進撃スイーツ　ーValentine war ー｜リアクション

進撃スイーツ　ーValentine war ー

＊　＊　＊

　――こうして、一同は現実世界へと戻る事が出来た。

　ぎりぎりではあるが、無事にフィギュアを倒せた事には全員が安堵していた。だが……。
「そんなにチョコがほしいなら、俺がやるよ。友チョコだが」
「あほっ、男からのチョコなんて嬉しないねんて。お前んとこのお手伝いさん（勿論女性）からのチョコよこせや！」
　爽やかスマイルで言い放つ修に対し、清一郎は血の涙を流さんばかりに地面をたたいた。
　その傍らでは執がぶったおれていた。ろっこんによって呼び出された沼田さんが消えた今、何故かめちゃくちゃ疲れてしまったのである。
（沼田さん、どうなったのかな）
　フィギュアが倒れた先にいると思ったが既に居なかった。どうやって帰ったかは不明だが既にそこにいなかった。ただ、ものすっごく（同じ体制をとっていた上、瓦礫とか飛んできたものが当たったりしていて）全身が痛む。執は、よろよろと立ち上がって「疲れたなぁ」と壁にもたれるのだった。

　その一方、フィギュアが壊れた事でショックではないか……と心配していた夏朝は、膝をついて俯いたままの清にどう声をかけようか、様子を見ながら考えていたが清がいきなり立ち上がる。
「形ある物はいつか壊れてしまいます。なら、また作ればいいんです！　ののこさん、またキュートなチョコフィギュア作りますよー！」
「こ、懲りてないっ？！」
　夏朝が思わず突っ込む。その矢先、時子はほわっ、とした笑顔でこんなことを言ってみる。
「尚輝先生の形をしたチョコ、欲しいかもしれません」
「メイ先生のだったら作りたいな。女の子の柔らかなボディーラインがチョコレートの艶を引き立たせるから……っ！」
　その言葉が残念に思う時子と、発言に対し突っ込みたい気分になった夏朝をはじめとする女性陣。
「チョコ置いてけやあああああっ！」
　微妙な空気の中、清一郎の叫びが妙にシュールなのであった。

　ちなみに。ぼろぼろの状態だった沼田さんだが、３日ほどゆっくり休んだら完全に回復し家族から嬉し泣きされた……らしい。そして、執の疲れも３日ぐらいで回復したのだった。
　あと、清一郎が女の子からチョコレートをもらえたのか否かは、……不明である。

（終）

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あとがき

担当マスター：菊華伴
ファンレターはマスターページから！

菊華です。
進撃スイーツ、いかがでしたか？

今回は「巨大なチョコレート製フィギュア」が町にやってきた、という……。
普通のバレンタインとは一味ちがうたのしさがあったのではないでしょうか？

……あると、いいなぁ……。

ともかく、楽しんでいただけたら幸いです。

それでは、菊華でした。
また縁がありましたらよろしくお願いします。

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