ある日の部室の困りごと｜リアクション

ある日の部室の困りごと

☆新聞部

　新聞部部長の八神修は、部室棟２階の休みの日の新聞部部室に掃除に訪れた。
　新聞部の活動は多岐に渡る。
　通常の新聞の他に、謎ネタはＭＮＲ（寝子島ミステリーレポート）で別途不定期発行する。
　その他、全国総合文化祭など様々な行事もあったりするのだ。
（活発な部なので、日々の色々が部室に溜まるな）
　文書等は種別に分けまとめ、紙ゴミは片面と両面に分類していく。
　掃除は修の日課だ。自宅でも、自室だけは使用人にも任せず日々片付けている。
　片面はコピー機（Ａ４裏紙とラベル貼ったカセット）にセットする。
（美しく整理されたさまは心に潤いを齎すのだ）
　もちろん個人情報が書かれたものはシュレッダーにかける。
「誰だ、漫画を持ってきたのは」
　苦笑しながら、資料本は本棚に並べる。
「閉じておかないと湿気ちゃうぞ」
　残った菓子はきちんと袋の口を閉じ、食器棚に入れる。
　机の上の整理を終えると、家具やパソコンはハタキで上から叩き専用液で拭く。
　ここまでくれば後もう少し。
　換気のため窓を開け、掃き掃除を始めた修だが。

　ガタン。バタン。
「……なんだ？！」
　窓から、白い何かが飛び込んできた。続けてもう一つの影。
　机の上を飛び越え、本棚の上へ飛び上がり……せっかく整理した本が落ちてきた。
「こらこら。仕方ないなあ」
「ニャー」「にゃー」
　本を拾い元に戻しながら見れば、白とぶちの猫が二匹。毛並みはあちこち汚れていて、床に足跡もついている。
　掃除したばかりだが、動物が好きな修は追い出すことはできない。
「拭いてやるからこっちへおいで」
　暖房をつけ、拭き掃除用に用意したぬるま湯で雑巾を絞って汚れを拭いてやる。
「ご飯をやろうか」
　常備の猫ササミやカリカリを取り出して皿にあげると、二匹は首を突っ込んで食べしばしおとなしくなる。
　その間に床を拭き掃除を終えて、修はようやく一息ついた。
　落ち着いた猫達を肩や膝に乗せ撫でる。
　机の上にタオルを敷いてやると、二匹の猫はゆっくりとその上に寝そべって目を閉じた。
　そのまま眠ってしまったようだ。
　修はそっとカメラを取り出し写真を撮る。
　ほっこりした時間が流れていく……