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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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天界よりの試練 ――花咲く風のコズエル――
【コズエル討滅戦】勝利時フリーイラスト
結：その戦いで得たものは
コズエルの背中に、再び純白の翼が生える。天から光の筋が延び、彼女は虚空へと舞い上がる。
（そんな……！ デイジーカッターが渾身の一撃を決めたのに……？）
刀が歯を食いしばってコズエルを見上げる。コズエルは荘厳さを滲ませた真剣な表情で両手を広げ、同時に様々な色の蝶が飛び立った。
眠りの緑、怒りの紅、冷たき蒼、惑わしの黄色……そして、死の黒。視界を覆うような蝶の群れは、挑む全ての者の心へと突き刺さる。
だが、様々な表情で見上げる挑戦者たちの眼差しは、揺らがない。それどころか、蝶の幻影に触れても痛みすらない。
『この試練に耐えるとは……。まさか、光の……？』
コズエルの、驚きを滲ませた声。それを聞いた挑戦者達のなかで、璃音は僅かに口元を緩める。
「やっぱり、サキリの一撃がチェックメイトだったわけだね」
その言葉どおり、コズエルはあの一撃で全てのＨＰを失っていた。故に力を手に入れた挑戦者達は、蝶の群れからなる攻撃を耐え切ったのである。
『わかりました。
あなたがたに、神器を授けましょう。
生ある者は、何れ失う。
力を得た者がどう生きるのか。……天界より見守らせて頂きます』
コズエルは力強く羽ばたくと、花と羽を散らし、眩い光の中へと消えていった。しばらくの間、皆無言だったが……じわり、じわりと勝利した実感が、全員の胸に沸き起こった。
「……よっしゃああっ！」
刀が叫び、天才が嬉しそうに笑う。だが、そこでがしゃん、と派手な音が。原因はねむるで、疲れからその場に倒れこんだようだ。
「しんど～、これは痩せますわぁ」
「しっかりしろ、日暮……ってこれ、本当に重いんだな……」
修が肩を揺さぶろうとして、その重量に気づいた。まじまじと鎧を見て「俺は着る事が出来るだろうか……」と考え込むあたり彼らしい。気を取り直して全体回復魔法をかければ、ねむるは漸く起き上がる。
「大体『極天使』倒すとなかなかいいアイテムをゲットできるんだよね～」
楽しみだなぁ、と天才が呟けば真白が早速何か見つけたようだ。
「これって拳闘士用の防具じゃん！ しかも激レアの～！」
「へぇ……、歌楽士専用の衣装もあるのな」
出現した宝箱を覗き込み、真白と楓が興味深そうに中身を確認。他のメンバーもそれを見、其々ジョブにあったアイテムをゲットできたようだ。
「リタイアした人はどうなるのかな……」
碧南が不安げにそう問えば、「大丈夫」と翼が答える。
「たしか、戦闘に参加した全てのキャラクターに何かしらのアイテムが配布されるよ。さすがにお金や経験値の方は差が出るけど」
刀が解説すれば、初心者メンバーは感心したように頷いた。
コズエル戦に生き残った面々はしばらくの間興奮冷めやらぬ様子で思い思いに話していた。だが、そろそろお開きとなったところで……漸く着ぐるみさんに目がいった。
「で、……結局、お前だれだ？」
と、刀が声をかけると……、
「私だ」（どやっ）
旅鴉 月詠は胸を張って言い放つ。
「「やっぱりお前かよっ！！」」
璃音と刀の突っ込みが綺麗に決まったところで、オチがついた……かもしれない。
なにはともあれ、途中でリタイア者がでたものの、１９人はコズエルを討滅することに成功したのだった。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
ＨＰが尽き、一足先に現実世界へと戻っていたエスカルゴ・臼井は、寒さの中で目覚めた。
（結局、みんなどうなったのかな……）
気になっていたエスカルゴだが、パソコンのモニターを見た途端目を丸くする。今まで共に戦っていたメンバーが、コズエル戦勝利と浮かんだ映像の中で喜びを分かち合っているのだ。
「よかった……」
自分のやった事は無駄ではなかった、と少し嬉しくなるエスカルゴ。しばらくにやにやとモニター画面を見ていたのだが……ふと、アカリらしき治癒士と目が合った、気がした。
その頃、サキリ・デイジーカッターもまた刃物の手入れ道具を手にした状態で我に返った。けだるさは抜けないが、なぜかものすごく気分は爽快である。命がけの戦いを繰り広げ、なんだか魂が満足したような気がした。
「あれで、コズエルが落ちていなかったら……と思うとちょっと怖いな」
そんな事を考えながら片付けていると……自分の携帯端末に一通のメールが届いていた。その内容を不思議に思いながら読むサキリであったが、やがてうれしそうに微笑む。
そして……。
「満・足・ですぅ～☆」
ものすごくいい顔で嘉月兔 ネヴィアが自室で果てていた。
灯 斗南は、気がついたとき額に濡れたタオルがおかれていた。誰がやってくれたのかはわからないし、自分がやった記憶もない。ただ、仲間と戦った記憶だけが、色濃く脳裏に残っていた。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
コズエル戦が終結し、屋敷野 梢は自室で我に帰った。
（ううむ、やけにリアルでしたね……）
梢の脳裏には、コズエルとして行動したときの事がありありと残っている。彼女はあくびを１つすると、痛む体を揉み解しつつ、くすっ、と笑った。
（私は、コズエルとして挑戦者達と戦ったんですね）
敗れてしまったものの、とても楽しかった。梢はいい経験になったな、と小さく笑って自室を後にするのだった。
コズエルの背中に、再び純白の翼が生える。天から光の筋が延び、彼女は虚空へと舞い上がる。
（そんな……！ デイジーカッターが渾身の一撃を決めたのに……？）
刀が歯を食いしばってコズエルを見上げる。コズエルは荘厳さを滲ませた真剣な表情で両手を広げ、同時に様々な色の蝶が飛び立った。
眠りの緑、怒りの紅、冷たき蒼、惑わしの黄色……そして、死の黒。視界を覆うような蝶の群れは、挑む全ての者の心へと突き刺さる。
だが、様々な表情で見上げる挑戦者たちの眼差しは、揺らがない。それどころか、蝶の幻影に触れても痛みすらない。
『この試練に耐えるとは……。まさか、光の……？』
コズエルの、驚きを滲ませた声。それを聞いた挑戦者達のなかで、璃音は僅かに口元を緩める。
「やっぱり、サキリの一撃がチェックメイトだったわけだね」
その言葉どおり、コズエルはあの一撃で全てのＨＰを失っていた。故に力を手に入れた挑戦者達は、蝶の群れからなる攻撃を耐え切ったのである。
『わかりました。
あなたがたに、神器を授けましょう。
生ある者は、何れ失う。
力を得た者がどう生きるのか。……天界より見守らせて頂きます』
コズエルは力強く羽ばたくと、花と羽を散らし、眩い光の中へと消えていった。しばらくの間、皆無言だったが……じわり、じわりと勝利した実感が、全員の胸に沸き起こった。
「……よっしゃああっ！」
刀が叫び、天才が嬉しそうに笑う。だが、そこでがしゃん、と派手な音が。原因はねむるで、疲れからその場に倒れこんだようだ。
「しんど～、これは痩せますわぁ」
「しっかりしろ、日暮……ってこれ、本当に重いんだな……」
修が肩を揺さぶろうとして、その重量に気づいた。まじまじと鎧を見て「俺は着る事が出来るだろうか……」と考え込むあたり彼らしい。気を取り直して全体回復魔法をかければ、ねむるは漸く起き上がる。
「大体『極天使』倒すとなかなかいいアイテムをゲットできるんだよね～」
楽しみだなぁ、と天才が呟けば真白が早速何か見つけたようだ。
「これって拳闘士用の防具じゃん！ しかも激レアの～！」
「へぇ……、歌楽士専用の衣装もあるのな」
出現した宝箱を覗き込み、真白と楓が興味深そうに中身を確認。他のメンバーもそれを見、其々ジョブにあったアイテムをゲットできたようだ。
「リタイアした人はどうなるのかな……」
碧南が不安げにそう問えば、「大丈夫」と翼が答える。
「たしか、戦闘に参加した全てのキャラクターに何かしらのアイテムが配布されるよ。さすがにお金や経験値の方は差が出るけど」
刀が解説すれば、初心者メンバーは感心したように頷いた。
コズエル戦に生き残った面々はしばらくの間興奮冷めやらぬ様子で思い思いに話していた。だが、そろそろお開きとなったところで……漸く着ぐるみさんに目がいった。
「で、……結局、お前だれだ？」
と、刀が声をかけると……、
「私だ」（どやっ）
旅鴉 月詠は胸を張って言い放つ。
「「やっぱりお前かよっ！！」」
璃音と刀の突っ込みが綺麗に決まったところで、オチがついた……かもしれない。
なにはともあれ、途中でリタイア者がでたものの、１９人はコズエルを討滅することに成功したのだった。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
ＨＰが尽き、一足先に現実世界へと戻っていたエスカルゴ・臼井は、寒さの中で目覚めた。
（結局、みんなどうなったのかな……）
気になっていたエスカルゴだが、パソコンのモニターを見た途端目を丸くする。今まで共に戦っていたメンバーが、コズエル戦勝利と浮かんだ映像の中で喜びを分かち合っているのだ。
「よかった……」
自分のやった事は無駄ではなかった、と少し嬉しくなるエスカルゴ。しばらくにやにやとモニター画面を見ていたのだが……ふと、アカリらしき治癒士と目が合った、気がした。
その頃、サキリ・デイジーカッターもまた刃物の手入れ道具を手にした状態で我に返った。けだるさは抜けないが、なぜかものすごく気分は爽快である。命がけの戦いを繰り広げ、なんだか魂が満足したような気がした。
「あれで、コズエルが落ちていなかったら……と思うとちょっと怖いな」
そんな事を考えながら片付けていると……自分の携帯端末に一通のメールが届いていた。その内容を不思議に思いながら読むサキリであったが、やがてうれしそうに微笑む。
そして……。
「満・足・ですぅ～☆」
ものすごくいい顔で嘉月兔 ネヴィアが自室で果てていた。
灯 斗南は、気がついたとき額に濡れたタオルがおかれていた。誰がやってくれたのかはわからないし、自分がやった記憶もない。ただ、仲間と戦った記憶だけが、色濃く脳裏に残っていた。
＊ ＊ ＊ ＊ ＊
コズエル戦が終結し、屋敷野 梢は自室で我に帰った。
（ううむ、やけにリアルでしたね……）
梢の脳裏には、コズエルとして行動したときの事がありありと残っている。彼女はあくびを１つすると、痛む体を揉み解しつつ、くすっ、と笑った。
（私は、コズエルとして挑戦者達と戦ったんですね）
敗れてしまったものの、とても楽しかった。梢はいい経験になったな、と小さく笑って自室を後にするのだった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2016年07月01日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年07月08日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2016年07月08日 11時00分
