SAME & TREASURE｜リアクション

SAME & TREASURE

■ゲームオーバー
　後日談、というより夢の境目。
　サメの着ぐるみを脱いだ亮と豪は、お互いの健闘をたたえるようにがしりと握手を交わした。
「お前のパワー、すごかったぜ。噛みついてかっさらうなんてな」
「そっちの堅さにも助けられた。サメどうしの連係プレイができたのも、そのおかげだ」
　まるでダンスホールのような、広くてきらびやかな部屋。
　いつのまにか綺麗なスーツ姿になっていた二人は、ステージの幕が開くのを見た。

　開く幕。スポットライトに照らされたのは、修と莉鳥の二人だった。
　ゲームの生存者。そして勝利チームを示す演出である。
　ステージの下からせり上がってくるマイクに、何か言うべきかと思った莉鳥だが、こういう場面で喋るタチじゃあない。あなたに譲るわとばかりに修にマイクを寄せた。
　コホンと咳払いする修。
「今回はハンター側の勝利だった。けど、人と人が争う限り絶対はない。一つ違えば俺たちが負けていただろう。そして勝利の理由があるとすれば、チームメイトたちの活躍ゆえだ」
　ホールが明るく照らし出される。
　豪華なドレスに身を包んだ樹やさゆる、タキシード姿のあやめ。
　あやめは急にこんな格好にされてどぎまぎしていたようだが、樹に手を引かれてまごつきながらもステージへ上がった。
　自分は興味がないとばかりに背を向けようとしたさゆるを、豪と亮が両側から掴んでステージへ引っ張っていく。
　かくしてゲーム参加者の七人はステージへ上がった。
　見えない観客たちが喝采の拍手をあびせている。
　七人は手を掲げ、そして夢が覚めてゆくのを実感した。

　thank your playing game
　game over

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