NEKOJIMA Of TANKS　眠猫島夢大戦・陸戦編｜リアクション

NEKOJIMA Of TANKS　眠猫島夢大戦・陸戦編

■ゲーマーＡＯＩのゲーム日和
　仙藤蒼の話をしようではないか。
　彼女はネットでもわりかし有名なゲーマーで、アクションでもパズルでもシューティングでもなんならテキストアドベンチャーでもひたすらにやりこみ、時としてＲＴＡ研究までして遊ぶ根っからのゲーマーである。
　そんな彼女は今日も楽しくネットゲームで遊んでいた。
　タイトルは『NEKOJIMA Of TANKS』。ＷＷ２時代の戦車を乗り回して対戦する戦車バトルゲームで、被弾した際の装甲角度によるダメージ計算や坂道やぬかるみにおける重力計算が非常にリアルでアーミー趣味の人々からも評価が高い。
　蒼も例に漏れずノリノリで戦車乗りと化していたのだが、今日だけはちょっぴり妙だった。
　試合中のボイスチャットから妙な噂を聞いたのである。
「にゃんこー戦車？」
　なんでも、ランキング上位に食い込んだプレイヤーは新しく実装される架空兵器のベータテストに参加できるというのだ。なんでもまるっこいボディと猫耳型センサーを搭載したへんてこ兵器だという。
「えー、まるっこいボディが被弾に強いのはよしとしてさ、猫耳はないよね。ボディの低さを殺すようなものじゃない」
　蒼はリアルが売りのネコタンにそんなまさかと笑い飛ばしていた。
　……いたのだが。

「はわっ！？」
　ゲームパッドを握ったままうたた寝していた。試合中に寝落ちとか戦犯モノだぞと頬を叩いて右を見た。
　にゃんこが砲弾を込めていた。
　左を見た。
　にゃんこが通信機をいじっていた。
　下を見た。
　姉が運転レバーを握っていた。
「えっと……これは、どういう状況なのかしら」
「それはこっちのせりふだよ！」

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