爆走！　ハチャメチャバイク猛レース｜リアクション

爆走！　ハチャメチャバイク猛レース

■第三のゾーン：地獄のストレート
　モヒカンたちの無法地帯を抜けた選手たちはついに最後のゾーン、地獄のストレートへと突入した。
　先頭を走るのはまさかのロードローラー。唱華のマシンだ。
　ロケット噴射で強引にジャンプしては、前に飛び出そうとした別の選手をスクラップアンドスクラップ。破壊し尽くすのみだ。
　唱華は暴風に袖をなびかせて、運転席でどっしりとハンドルを握りしめていた。
「このレースは速度ばかりが武器ではありませんわ。要は誰も前に出さなければよろしい」
『敵機接近。後方５メートル、接触します』
　ロードローラーの呼びかけを聞いてちらりと振り返る。いかなるマシンもこの重量の前には敵では無い……と思ったが。
「トーウ！」
　おっさんがマシンに飛びかかり、しがみついていた。
　その背には亮。ぱっと見信じて貰えないかもしれないが、亮のマシンである。
「このおっさんは無敵のおっさん。ダンプカーにはねられたって死なないぞ！」
　おっさんの背から這い出た亮は、マシンをよじ登るようにして操縦席までたどり着いた。
「無敵のマシンなら操縦者を狙えばいいとは……考えましたわね」
「けど、ここからどうするかは考えない。うおっと！？」
　ロケット噴射でジャンプするロードローラー。
　その勢いに振り落とされないようにしがみつく亮たち。
　その脇を、徹之進の雷鳴号が猛スピードで突っ走っていく。
　何でもありのギミック勝負でなにげにほぼ自力でやってきた徹之進と雷鳴号。
　彼らはロードローラーの前に躍り出ると、ギラリとした目で唱華を見た。
「このマシンより前に出るとは、その挑発……買いましたわ！」
　プレス攻撃。素早いステップで横に避ける雷鳴号。人馬一体となった彼らはバイクではとうてい出来ないサイドステップによって唱華のプレス攻撃をかわしているのだ。
「隙ありよっ、お先に！」
　その横を抜けていくみつびのネッシー号。
「最後のギミック発動。『女神のマーメイドキッス』！」
　みつびはマシンの首にチュッとくちづけをすると、うきゅーと叫んだネッシー号が首をうにょーんと長く前へ伸ばした。そこからの急加速。
「マシンの長さでゴールを狙う！」
「うわっ、ずるい！」
「そうは――」
「いくかよ――！」
　そんな団体を凄まじいスピードで抜いていくのが、蒼と亨のバイクである。
　ニトロエンジンによる暴力的なまでの加速にのっていく蒼。
　一方でマフラーに似せたロケットで急加速した亨のバイクが彼女に並ぶ。
「最後のストレートで加速を狙うのは、同じか」
「ここは一角獣ちゃんがいただきなのです！」
　一角獣の前ににんじんをぶら下げて加速を狙う美咲紀。
　体勢を整えラファールの全速力を引き出す修。
「にゃんこさん、フォームチェンジ！　ネコ科の真価を見せてあげて！」
　夏朝のにゃんこさんがジャンプしてチーターへと変身。サバンナでおなじみのスーパーダッシュを仕掛けた。
　無数の選手をはるか後方に残し、猛スピードでゴールへ突っ込む選手たち。
　その勝敗は――。

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