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荒らされた図書館
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●
地下で探索が続いている間に、地上でも片づけが始まっていた。
「596ア、596イ……しかし満遍なく荒らされたものじゃのう」
大田原 いいな
は本を整理していた。
片付けているのは、日本十進分類表の五番の棚……つまり、家庭科系の本である。
その一山を選んだのはもちろん偶然であって、美味しそうな本がありそうだからなどという理由ではない……はずだ。たぶん。
片づけを手伝っているのも暇だったからで、お菓子に釣られたなどということは断じてない。
たぶん。
「はかどってるじゃん、大田原さん」
ぽんと肩を叩いてきたのは、同じ普通科1組に所属する
宮田 厚
だ。
「う、うむ……」
まるで男友達に対するかのような気安い態度に、いいなは一瞬困惑する。
ベリーショートに刈り込んだ髪に、学生服を着ているとはいえ、まさか間違えられていることはなかろうが。
「五十音順ではなく、この背表紙のらべるに書いてある番号を元に片づけるとよいらしい。同じ番号同士を固めて、その後にらべるのアイウエオ順に並べ直すらしいのじゃ……と、網岳女史が宣っておったぞ」
「受け売りかよ」
気を取り直して胸を張るいいなに、厚が突っ込みを入れた。
「どーだ、儂の記憶力は素晴らしいじゃろ? わーっはっはっはっ……」
いいなが笑っていたときのことであった。
「危ないっ」
くだんの網岳女史の声が聞こえた。
なにごとかと振り向くいいな。
突然、彼女が片付けていた棚の本が崩れ、小柄ないいなを下敷きにする。
「……Zzz」
下敷きになったのは1人だけではない。崩した張本人である、ミステリー研究会の水月もだ。
恐るべきことに、水月は本につぶされてなお寝息を立てていた。居眠り運転ならぬ居眠り歩きが、この事故の原因であったらしい。
「ちょっと! 大丈夫ですか?」
網岳が駆け寄ってきた。
下敷きになった2人を救出すべく、本を除けて積み上げていく。
そして、厚が彼らを引っ張り出した。
「紙ってけっこう重いんですから、気をつけてくださいね」
そんな言葉をかけられながら、なお水月は夢うつつのままである。
黒い髪をツインテールにした少女が網岳に話しかけたのは、ちょうどそのときだった。
「そちらの2人にケガはないようだな。私の質問に答えてもらいたいのだが、かまわないだろうか?」
双葉 仄
は水月のそばにかがみこむ網岳をまっすぐに見下ろす。
無事を確かめてから話しかけるあたり悪い子ではないようだが、この状況で割り込むのは傍若無人ではある。
「ええと……なんでしょう?」
「もし地下の見取り図があるようなら貸していただきたい。それと、荒らし方のひどかったジャンルと、そうでないジャンルがわかれば教えてもらえないだろうか?」
年上の相手に対しても、常にどこか偉そうな態度の仄であった。
「そうですね……占いとかの本が置いてあるあたりが、最初に荒らされてたみたいです」
しばし考えてから、網岳は答える。
「占い……か」
状況をいくらか確認してから、仄は一足遅れて地下を目指す。
いつの間にか、水月の存在を網岳までも忘れていた。
トラブルをよそに、片付けは徐々に進んでいた。
雪乃に連れられてきて、敦志はその惨状を目にしていた。
「はは……こいつは……見事に荒らされたもんだ……。ま、協力して少しづつ片付けるか」
「そうなんですよ……ここまですることないと思うんですけどね……」
苦笑する敦志に、息を吐く雪乃。
作業している生徒たちに声をかけて、敦志は協力して片付けるように呼びかける。
姫ノ扇 勇里
は、倒れた棚の前で困った顔をしていた。
頼まれると断れない少年もまた、雪乃に頼まれて片付けをしている。
一応男手なので力仕事を引き受けようとしていた……とはいえ、この棚はとても動かせそうにない。
「あの、すみません、棚を動かしたいので手伝ってもらえませんか?」
マリンブルーの瞳がおどおどと泳ぐ。
「……ああ、こいつは確かに1人じゃ動かせねえな」
声をかけようとしたところに、逆に声をかけられた敦志が倒れた棚を見下ろす。
さらに、もう1人困っている様子の勇里に近づいてきた。
「おいそこの貴様!」
尊大な口調に、勇里が身をすくめる。
細身の眼鏡をかけた
鈴木 修一郎
は、頭ひとつ分は勇里より背が高い。
おびえて答えられない少年の前で、修一郎は棚に手をかける。
「そんな重そうなものが1人で持てるはずがあるまい! この私が運んでくれるわ!」
「そうだな、さっさと起こそうてしまおうか。君はそっちを持って」
敦志に指示され、勇里も棚に手をかける。
倒れた棚を起こした後、さらにずれてしまった棚を勇里たちは元に戻していく。
戻された棚に和気藹々と本を運ぶのは
秋月 かなた
と
春日 はるか
のコンビである。
おかっぱ頭で知的な雰囲気を持つかなたと、ショートカットで活動的な印象のはるか。対照的なイメージを持っているが、2人は付き合いの長い幼馴染であり、そして恋人同士でもある。
いや、対照的であるからこそ、長く付き合っていられるのかもしれない。
図書館に来るとすればかなたが誘ったのだろうと多くの者は考えるだろうし、事実そうであった。
「片付けはともかく力仕事はあまり得意じゃないから、はるかがいてくれて助かるわ」
「本なんてどーでもいいけど、かなたの頼みだしな」
大量の本を軽々と運びあげるはるかを、頼もしげに見つめるかなた。
「片付けも割りと得意なんだぜ。一人暮らしには地味に必須のスキルだしな」
「えっ……そうだったの?」
「そこで意外そうな顔すんな。俺の部屋、ちゃんと片付いてるじゃん」
「……言われてみれば……」
1人暮らしのはるかの部屋を思い出して、かなたは手を叩いた。
「しっかし、黒革の表紙に金模様に金属の留め具ねぇ……んないかにも物騒なこと書いてそうなモンこんな場末の図書館なんかに置いてあんのか? そいつ何? 悪魔でも召喚しようとしてんのかね?」
かなたがそろえた本を持ち上げながら、はるかが首をかしげる。
「そんな非常識な……あ、でも、私たちも非常識よね」
神秘の力であるろっこんははるかとかなたの2人にも宿っている。片付けにはまるで役に立たない力だが。
とはいえ、仮に悪魔を呼び出す方法があると言われても、とても信じられないだろう。
「ま、恐るべき悪魔召喚師の野望の阻止は勇敢な物好き共に任せとこうぜ。俺はんな面倒臭そうな事に首突っ込む気はねーよ」
「私も安易に協力するのはかえって迷惑をかけるのではと感じますね。警察などにお任せするべきでしょう」
2人の近くで、散らばった本を拾い集めていた坊主頭の少年が言う。
坊主とはいっても、彼は痩せていてスポーツをしているようには見えない。
「こうしてお手伝いをするくらいにしておくのがいいでしょうね」
前置きをした上で
森 蓮
は言った。
「犯人にも事情があるでしょうから、憎むことはできません。しかし、島外出身の私でも、短いとはいえ寝子島の住民として、未然に防げなかった事に責任を感じます」
彼の真面目な物言いは、どちらかといえばお坊さんとか、そんな雰囲気のほうがしっくりくる。
警察にだってできないようなことに、蓮は責任を感じているというのだ。
「な~んか堅苦しい考え方だなあ」
「はるか、そういう言い方は失礼じゃない?」
「いえいえ。確かに、おっしゃるとおりかもしれませんね」
はるかの感想に、蓮はただ、穏やかに笑った。
「地下もできたら片付けたいですね。埃は本のシミになりますし、古書は虫に食われることがありますから」
虫を殺すのは避けたいので、陰干しができれば。
考えながら、蓮は掃除を続ける。
荒らされた以上、やはり傷んだ本もある。
そんな本の修復をしているのは、
菅原 嶺
だった。
「荒れた本は直せばいいし、荒らされた本は防げばいい。……だろう?」
芸術科に所属しているが、嶺が得意とするのは工業デザインだ。
長い髪は、作業の邪魔にならないように一つ結びになっている。
傷んだ本を補修していく。
そのかたわら、彼女は盗もうとしていたという本のイミテーションを作成していた。
「黒革の装丁に、金の装飾・装具……か」
大枠はすぐにできたが、古いものに見えるように細部をいじらなければならない。
中に仕込んであるのは防犯ブザーだ。
「本物は、いったいどんな形をしているのだろうな」
嶺は自分の作品を見つめ、呟いた。
補修が必要な本は、1人で作業ができる程度の量ではない。
ただ、もう1人、補修作業をしている
逆巻 天野
はちょくちょく周囲を見回していた。
「先輩、なにかあったのかね……」
ヘッドフォンをしたままの彼が、クールで無気力そうに見えるのはいつものこと。だが、一緒に来たはずの先輩の姿が見えないのがさらにそれに拍車をかける。
「どうした、元気がないようではないか。疲れたのなら私が手伝ってやろう! フハハハハ!」
そんな天野の前に立った悪人面の眼鏡男。修一郎は隣に座ると、見よう見真似で本の修復を始めた。
直した本を、持ち上げたのは
清秋院 静香
だ。
「重いけど、大丈夫か?」
「無理はやめておけ。後で私が運んでやるからな!」
「得意ではありませんけど、大丈夫ですよ。少しらくさせてもらいますからね」
ドアを叩くような仕草をすると、静香の前に穴が空いた。
穴を通って、彼女が目的の棚を目指していくのを天野と修一郎は見送る。
「全く、本を大切にしない人がいるなんて信じられません!」
怒りながら、静香は本を運んでいく。
ふと、彼女は足を止めた。
「ふむふむ、なるほど、ちくわと揚げ玉でちくわ天風ねこまんま……」
「あの……片付け終わってから読みませんか? 時間もゆっくり取れますし」
『美味しいねこまんま読本』を読みふけっていたいいなが、声をかけられて飛び上がった。
片付けは順調だった。
本好きが集まっているだけあっていいなのように誘惑に負ける者もいたが、皆真面目に片付けていたし、それに敦志が効率よく片付けるよう呼びかけたのもある。
もちろん無理強いはできないが、むやみに反発するような者は幸い、いなかった。
知った顔を見かけて、敦志は声をかけた。
「お、睡蓮じゃないか。相変わらずの美人だな。今日は片付けを手伝ってくれてるのか?」
「はい、あっちゃん先輩。島岡先生がなにやらお困りのようでしたので、私も微力ながらお手伝いしようかと思ったんですよー」
ぱっつんとした前髪の少女、
上泉 睡蓮
は笑顔で答えた。
「……適当にしまえばいいってもんじゃないからな。ちゃんとした場所にしまえよ?」
「大丈夫ですよぉ。ちゃんと、私が面白いと思った順番にしまってますから」
「適当にしまうより、もっと悪いし……」
悪い予感が当たったことに敦志は肩を落とす。
「だって、こうしておけば、借りる時に参考になって便利じゃないですか。どうですかどうですかこの心遣い。褒めてもいいんですよ?」
褒めてと書いてある顔に、敦志は柔らかくチョップでツッコミを入れた。
……ともあれ、敦志はみんなの頑張りを、効率的にまとめるよう動き回っていた。
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なし
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日常
推理・サスペンス
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年11月25日
参加申し込みの期限
2012年12月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月02日 11時00分
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