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寝子島高校
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長い睫毛を伏せ、小生意気な瞳に影が色濃く映り込む。身体は芯まで冷え切り唇も色を欠いているというのに、瞳ばかりがシトリンの如く輝いていた。
「くそっ……」
(……思ったように歌えない)
獅子目 悠月
は指先が白くなるほど強く拳を握りしめ、重々しいため息をついた。たったそれだけのことで体温が奪われ、余計に寒さが骨身にしみる。けれど身体を温める気にはなれず、ただ苛立ちが募るばかりだった。
ふと窓の外を見ればすっかり辺りは暗闇に閉ざされ、人の気配も感じられなかった。
(……少し場所を変えてみるか)
帰宅する気にもなれず、悠月は重たい足取りで校内を見て回ることにした。
気の合う友人とユニットを組んで音楽活動に打ち込めるのは、高校三年間――仮の自由を与えられている今だけであると悠月は自覚していた。
その為に常に焦燥感に追われている。だが、ここ最近になってようやく自分なりの自由と歌を見つけて、まわりに目を向ける余裕が生まれてきた。
けれどまだ『少し』だ。もっと自由になるために、悠月は常に己の内とも外とも戦っている。
校舎を出て外へ出てみると悠月は講堂の扉が開いているのに気が付いた。細い隙間は黒いばかりで明かりも付いていない。けれど人の姿も見当たらない。
悠月は躊躇いながらも講堂の扉に手を掛けた。扉が軋み、悲鳴めいた甲高い音が誰もいない講堂に響いた。本当にそこには誰もいなかった。
屋外とはまた違う空気の詰めたらに身震いしつつ、悠月は講堂の奥、ステージへとゆっくりと近づいていく。
暗いばかりで月明かりは差し込んでいない。それでも悠月にはステージだけが妙に眩しく見えてならない。たとえもしそこが火の海であっても、彼は自ら飛び込む虫であるだろう。
舞台中央に上がり、ゆっくりと講堂を見渡す。暗さも冷たい空気は上も下も変わらない。
それでも身体の深いところまで空気を吸い込んでから、悠月は歌い始めた。
「……足りない」
歌うのをやめて、ふと浮かぶのは常に側にある焦燥感。ノイズを振り払おうと、力一杯首を振る。高い位置で纏められた真紅の髪が乱れ、揺れた。
「この程度ではダメだ……もっと強く」
貪欲に更なる自由を求め、悠月は全身を震わせて歌を響かせる。それは騎士が戦いに挑むような、誓いの歌。身体中に力を込めて。全身をバネにして。声を槍にして。天を突き破れ。
一曲歌い終える頃には声が研ぎ澄まされて、一握りの手応えを感じていた。
「……この調子でいけば」
高めた緊張を解かないまま悠月は頷く。
そのときになってようやく、辺りを漂う光の存在に気が付いた。
「え……吹き込むほどの雪でも降って……?」
ハッとして扉の方を見遣るが、扉はしっかりと閉ざされ一筋の風も通さない。
「じゃあなんで」
悠月が疑問を声に出すと、自ずと答えが舞い込んできた。
「いや……これは声が雪になっているのか」
新たに生まれた雪は、愛想よく旋回した。
音の視覚化という不思議な現象に、悠月は刹那の間言葉を失うが、すぐにここは寝子島だったことに思い至った。
美しい光景にしばし歌うのを忘れ、見入ってしまう。中でも目を引くのは、天井を突き破らんばかりに鋭く尖った巨大な針状の結晶だ。もう遠く彼方まで飛んでいってしまったが、それでも悠月の掌よりは大きい。美しい凶器だった。
「……ああ、そうか」
悠月の口角からすぅっと力が抜けていく。肩の強張りも、背筋の緊張も、高めて練り上げた気持ちをゆるやかに解いていった。
「俺、違うところに力が入っていたんだな……」
目を伏せ、悠月は改めて脳裏に曲の世界を描き出した。
(この曲で向き合うべきは相手の音だ。求めるべきはそれに敵う力強さだ)
相棒の音にぶつかって負けないように。絡み合い高め合い高みを目指せるように。
(余計なものは、この歌にはいらない)
全身から一度力を抜くと、喉の奥が広がる感覚がわかる。
堅く閉ざされた瞼が割れて、黄水晶の瞳が輝いた。生まれたての雪を追いながら、靭やかに歌声が伸びていった。
(……寒いのにアツい)
悠月はそのまま静かに不思議な感覚に身を委ねる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月07日
参加申し込みの期限
2016年11月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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