【第１０ゲーム】

親猫：鎌八 まもる
「イヤーッ、大参事だったな甘味闇鍋は！」
　あっはっは、とそれでもまもるは快活に笑います。ビキニ姿のまま。スポーツマンで、細身に見えて筋肉質な肉体美がまぶしいです。
　目にも鼻にも突き刺さるような、でろでろの甘味臭がまだ部屋の中にはこれでもかと漂っているもので、ヨエコさんなどは部屋のすみっこに避難したまま、ちっこい身体をめいっぱいに伸ばして抗議。
「あっまあああい！！　くっそー、命令だからって何してもいいとでも思ってんのかー？　脳みその代わりにプリンでも入ってんじゃないのかお前たちはー、やらされるほうの気持ちってのを少しでも考えたことあんのかー？　この人でなしどもがー！」
「さぁて、オレが最後の親猫だな！　張り切っていくＺッ」
　まったくもって自業自得、説得力皆無なヨエコさんを華麗にスルーしつつ、ビキニまもるが本日のトリを務めます。
「そろそろ外に出て、深呼吸でもしたいところだろ？　オレの命令は、これだっ！」

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親猫：鎌八 まもるの命令

『オークレイ牧場で○万円使い切るまで帰れまセン』

まもる（ビキニ）「楽しんでいこうぜ！（凸）」



【マッチングダイス！】９回目

子猫Ａ：倉前 七瀬（ミニスカ巫女服）「散財系命令、というやつですかー。お金はあんまりもっとらんのですが」
子猫Ｂ：新田 亮（ミニスカメイド服）「これまたきついな……なるべくお手柔らかに頼む（ちっ。実害が出るタイプの命令かよ、面倒だな）」



まもる（ビキニ）「オレのバイト先の牧場の宣伝も兼ねてな（笑）　もう少し暖かくなれば客足も増えるんだが、やっぱり売り上げは落ちるわけよ」
七瀬（ミニスカ巫女服）「そこで僕らの出番、というわけですか」
亮（ミニスカメイド服）「まぁ、この立ち込める甘味闇鍋の匂いから脱出できるのはありがたいな……いくら使わされるのかを想像すると、ちょっと恐ろしいが」
まもる（ビキニ）「いやいや本当はさ、最初はいわれなき昆虫苦手弾圧に抵抗して、『クモを素手で撫でろ！』的な命令も考えたんだぜ？　それに比べりゃラクなもんだろー。残念ながらクモは生理的に受け付けないってヤツも多そうだし、何よりクモのほうがなでられるのはまっぴらゴメンだとさ（爆）」
亮（ミニスカメイド服）「ありがとう！！（ありがとう！！）」　←むしきらい



…………移動中…………


ヨエコ「うおーっ、空気がうまい！　ハイソなあたしにピッタリな雰囲気だなー、青空の下で優雅に乗馬をたしなむ美少女あたし！　絵になるってもんだよなー」
まもる（ビキニ）「ここはオリジナルのアイスクリームが自慢なんだぜー、さすがにちと寒いが。ほかの乳製品もおすすめだ、イートインもあるぜ！　ほかにも、ふれあい動物コーナー、搾乳体験に乗馬体験、カウボーイ体験コーナーに、蹄鉄投げゲーム、射撃ゲーム、ピッグレースなどなど、楽しいゲームコーナーだってある。さっ、牧場を楽しんでくれ！」
ヨエコ「ん？　それだけかー？」
まもる（ビキニ）「あとたくさんお金使って来て☆」



【猫様ダイス！】22

○いくら使わないと帰れまセン？

１：１万円
２：２万円
３：３万円
４：４万円
５：５万円
６：１６５０万円（倍数判定なしで確定）

１：×１０
２：×２０
３：×３０
４：×４０
５：×５０
６：×１００



「１２０まんえん、使うとですか？　それは遊び甲斐がありますね～」
「その金は俺たちの自腹なんだけどな……仕方がない、やるか。お互い頑張ろう（ふん。そっちにできるだけ多く払わせてやるぜ）」
　澄み渡る青空。ゆったり、のんびりとたたずむ牛たちに、元気いっぱい駆け回る馬たち。ふわふわ毛玉のような、羊たちも！
　素晴らしい牧場体験を前に、七瀬も亮も、どこかわくわくと心弾んでいるように見えました。
　まぁどっちも、ミニスカ巫女にミニスカメイドのコスプレでしたけれど。
「とにかく、楽しんでいってくれ。ちなみにゲームは、クリアするとカウボーイスタイルのうさぎのぬいぐるみがもらえるぞ！」
　とのたまうまもるからして、まばゆいビキニ姿です。
　いきなりの女装男子３名襲来、うちひとりはココでバイトしてる男の子だなんて、牧場関係者及びスタッフの皆々さまの当惑といったらもう、想像に難くないというものです。お騒がせしてごめんなさい！
　七瀬はコスプレ用巫女服の短いスカートの裾をフリフリさせつつ、
「さて、何からやってみましょうか～。色々あって目移りするとです」
「そうだな。何か食べるのもいいし、乗馬体験も、ゲームも楽しそうだな（なるべく出費が少ないヤツを選ぶべきか……）」
　腹黒モードな亮もメイド服ヒラヒラ、さっそく牧場体験開始！



【猫様ダイス！】23

○牧場体験（価格は猫様ゲーム仕様）

１：アイスクリーム　１個１万円
２：小動物ふれあいコーナー　１回２万円
３：搾乳体験　１回５万円
４：蹄鉄投げゲーム　１回１０万円
５：射撃ゲーム　１回３０万円
６：乗馬体験　１回５０万円

七瀬：２　亮：４



七瀬（ミニスカ巫女服）「はい、２万円。おおっ、犬猫うさぎに、ミニブタに子ヤギに……どれもかわいかですねー！」
まもる（ビキニ）「だろー？　愛情たっぷりに育ててるからな☆　存分に触れ合っていってくれよなー」
亮（ミニスカメイド服）「蹄鉄投げゲームか。俺はこれをやってみるか（投げるのには自信があるしな）」
まもる（ビキニ）「高得点を取って、ぜひぬいぐるみゲットしてくれよな☆」



【猫様ダイス！】24

○何回遊んだ？

１：お試し１回
２：とりあえず２回くらい
３：３回くらいかな
４：ハマってきたかも、５回
５：がっつり１０回

６：やめられない止まらない

七瀬：６　亮：２



　垂直に立てた30cm程度の棒目がけて、亮は手にした蹄鉄を、しゅば！　しゅばば！
「おっ、うまくいったぞ！（ふん、楽勝だぜ）」
　ボールコントロールには定評アリな彼は、がちゃり、がちゃんと蹄鉄を棒に引っ掛け、お見事な腕前を披露！　ミニスカもふわりと翻って、完璧！（？）
「おーやるじゃーん！　２回でクリアしちまうとはなー。そら、景品のぬいぐるみだ！」
　まもるが手渡したのは、オークレイ牧場さんの各種ゲームで高得点を修めるとゲットできる、可愛らしいカウボーイなうさぎさん。
　プリティなぬいぐるみを抱いたミニスカメイドさんな亮は、
「あ、ああ。ありがとう……可愛いな、うん（い、いらねえ～～～！！）」
　大変に微妙な顔で口元をヒクつかせました。
　一方、七瀬はと言いますと、
「ああ～。癒されますねぇ～……」
　体験コーナーの地面に寝っ転がって、犬猫ウサギミニブタ子ヤギ、リスにモルモット、鶏ひよこにアヒルさん……おびただしい数の小動物に囲まれて、あったかモフモフ状態をすっかり堪能中。
「ああ～。これはきもちよかですよ～。もうずーっとこうしてたいですね～、ああ～たまらんとです～」
「……これでなー。股間が見えそうなミニスカ巫女服じゃなきゃ、もうちょっといい景色だったかもしれんけどなー。いやー、この世の掃き溜めって感じのひどい光景だなー」
　自分で着せといて何言ってるんでしょうかこの人は。
　ともかく、ビキニなまもるとぬいぐるみを抱っこしたミニスカメイド亮、ちょっとげんなりヨエコさんが見守る中で、
「あああ～。うさぎさん～、僕と一緒にお昼寝しますか～？」
　ミニスカ巫女さん七瀬は、すやすや。小動物パラダイスを、実に１００万円分満喫したのでした！

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倉前 七瀬と新田 亮は、
鎌八 まもるの命令『オークレイ牧場で○万円使い切るまで帰れまセン』
を達成しました。


七瀬（ミニスカ巫女服）「ｚｚｚ……」
亮（ミニスカメイド服）「……！？　ちょ、ちょっと待ってくれ。これ、あいつが起きないと延々料金が加算されてくんじゃ……？」
まもる（ビキニ）「大正解でアメリカ横断ツアーにご紹介ってね（嘘）」