白熱エアガンバトル in ショッピングモール｜リアクション

白熱エアガンバトル in ショッピングモール

●バトルフェイズ・Ｃ
　決着の時は近づいている。
　スポーツショップの棚に身を潜め、修はライフルを単射モードに切り替えた。
　棚から手袋だけを放り出す――と、手袋が正確に打ち抜かれた。
　ナタリアがきっちり狙っている証拠だ。
　かといって逆側から出ればまもるたちが待ち構えている筈。
　棚の間に足止めされてしまった。しかしこのままでは敵は近づいてくるばかり。
「初心者がここまでやるようになるとは、ね……」
　修はどことなく嬉しそうな、しかし好戦的にも見える顔で笑った。
　まもるたちがせめてくるであろうエリアにわざと飛び出し、まず連射。
　狙撃銃を咄嗟に撃ったまもるだが、弾道は大きく上へそれた。
　驚いたときの射撃は大きく上下にブレる。身体が逃げようとするからだ。
　その隙に弾を浴びせ、即座にフラッグ前へ後退。
　ナタリアからは死角になった――と思った矢先にナタリアが棚の影から飛び出してきた。
　熟練者相手には本気と言うことか。
　修は咄嗟に小銃を翳して防御。
　ナタリアの射撃は銃身に当たり、衝撃で銃が飛んでいく。
　が、修はフラッグ前にわざと放置していたショットガンを手に取り発砲。
　ナタリアは仰向けに吹き飛び、後ろの棚へと激突した。
　勝利した、とはまだ言えない。
　なぜなら。
「絶対にあきらめないぜ！」
　豪が猛烈なダッシュをかけ、フラッグへと飛びかかってきたのだ。
　修はショットガンを握って振り向き――！

　一方で鏡は猛烈な突撃を見せていた。
　碧南が乗り移ったかのような連射をかけながら湊を牽制。
　対する湊もなんとか撃たれまいと物陰に身を潜めながら射撃を加えるが、鏡とフラッグの距離は縮まるばかりだ。
「最後に頼れるのは自分自身か……勝たせて貰うよ、この勝負」
　亨たちに習って、というわけではないが。
　湊は思い切って鏡へと身を乗り出した。
　ライフルを構えて連射。
　同じく鏡も突撃しながら連射。
　二人の弾は交差し――！

　試合終了のブザーが鳴り響く。
　湊は全身を塗料だらけにして膝を突き、深く息をついた。
　一方で修は、自分との撃ち合いよりもフラッグの奪取を優先した豪に苦笑し、ぱたんとその場に仰向けになった。
　豪は、フラッグを握って倒れていた。
　たった一秒違えば、勝敗は違っていただろう。
　なるほど。これだから……。
「サバゲーは好きだ」　
　『勝利チーム、白組！』

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