何でもありのハチャメチャバイクレースゲーム、『モーターライド2(ニャン)』。
その発売日、
七峯 亨はにんまりとしながらゲームコントローラーを握っていた。
「前作がやたら人気だっつーから買っちまった。お、リアルだな」
本物さながらの風景とマシン。そのうえプレイヤーのコスチュームは自由にカスタマイズでき、バイクも大型からスクーター、果ては隠しコンテンツの馬に至るまで選択できるというちょっぴりおバカでげらげら笑えるレースゲームだ。モチロン、ネット対戦も充実である。
「まずは俺好みに改造したいよな。どれどれ……」
「よしできた!」
見た目のクールさもさることながら、暴れ馬のようなパワーとスピードと扱いづらさを備えたスリリングな、亨そのものといったようなマシンだ。デザインは英国車風のクールなバイクに似せたつもりだ。
「早速ネット対戦とやらを初めて……お?」
ログイン作業中、亨の視界が白い光に包まれた。
一方そのころ。
コンビニ前でアイス食べてた
如月 庚は、ふと見たモーターライド2のポスターがやけにまぶしい……という所で記憶が途切れていた。
途切れていこうどうなったかというと。
「いきなりかよ!」
気づけばバイクに乗っていて、自分専用のピットコーナーへと滑り込むところだった。
が、不思議なことにバイクは自分の手足のごとく自由に動く。
まるで熟練のバイクレーサーのように、彼はピットインを果たした。
「どこだここは。やたらリアルな風景だが……ゲーム、だよな」
天空にはためくモーターライド2のゲームロゴ。右上のあたりに浮かんでいる様々なパラメーター表示。
それらが意味するところが、初見の彼にもなぜだか理解できた。
うまくは言えないが、情報が頭にピーンと書き込まれたのである。
ふと見れば、見知った奴も同じようにこの状況に置かれているらしく、レース前のカスタマイズに入っていた。
「なるほどな。リアルなレースゲームを楽しもうってわけか。他の連中のマシンはどんなもんか――あ゛!?」
馬に乗った男がいた。
っていうか侍がいた。
ゆっくりとこっちを見る侍。
「拙者、
三峰 徹之進と申す者。雷鳴号と共に星幽塔を歩くさなか、この世界に迷い込んだ次第でござる」
「……ど、どうもな」
どうもご丁寧に、と言いそびれて頭だけ下げる庚。
徹之進はうむと頷き、そしてはるか彼方を見つめた。
「本能で解るでござる。この勝負、挑むことに意味がある……と」
マシン(?)のカスタマイズを終えた出場者たち。
空に浮かぶシグナルとフラッグを構える女性スタッフを横目に、それぞれスタートラインについていた。
ゲームの世界で行なわれる、たった一度のリアルレース。
しかしてその結末やいかに。
開始の合図が、鳴り響く。
ごきげんよう、レーサーの皆さん。
皆さんはひょんなことからハチャメチャレースゲーム『モーターライド2』の世界に入ってしまいました。
不思議なことにマシンのカスタマイズも操作方法も、ハチャメチャギミックの知識もしっかり脳内にインプット済み。
そしてあなたの本能が、レースへ挑む心に火をつけるのです。
いざ、ハチャメチャレースの開幕でございます!
ルールは簡単。
三つのゾーンを踏破して、一番先にゴールした人の優勝です。
ではマシンについてご説明しましょう。
マシンとハチャメチャギミック
皆さんはオリジナルデザインのバイクを使ってレースに挑みます。
バイクのデザインは自由も自由。大型バイクからスクーターにカブ、馬でさえOKなフリーダム仕様です。
なぜこうもフリーダムなのかというと、勝敗を分ける要素がこの後に説明する『ハチャメチャギミック』にあるからなのです。
・ハチャメチャギミック
マシンには2つのびっくり機能をつけることができます。
例えばジェット噴射でライバルより早く走ったり、ミサイルを飛ばしてライバルやお邪魔キャラを攻撃したり、必ず滑るバナナをまき散らしたり。
プレイヤーとマシンは基本不死身なので、容赦なくどっかんどっかんしちゃいましょう。
※マシンに馬や巨大猫などの動物を指定した場合、動物の特殊能力として扱われます。
ろっこん能力は使用OK。
一方でレースに向かない能力の方や、ひとやほしびとの方にはハンディーキャップが用意されております。
能力が使用不能になるのと引き替えに『ハチャメチャギミック+1』の恩恵が受けられます。
元ある2つのびっくり機能に加え、新たに加えたもう1つの機能でろっこん使いと渡り合いましょう!
コースのご紹介
乗り越えるべき3つのゾーンをご紹介しましょう。
・第一のゾーン:連続ジャンプ台
沢山のジャンプ台が設置されたコースです。
派手に飛んで爽快なアクションを楽しむもよし、飛んだライバルを妨害するもよし。
最初のぶつかりゾーンとなっております。
・第二のゾーン:モヒカン地帯
モヒカンにトゲパッドをつけたお邪魔キャラたちが現われ、暴力的なマシンに乗ってプレイヤーを攻撃してきます。
正面から向かってくるバイクモヒカンや、併走してくるバイクモヒカン、はたまた横からジャンプして襲いかかるモヒカンまで現われます。たいへん!
奴らをはねのけ、かつライバルよりも早くゾーンを突破しましょう。
・第三のゾーン:地獄のストレート
レースの最後はやっぱり直線。
長くて大きな直線コースで、お互いの全てをぶつけ合いましょう。
早い奴が勝者だ! 生き残った奴が勝者だ!
レッツ、プレイゲーム!
・運転技術のないひとは?
この世界に入った段階で、皆さんはプロ並みのスーパードライブテクニックが使えます。
元々バイクに乗れない方や、運転が苦手な方でも大丈夫。なぜなら、ゲームの中なのですから!
・協力プレイはできる?
一つのマシンに二人で乗ることはできませんが、二台で協力してプレイするのは全然OKです。
けど、優勝者は一台きりですよ?
・禁止事項は?
『ひととしてダメなこと』『レースの続行ができなくなっちゃうこと』以外は大体なんでもOKです。
レースが終わればお友達。
楽しく愉快にゲームをプレイしましょう。
さあ、あなただけのマシンにまたがり、ハチャメチャなレースを始めましょう!