【第６ゲーム】

【親猫決定ダイス！】６回目



親猫：獅子目 悠月
　三度降り立った、カラオケボックス『ＢＵＳＡＮＥＫＯ』の室内を、悠月をあらためて見回します。
　腐ってもカラオケ屋さんなもので、機材はあるのです。型落ちの少々古いやつではありますけれど、ちゃんと採点だってしてくれます。
　でも、歌えません。しつこいようですけれど、命令に絡まなければ何ひとつ自由にならないのが、猫様ゲーム！
「２度あることは３度ある……またしても歌えないのか。腹が立つな」
「言ってるだろー、しょせんはダンゴムシのくせに人前で歌おうっつーのがなー、１００年早いんだよなー。ダミ声聞かせる前に、お前たちにはやることがあるだろー？　そのヘドロ溜まりから、今こそ這い上がらないでどーすんだ！」
「歌えないし、こんな格好させられるし、借金は増えるし、相変わらずドチビはやかましい。まったく、腹が立つ」
　ぼろぼろメイドさんな悠月はソファに腰かけ、長い脚をすらーりと組み替えつつ、眉を寄せて苦い顔。
　けれどすぐにも、彼は思い直します。
「まぁいい……俺の番だな」
　すっくと立ちがった彼は、にやり。再びの女王様モードへと、シフトチェンジ！
　そう。このゲーム、彼にとっては、必ずしも悪いことばかりではないのです。
「これはこれで、いいストレスの解消になると分かったからな。さあ、子猫ども……せいぜい楽しませてもらおうか？」

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親猫：獅子目 悠月の命令

『片方を姫抱きしながら片足スクワットしろ』

悠月（破れメイド服）「ふっ。お前たちの苦悶する様が目に浮かぶな」



【マッチングダイス！】６回目

子猫Ａ：倉前 七瀬「僕、体育は苦手ですけん、上手くできるかわかりませんが。命令ならやってみましょうかー」
子猫Ｂ：新田 亮「こ、これはキツそうだな……！　でも、頑張ってみるよ（ふん、この程度か。楽勝だな、クククっ）」



　ダークモードな亮は内心、ほくそ笑みます。
　なぜなら彼には、身体能力を強化するろっこんがありました。
「体力系命令か。格闘技をやってるから、やれないことは無いと思うが……（ま、さっさと終わらせるか）」
「ふん。しかし、俺がこんな格好をしているというのに、お前たちがそのままの服装ではつまらんな」
「えっ（えっ）」
　腕組みして超然と見下ろす悠月が、ふとそんなことを言いました。
「おいドチビ。何か適当な衣装を用意しろ。こいつらの顔が恥辱に歪むような、際どいやつをな……くっくっ」
「コスプレですか？　よかですよー、何を着たら良いんでしょう？」
　不穏な流れに亮はちょっぴり目を剥くも、七瀬はあっけらかんとマイペース。
　彼らの前では、当然のようにミニスカな各種コスチュームを手にニヤニヤと笑う、ヨエコさんがいるのでした……今回の猫様ゲームはどうやら、コスプレ強化期間な模様です。



【猫様ダイス！】11

○どんな衣装？

１：ミニスカ婦警服
２：ミニスカ軍服
３：ミニスカ巫女服
４：やっぱりミニスカメイド服
５：やっぱりミニスカナース
６：やっぱりマイクロビキニ

七瀬：３　亮：４



七瀬（ミニスカ巫女服）「うーん、下半身だけやけにスースーしますねー」
亮（ミニスカメイド服）「く、倉前。お前、良くそんな平然としていられるな……すごいな（恥ずかしくない。俺は恥ずかしくないぞ……！）」
悠月（破れメイド服）「くくっ、いい恰好だな！　ではそのまま命令をこなしてもらおうか？　せいぜい恥ずかしがって、俺を楽しませてくれ」



【猫様ダイス！】12

○片足スクワット、何回できた？

※子猫Ａは体育苦手補正で回数マイナス
※子猫Ｂは格闘技経験補正で回数プラス

１：子猫Ａが子猫Ｂをお姫様抱っこしながら０回
２：子猫Ｂが子猫Ａをお姫様抱っこしながら２０回
３：子猫Ａが子猫Ｂをお姫様抱っこしながら１０回
４：子猫Ｂが子猫Ａをお姫様抱っこしながら３０回
５：子猫Ａが子猫Ｂをお姫様抱っこしながら４０回
６：子猫Ｂが子猫Ａをお姫様抱っこしながら６０回



「ふんっ、ぬおおおお」
「お、おお！？」
　比較的小柄な亮との体格の差も、有利に働いたのかもしれません。七瀬、大健闘！
　ただでさえキツい片足スクワットを、亮をがっしとお姫様抱っこしながら、１回、２回、３回と着実にこなしていきます。
「や、やるじゃないか倉前！（おお。子猫が苦しむ様を間近に見るのもまた、オツなもんだな。ククッ）」
「ぬぐぐぐぐ、ふおおおおおお」
　腹黒モードなミニスカメイド亮は内心ニヤリとしつつ、七瀬はミニスカ巫女服の裾をひらひらさせながら、がしがしとスクワットスクワット！　片足スクワット！



七瀬（ミニスカ巫女服）「はぁ、はぁ、ぜぃ、はぁ。よ、４０回……限界、ですー……はぁ、はぁ、いやー、ぜぃ、や、やればできる、はぁ、もんですねー」
亮（ミニスカメイド服）「ああ、よく頑張ったな倉前！　これで無事、命令は完了でき……」
ヨエコ「おおおーい！　何を勝手に終わらせようとしてるんだー？　甘い！！　甘すぎるぞー、こーれだからブサイクはー、危機感がなさすぎるっつーんだよなー」
亮（ミニスカメイド服）「えっ（えっ）」

悠月（破れメイド服）「誰が片方だけやればいいと言った？　それは不公平だろう……選手交代だッ！！　特に、お前は格闘技をやっているんだったな。どこまでやれるか、ふふん、見せてもらおうか……！」



【猫様ダイス！】13

○片足スクワット、選手交代

１：子猫Ｂが子猫Ａをお姫様抱っこしながら３０回
２：子猫Ｂが子猫Ａをお姫様抱っこしながら５０回
３：子猫Ｂが子猫Ａをお姫様抱っこしながら８０回
４：子猫Ｂが子猫Ａをお姫様抱っこしながら１００回
５：子猫Ｂが子猫Ａをお姫様抱っこしながらろっこんブーストで３００回
６：子猫Ｂが子猫Ａをお姫様抱っこしながらろっこん進化能力マシマシで６００回



七瀬（ミニスカ巫女服）「あのー、大丈夫ですか？　あんまり無理せんほうよかですよ？」
亮（ミニスカメイド服）「ぬぅおおおおおおーーーッ！！」
悠月（破れメイド服）「ふふふ、いいぞ！　そのみっともなく必死になる様ときたら、何とも滑稽だな！　ふははははっ」

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倉前 七瀬と新田 亮は、
獅子目 悠月の命令『片方をお姫様抱っこしながら片足スクワット』
を達成しました。


七瀬（ミニスカ巫女服）「あのー、ところでこの服は、いつまで着ていたらいいんで……えっずっと？　終わるまで？　はぁ、そうですか」
亮（ミニスカメイド服）「はぁはぁはぁはぁ……キ、キツい命令だった、な……肉体的にも精神的にも（ふん、まぁ今は良い気分にさせておいてやるか。次に笑うのは俺だけどな、クックッ）」