大怪獣襲来！～マンボウくん危機一髪～｜リアクション

大怪獣襲来！～マンボウくん危機一髪～

「うん、……これは、解決したんじゃないか？」
　俺たちがトドメを刺すまでもなく。亨は、巨大化したからだが元に戻るのを感じながら咲に笑いかけた。咲は小さくなった、もとい、元の姿に戻った亨を両手ですくい上げ、己の肩に乗せる。亨は彼女の肩の上から見える景色と彼女の身体に、くつくつと喉を鳴らした。
「癖になりそうな眺めと感触に、こんな荒唐無稽も悪くない。なぁ、咲？」
　元に戻るまで、少しだけこの姿で散歩でも、と咲は亨を乗せて街を歩く。
「まあ、偶にならこんなのも悪くないかもね？」

「んんんん～～～！」
　懸命にマンボウくんを支えて、海の方へ押しやる3人。早く。
　早くしないと巨大化が終わってしまう――！
「きゅーうぅぅ……」
　ざぶん！
　皆の奮闘の甲斐あって、やっとこさマンボウくんは海へ戻って行ったのであった。
　ヒレをぱたぱたさせて、皆に礼でも言うように鳴くマンボウくん。大きく手を振る面々。気付けば、全員無事元の世界に戻っていたそうな……。

「……で、巨大化原因と目的は何だったんだ？」
　鴻はいつものようにトラックの運転席に座っていた。
「きゅうきゅうしか言わねぇから、聞いてもわからねぇし……鳴いてばかりの迷子の猫……もといマンボウかよ」
　くすくす、と傍らで瑠樹が笑った。
「でも、怪我とかしてなくてよかったよねぇ」
　そうだな、と鴻は頷く。
「九夜山のほうに向かってたが……あいつ、元は海出身じゃなかったのか？」
「着ぐるみかゆるキャラ的に気になる物でもあったのかなぁ……」
　しーっ、着ぐるみとか言っちゃダメ！　中の人とかいないから！
「仕方ねぇ……出演・出張予定情報がないか調べるか」
　路肩にトラックをとめて、ハザードを点灯させると鴻はマンボウくんの出演場所をスマホで調べ始める。
「あっ、あれマンボウくんじゃない？」
　前方に見えた青い影。
「おーい、マンボウくん」
「きゅう？」
「迷ってるなら送っていくぞ」
　次の出演場所の情報を画面に表示させて、鴻は苦笑するのだった。

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あとがき

担当マスター：寿ゆかり
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　マンボウくんの混乱を解き、興奮を鎮め、海へおかえり！！　っていうリアクションになりましたね。
　皆さんの戦い方次第では巨大マンボウくんはぶっ倒れたり山に登ったりも有り得たので
　とても平和なラストになったなぁと思います。どうもありがとうございました！
　ちなみに、元の世界のマンボウくんはちゃんと元気にやってますよ！　よかったよかった！

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