ねこじまクラフト　MOD：MORE-EVERYDAYS｜リアクション

ねこじまクラフト　MOD：MORE-EVERYDAYS

■あつまれネコクラぐらし
　集会場は食堂を兼ねた大きな建築物である。
　元は木造の掘っ立て小屋だった場所に様々な建材や装飾技術をつぎ込んで立派に仕上げたひろーい建物で、十人以上近く座れる大きな机が三つ並び、パーティション一枚隔てた先にはキッチンエリアが設けられている。
　ここはみんな共同で使っているが、管理しているのはもっぱら仙藤紫だった。
　前回のネコクラ一週間生活でも、終盤でご飯の管理をしていた彼女である。
　仙藤紫。よわい１８歳にして既にお母さんの貫禄を備えていた。
「けど、前回はかまどと井戸水だけだから大変だったのよね。電化製品が使えるのは本当にありがたいわ」
　と言って、制作にかかったのはジェネレーター関係。要するに水や風や太陽光でエネルギーをおこす機械である。もしものために火力発電機も用意したが、平時には手放し運転できるくらいでないと電化製品の強みは活かせない。
　設置するにあたって集会場の景観を崩さないようにしたかったので、屋根の上から赤煉瓦による大きな風車塔を立ててシンボル化し、屋根に段々に並ぶように太陽光発電パネルを設置していった。
　設置にあたっての高所作業は修の仕事だ。
　一緒になって機械を製作していた彼が、屋根の上から周囲を見下ろしている。
「これだけエネルギーが得られれば充分だろう。キッチンの備え付けに回ってくれ」
　屋根の上から呼びかけられ、紫は頷いてキッチンへと入っていった。
　畑用の水路も大事だが、料理用の水道管もちゃんと整備したい。
　流し台に蛇口をつけて使えるようにした後は、エネルギーケーブルを感電しないように壁の内側に埋め込みつつ電子レンジや炊飯器に繋いでいく。
「わお、キッチンがすっごく便利そうになってるのです！」
　食材を籠にかかえてやってきた美咲紀がキッチンの変わりように目をぱちくりした。
　同じくキッチンを覗き込んだ陽毬がふわーと声を出す。
　設置を終えたところで紫が振り返った。
「持ってきた食材はなあに？　試しに使ってみたいんだけど」
「えっと、ビーフにチキンにキャベツににんじん……あと卵もですね」
「こっちはお米沢山！　炊けるかな！」
「炊飯器の出番ね」
　早速炊飯器にお米と水を入れてなんやかんやすると、炊きたてのお米ができあがる。
　日本人の身体になじんだあの香りに、陽毬はうっとりと目を瞑った。
「やっぱりお米は日本のソウルフードだよね」
「あと豆もですね。お味噌作りましょっか」
「ごはんとおみそしる！」
　わーいとはしゃぐ美咲紀と陽毬。
　紫は彼女たちの手伝いを受けながら、夕飯の支度にとりかかった。

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