this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
音色『 』色
1
2
3
4
5
…
11
つぎへ >>
寝子島高校の屋上へと続く階段に、軽い靴音が反響する。2月も下旬で春も近いというのに、曇り空のためかいつにも増して、ひと気のない階段は幽々と冷え込んでいた。どこからともなく入り込んだ風がグラウンドや教室の笑い声を聞き流しながら、
青山 絢
は唇を引き結んで、仄白い階段をひとつ、またひとつと上った。
(――もし運動部に入っていれば)
そう思いかけて、絢は首を振る。着替えの度に大勢の人間と汗臭いロッカールームでごった煮になるのはご免だ。
こんなありえない妄想をしてしまうのも、ひと気のない寒い階段を上る羽目になったのも、もとはといえば絢が所属する演劇部の練習が休みだからだ。時間を持て余し、だからといってすぐに帰宅する気にもなれず、絢は屋上へ向かうことにした。こんな冷え込んだ日だ、どうせ屋上には誰もいまい。時間をつぶすには、あるいは気が向いたときに練習するにはちょうどいいように思えた。
長い階段を上り終え、屋上の扉に手を掛ける。キィと軋む音と共に、わずかに開いた隙間から外気が一気に流れ込んだ。絢がブルリと肌を震わせて目を瞑ると、細く尖った風に乗ってかすかな歌声が聞こえてきた。風に散ってしまいそうなほど細く繊細だというのに、けっしてブレることのないふらつくことのない一本心の通った不思議な声。ハッとして絢は耳を澄ますが、次の瞬間にはその声は跡形もなく消えてしまった。
誰か人がいるのだろうか。恐る恐る扉から顔を出し、辺りを見渡す。そのままゆっくりと屋上へ出るが、やはりどこにも人影は見当たらなかった。
合唱部か何かの声が運ばれてきたのだろう。特に不審に思うこともなく、絢はフェンスへと足を向ける。そのまま何の気なしにグラウンドや街を見下ろし、細く白い息を吐いた。
しばらくしてから絢は鞄から新品然とした台本を取り出し、パラパラと頁をめくった。適当に開いた頁にある自分の割り振られた役の科白を見つけると、息を吐いてからゆっくりと読み上げた。
『不思議だわ』
ほんのりと色付いた唇からぽつり、と科白がこぼれ落ちる。
『そう、おかしいわ。胸の奥に、あの人の言葉が刻まれているのだから……』
それを皮切りに熱に浮かされたように、絢の口から科白が次々と溢れ出した。最初はわずかな恥じらいを持ち合わせていたが、誰にも見られていない屋外という不思議な開放感が、絢を掻き立てる。いつも伏目がちな黒瞳も今は大きく見開かれ、薄曇りの空ではない物語の世界を写し込んだ。
『ああ、きっと彼だったのよ!』
つるんと滑らかな白磁の頬を紅潮させ、絢は歓喜の声を上げた。
刹那、刺すような寒風が地上から吹き込んだ。一気に現実に引き戻された絢は、曇り空を見上げ白い息を吐く。視界の端では親指ほどの大きさの雪の結晶がひとつ、吐息にまかれふわりと舞った。突如現れた結晶に、一驚を喫する。くっきりと形がわかるような雪の結晶を見たのは初めてだった。しばらくのあいだ、絢は唖然として空をふわふわと漂う雪を見つめていたが――不意に小さなくしゃみが飛び出した。その拍子に、またフッと雪の結晶が現れた。今度のものも形がハッキリと認識できる大きさをしているが、先ほどと違って今度は針状の毛玉のような形をしている。
絢は思案してからおもむろに口を開いた。
『馬鹿な考えだわ、これは虚しい夢なのよ』
吐いた科白に合わせ、涙が六つ張り付いたような扇形の結晶が唇を撫で、空へと躍り出た。
(間違いない)
不思議な雪の仕組みを理解した絢は次々と科白を口にし、数多の大振りな雪を生み出した。その雪は黒く柔らかい髪を飾り、豊かな睫毛に戯れ、白い柔肌を弄ぶ。淡赤に染まった指先で触れれば、結晶は爪の上でビジューのように輝いた。
興に乗り、ようやく絢の顔に笑みらしいものが浮かんだところで、また鋭い風が吹き付ける。あまりの勢いに絢が目を細めると、どこからか本物の雪のように小さな結晶がいくつもどこからか運ばれてきた。
ハッとして絢が振り返る。そこには気まずそうに俯く
白浜 渚
の姿があった。
1
2
3
4
5
…
11
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
音色『 』色
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月07日
参加申し込みの期限
2016年11月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!