大怪獣襲来！～マンボウくん危機一髪～｜リアクション

大怪獣襲来！～マンボウくん危機一髪～

「待ってええぇぇえ！」
　ぴたり、と足を止める。
　その声の主は、瑠樹だった。
「マンボウくん、おちついてー！」
　発動する瑠樹のろっこん。なにやらほわほわとしたオーラがあたりを包み込む。
　うーん。和み。
「何で大きくなっちゃったかマンボウくんにもわからないかもだけど、元の大きさに戻るまで一旦海に帰ろうよぉ」
「うきゅううううう」
　力ない声でぶっ倒れたままのマンボウくんが答える。攻撃を受けて弱体化した体、和みの力でほよほよと和んだ心。既にマンボウくんに暴れる意志はなさそうだ。
「海は広くて大きいから、大きい身体でも受け入れてくれるよぉ！」
「きゅう～」
　再度ふらーりと立ち上がろうとするマンボウくん。
「がんばれー！」
「よしっ、もう一息だ！」
　巨大化した修がぐいっと引き起こす。

「きゅうう～」
　しかし、マンボウくんは随分疲弊しきっているようで自分の力では上手く動けそうにない。どうする。タイムアップまで時間もあまり残されていない。ぼんっ、と修の身体が元に戻ってしまった。
「うおおおおおお！　倒れるなぁぁっ……！」
　デュワッと叫んで鴻がマンボウくんに体を添え木のように寄せる。同じく、瑠樹もデュワッと声を上げた。
「マンボウくん、だいじょうぶ……大丈夫だよ！」
　やさしくマンボウくんを抱きしめ、撫でてやるとマンボウくんはすっかり安心しきったように表情を和らげる。
「デュワッ！！！」
　アリサも巨大化し、3人がかりでマンボウくんをぐいぐいと海の方へ押しやる。
「海へ帰ろう！　マンボウくん！」
「街を壊させるわけにはいかないからっ」
　必死の呼びかけ。マンボウくんは抵抗するでもなく、自らの居場所は海であったのだと悟るかのようにその足を海へと向ける――！　ずるり、ずるりと足を引きずりながらの移動。皆が誘導、補助をしてくれるおかげで、なんとかマンボウくんは海へとたどり着くことが出来た。

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