効果を発揮すれば、鯉の次の行動は。
「……浮くか、沈むか。どちらかな?」
「沈む方みたいね」
修の独り言に紫が事実を伝えた。
力なく、鯉が降りてくる。
その様は静かに潜行するというより、溺れて力尽きたように見えた。
身を震わせながら地に伏し、皆の前に横たわる大きな錦鯉。
「まさか、山椒にこんな効果があるなんて知らなかったー」
目を瞬かせながら述べた樹の感想に、発案者の修が答える。
「山椒には麻痺成分があるんだ」
修が大量に買い集めてきたのは山椒。
吸収しやすいように水で溶かしたものを袋に分け入れて、あるだけ鯉に浴びせたのだ。
「今は法律で禁止されている『毒もみ』という漁法があってね。昔、山椒の皮の粉末を袋に入れて川や池の中でもみほぐして毒を流し、魚をとったそうだ」
「それなら山椒じゃなくても、もっと毒性の高いものでも良かったんじゃ?」
「化学的な毒は、もし失敗したら周囲の影響が強すぎる。自然に分解されるもので、手に入れやすく、魚に効く毒って考えたとき、とっさに山椒ぐらいしか思いつかなかったんだ」
「なるほど。でも山椒で魚が取れるのか……」
「樹。『今は法律で禁止されている』んだからな? 分かってるよな?」
「兄さんは何を心配してるの?」
牽制し合う兄妹に苦笑いしながら、修は更に小さくなった鯉を見た。
「この量で効果があるか今ひとつ自信がなかったが、小さくなってくれたことと、口内に火傷していたのが功を奏したかな」
「あ、ガソリン攻撃ですわね?」
手をうち答えた左右に頷く。
「そう。焼けただれた粘膜を通して吸収が早まったのかもしれない」
皆で鯉を囲む。
麻痺して動きが鈍くなっているとは言え、10メートル近い大きさは脅威だ。
しかし、時間経過で小さくなるというなら、もはやこれ以上は恐れる必要がない。
「さて。この鯉、どうしようかしら?」
年長者である紫が、当然の議題を口にする。
「これだけ大きければ、鯉こくがたくさん食べられるね! 小さくなる前に料理しちゃおうよ!」
嬉しそうにそう提案したのはタルトだ。
「ちょっと興味はありますけれど……」
「私は遠慮するわ」
好奇心旺盛だが動物好き故にややためらう左右に、完全に興味がない紫。
「私は戦うのが目的だったから、後はお任せします」
「俺もこの事件が無事に片付いたなら満足だ」
巨大な鯉と戦うという冒険に満足した樹と、事件解決だけを考えていた実直な亮は、静観を決め込むようだ。
最後の一人に期待を込めたタルトの視線を受け取った修は、困ったように笑って首を振った。
「確かに鯉こくは魅力的だけど、この鯉は観賞用の錦鯉だ。あまり美味しくないと思う」
「ええ〜! 鯉だし、同じじゃないの?」
「確かに味は同じだというね。でも、調理用に養殖した真鯉と比べると、見た目が良くなるように育てた観賞用の錦鯉はボソボソして美味しくないという話もある」
「そ、そうなの?」
「それにもともと錦鯉は眺めて楽しむために改良された魚だ。食べるよりも神社の池にでも放したほうがいいんじゃないか?」
この錦鯉が実在するのか、神魂の影響で生まれた幻なのかは分からない。
もしかしたら、このまま小さくなり続けて消えてしまうのかもしれない。
でも、観賞用に人の手によって改良された錦鯉の姿をしているというのなら、最後まで眺めるのがいいのではないか?
それがたとえ、人のエゴや欲から生じた存在意義だとしても。
「うう〜ん。美味しくないなら、食べるより逃してあげるほうがいいかなぁ」
「もちろん、これ以上暴れるようなら退治もやむなしだし、その時は食べてあげたほうがいいと思うけれど」
「じゃ、そういうことで!」
話はまとまった。
この場に集った6人は、鯉の行く末を静かに見守る。
少しずつ異様さを失っていく、神魂の影響をうけた一尾の結末を。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
6人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年12月14日
参加申し込みの期限
2017年12月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年12月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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