滝に打たれて　～日帰り体験ツアー～｜リアクション

滝に打たれて　～日帰り体験ツアー～

■筋肉開放！
「いやぁ、クセになりそうな痛さと冷たさだったね☆」
　武道が笑みを浮かべながら、係員より受けとったタオルで身体を拭き、気づく。
「……エ？ちょ……胸？腹筋？なにを……」
　己の身体をピタピタと触る武道。
「ナンダッテーー！！」
　元々引き締まっていた武道の身体。その身体の筋肉たちがムクムクと膨れ上がっている。
　係員から伊達眼鏡を受け取り、周りを見渡せば、周りもどう見ても筋肉ドーピングされていることに気づく。
　庚もまた驚きの表情を見せ
（……え、何だこれ……滝に打たれただけですげぇ筋肉量が増えたんだけどナニコレコワイ）
　滝に打たれていた際の身体の疼きがここに繋がっていたのか、と理解する庚。
　元々細マッチョ体型ではあったが、その筋肉は更に固さを増し。
　今なら矢が飛んできても跳ね返すんじゃね！？と思えるほどに密度の高い肉に覆われている。
（あいつ……大丈夫かな……）
　頭によぎるのは、大事な相棒のこと。

　そんな周りの変化を見回し、冷静に頷くのは修。勿論その身体はマッチョメンだ。
「これだけの変化がある……それが滝行！ ……な、わけないよな。うん」
　どー考えても神魂の作用だろうな、と思いつつもひとまず己の身体を拭く。
　しかし普段から身体を鍛えている修にとってこの変化は喜ばしいものであり。
　やれやれ、と思いつつもつい口角が上がってしまう。
「なるほど、神魂現象か」
　修の言葉に頷くのはサキリ。
　ガチムチになっている中性的美少年だが、これまで色んな変化に見舞われてきたこともあり慣れ感が堂に入っている。
「女体化は経験したことがあるけれどマッチョ化は初めてだな」
　女体化慣れしそうなお顔立ちですが、マッチョ化は……えぇ、今、相当なギャップが出ておりますよ……。

　ちなみに、本日一番の筋肉ダルマ（褒め言葉）になったのは、己のろっこんでの盛り上がり具合＋滝の影響を受けた竜司である。
　自分の筋肉になんじゃこりゃーー！！　と衝撃を受けるも強いパワーを手に入れた格闘系アニメの主人公の如く
「こ、これが俺…今ならこの筋肉で何でも出来る気がする！」
　サイドチェストやバック・ダブルバイセップスなどのポージングを取り、竜司は叫ぶ。
「筋肉革命起こしてみせるぜ！」
　決め台詞決まった。

　何より一番喜びとウキウキが止まらないのは亮だろう。
　結局、滝行修行は全員が１０分乗り切るというイーブンな結果となったわけだが、その勝負のことすら忘れてしまう程に、亮は己の身体の変化に感動を隠せなかった。
（凄い……）
　己の身体を手で触り、その質感を確かめる。今まで感じたことのない張りと弾力に笑みを堪えきれない。

　あ、ちなみに俊介さんも地味にマッチョ化してます。
「やぁ、更に筋肉のついた僕だよ」
　しかし、男性陣は皆、己の身体に夢中なのでした。